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【見学】東北銘醸・蔵探訪館(山形・酒田) - 生酛造りにこだわる『初孫』の蔵元。充実の利き酒コーナー

東北銘醸の酒造資料館「蔵探訪館」を見学しました。伝統的な生酛[きもと]造りにこだわる『初孫[はつまご]』の蔵元です。


日時:2016年8月26日(金) 15:30~16:30
場所:東北銘醸[とうほくめいじょう](酒田市十里塚字村東山125-3)
内容:自由見学、試飲
料金:無料


★アクセス
160826 (220)東北銘醸・蔵探訪館_工場
東北銘醸は、JR酒田駅から約7kmのところにあります。


★東北銘醸
160826 (219)東北銘醸・蔵探訪館_外看板(初孫)
回船問屋を営んでいた初代・佐藤久吉氏が庄内藩の酒井家より酒造技術を学び、1893年(明治26年)に酒造会社を興しました。代表銘柄は『初孫』。当初の酒銘は『金久[きんきゅう]』でしたが、当家に長男が生まれたのを機に、皆に愛され喜ばれるような酒にしたいとの願いを込めて、昭和のはじめに改名したそうです。シンボルマークの「やぶこうじ」は、秋から冬にかけて赤い実をつける縁起の良い植物です。


★蔵探訪館
160826 (222)東北銘醸・蔵探訪館_外観
同蔵では、酒造りの工程などが学べる資料館「蔵探訪館」が一般向けに開放されています(製造工程の見学はできません)。充実した利き酒コーナーもあります。
160826 (228)東北銘醸・蔵探訪館_全景図
蔵探訪館は、平成6年より稼働している新工場の敷地の一角にあります。創業時は酒田市中心部の本町に蔵がありましたが、設備拡張とより良い水を求めて、この地に新工場を建設したそうです。


★エントランスと志るしの杉玉
160826 (223)東北銘醸・蔵探訪館_エントランス
エントランスには米俵や菰樽[こもだる]などが飾られています。向かって右側に展示室、左側に利き酒コーナーと売店があります。
160826 (226)東北銘醸・蔵探訪館_志るしの杉玉
造り酒屋の軒先に吊るされている杉玉は、「酒ばやし(酒林)」、「三輪ばやし」、「志るしの杉玉」とも呼ばれています。奈良県の大神神社[おおみわじんじゃ]のご神木である杉にあやかってつくられたもので、酒造りの安全や商売繁昌、子孫繁栄などを祈る「奇す玉」として、鄭重に祀られています。
160826 (224)東北銘醸・蔵探訪館_神棚
事務スペースの上部には祭壇がありました。酒神といえば京都の松尾大社が有名ですが、こちらでは大神神社の三輪明神が祀られているそうです。


★展示室
160826 (227)東北銘醸・蔵探訪館_展示室
酒造工程のパネルや原料のサンプル、酒器、初孫の輝かしい受賞歴などが展示されている展示室。

<稲のサンプル>
160826 (245)東北銘醸・蔵探訪館_稲 - コピー
山形県農業試験所から提供された稲のサンプル。
160826 (246)東北銘醸・蔵探訪館_稲のラベル
山形県のオリジナル酒米も展示されていました。
・出羽燦々(山形酒49号)、育成年:H6、♀美山錦×♂青系97号「華吹雪」。
・出羽の里(山形酒86号)、育成年:H13、♀滋系酒56号「吟吹雪」×♂「出羽燦々」。

<麹菌>
160826 (235)東北銘醸・蔵探訪館_種麹2種(拡大) - コピー
種こうじのサンプル。左は大吟醸用。

<酒造器具の写真や酒造工程のパネル>
160826 (233)東北銘醸・蔵探訪館_精米機(写真) - コピー
精米機の写真。平成3年(1991年)に精米工場が新築され、5台の全自動精米機が導入されたそうです。
160826 (238)東北銘醸・蔵探訪館_ろ過機の型
ろ過機の構造。一般的な日本酒の本にはここまで詳細に記載されていないので参考になりました。
160826 (237)東北銘醸・蔵探訪館_醪の標準的な品温経過
醪の標準的な品温経過のグラフ。酒造りがいかに繊細で緻密な作業を必要とするかがわかります。


★受賞歴
160826 (241)東北銘醸・蔵探訪館_賞状の数々
数々のコンクール等で獲得した賞状などの展示コーナー。
160826 (250)東北銘醸・蔵探訪館_全国新酒鑑評会の賞状(金賞)
第98回の全国新酒鑑評会(平成22年)にて金賞を受賞した際の賞状。


★生酛造りの資料
160826 (235)_東北銘醸・蔵探訪館_生酛造りの資料
同蔵がこだわる「生酛造り」や日本酒のしくみについてわかりやすく説明したオリジナルの資料もあります。

<生酛造り>
アルコールをつくる酵母菌は(雑菌が苦手とする)酸に強いため、酒母を造る際に”乳酸を活用”して原料を酸性にします。市販の乳酸を添加する簡易な方法が「速醸系酒母」、空気中の乳酸菌に乳酸をつくらせる手間も時間もかかる方法が「生酛系酒母」です。

生酛系酒母と速醸系酒母(カッコ内が速醸系)
仕込温度:6-7℃(20℃)
製造日数:20-30日(7-15日)
アミノ酸:5-8(2-3)
酸度:10(7)

★利き酒コーナー
160826 (258)東北銘醸・蔵探訪館_試飲コーナー
利き酒コーナーには8種類のお酒が用意されていました。小さなプラスチックカップを受け取り、自由に試飲ができるスタイルです。

①『初孫 生酛純米吟醸 旬香』Alc.15.5%、出羽燦々(精米歩合60%)、日本酒度+4、酸度1.4、1,458円/720ml
②『初孫 生酛純米吟醸 いなほ』Alc.15.5%、美山錦(精米歩合55%)、日本酒度+4、酸度1.4、1,458円/720ml
③『初孫 辛口本醸造 峰の雪渓』Alc.15.5%、美山錦(精米歩合60%)、日本酒度+4、酸度1.3、1,134円/720ml
④『初孫 生酛純米』Alc.15.3%、美山錦(精米歩合60%)、日本酒度+3、酸度1.4、1,172円/720ml
⑤『初孫 純米本辛口 魔斬』Alc.15.5%、美山錦(精米歩合55%)、日本酒度+8、酸度1.5、1,323円/720ml
⑥『初孫 生酛純米大吟醸 祥瑞』Alc.16.5%、日本酒度+3、酸度1.4、2,808円/720ml
⑦『初孫 大吟醸』Alc.16.5%、山田錦(精米歩合40%)、日本酒度+2、酸度1.2、3,348円/720ml
⑧『初孫 生酛特別本醸造原酒 古酒三歳』Alc.18.0%、日本酒度+2、酸度1.6、2,268円/720ml

④『初孫 生酛純米酒』
160826 (266)東北銘醸・蔵探訪館_初孫_生酛純米酒
初孫の代表作品。飲み飽きのしない定番酒。ぬる燗にしても美味しそうでした。

①『初孫 生酛純米吟醸 旬香[しゅんか]』
160826 (260)東北銘醸・蔵探訪館_試飲_旬香
出羽燦々を100%使用し、搾ったままの酒を氷温で貯槽した純米吟醸。上立ち香は上品でフレッシュ、純米ならではのふくよかさと旨味があり、余韻にスッキリとしたキレが感じられました。季節限定商品。

⑤『初孫 純米本辛口 魔斬[まきり]』
160826 (268)東北銘醸・蔵探訪館_試飲_魔斬
魔斬とは、酒田に伝わる切れ味の鋭い小刀(主に漁師が使用)。魔を斬ることから、魔除けの縁起物とされています。日本酒度は+8で、名前の通りスッキリとした辛口の酒でした。

⑧『古酒三歳』
160826 (275)東北銘醸・蔵探訪館_試飲_古酒三歳
3年以上熟成させた生酛造りの特別本醸造。外観はほんのりと琥珀色。熟成による複雑な香りとまろやかな口当たりが楽しめました。


★売店
160826 (279)東北銘醸・蔵探訪館_売店
利き酒コーナーの一角には、お酒や特産品などの売店コーナーがあります。
160826 (280)東北銘醸・蔵探訪館_商品ケース - コピー
旅のお伴用に『旬香』の4合瓶を購入しました。

160826 (276)東北銘醸・蔵探訪館_鉄釜
売店の外に展示されていた釜。

★杜氏
東北銘醸の杜氏は、後藤英之[ごとうひでゆき]氏。昭和55年に東京農業大学・農学部醸造学科を卒業され、翌年に初孫本店(現、東北銘醸)に入社し、29歳で杜氏に就任されています。


(初稿)2017.9.1

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テーマ : 日本酒の酒蔵見学
ジャンル : グルメ

プロフィール

Nomura Seiji

Author:Nomura Seiji
・お酒と薬膳理論の入門講座、飲酒教育
 nomuras.jimdo.com
・JSAワイン検定講師
・JSAワインエキスパート
・1971年生
・東京在住

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