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【見学】亀ノ尾発祥の地(熊谷神社)と阿部亀治翁頌徳碑(八幡神社) - 漫画『夏子の酒』に登場する幻の米「龍錦」の発祥地へ

亀ノ尾の里資料館に続き、八幡神社[はちまん-]の阿部亀治翁頌徳碑[あべかめじおうしょうとくひ]と、”亀ノ尾発祥の地”である熊谷神社[くまがい-]を訪ねました。阿部亀治氏が創選した水稲の”亀ノ尾”は、尾瀬あきら氏の漫画『夏子の酒』に登場する幻の米「龍錦」のモデルです。


日時:2016年8月26日(金) 10:30頃~
場所:山形県東田川郡庄内町 [ヒガシタガワグン・シヨウナイマチ]
(八幡神社)小出新田ニタ縄29 [コイデシンデン・フタナワ]
(熊谷神社)肝煎丑ノ沢71 [キモイリ・ウシノサワ]
料金:無料
交通:車(亀ノ尾の里資料館-約3,9km→八幡神社-約20.5km→熊谷神社)


★八幡神社の「阿部亀治翁頌徳碑」
160826 (87)小出新田
資料館を後にし、約4kmほど北側にある小出新田の八幡神社へ。写真は小出新田のバス停。神社の近くには阿部亀治氏の生家があります(一般住居であるため見学はできません)。

160826 (88)八幡神社(阿部亀治翁頌徳碑)遠景
160826 (91)八幡神社の鳥居(阿部亀治翁頌徳碑)
阿部亀治翁頌徳碑は、八幡神社の境内にあります。頌徳は、徳をたたえるという意味です。

160826 (106)2八幡神社(阿部亀治翁頌徳碑と案内板の全景)
この頌徳碑は、阿部亀治氏が昭和2年(1927年)に藍綬褒章[らんじゅほうしょう](公衆の利益に寄与した者、または公共の事務に尽くした者に藍色の綬の記章とともに授与されるもの)を受章した際の記念として建立されました。除幕式には彼も列席しましたが、翌年に61歳の生涯を閉じています。
160826 (92)八幡神社(阿部亀治翁頌徳碑)案内板の説明書き
明治元年(1868年)、阿部亀治氏は小山新田の農家の長男として生まれました。彼は寺子屋くらいでしか教育を受けていませんが、独学で研究を行い、水稲の品種改良に取り組みました。明治26年(1893年)、彼は熊谷神社を訪れた際に冷害にも関わらず元気に育つ3本の稲を見つけ、それを品種改良した結果、「亀ノ尾」を生み出しました。

160826 (107)八幡神社(阿部亀治翁頌徳碑)石碑のアップ
毎年9月5日には顕彰祭が行われ、彼の偉業が讃えられています。
160826 (98)八幡神社(阿部亀治翁頌徳碑)背面の碑文
石碑の背面の碑文。


【余談】余目八幡神社と鯉川酒造
160826 (16)余目八幡神社の外観
亀ノ尾の里資料館に行く前にグーグル地図で探し当てた八幡神社を訪ねましたが、亀ノ尾の記念碑が見当たりませんでした。資料館に電話をして尋ねたら、そこは”余目八幡神社”で、記念碑のある八幡神社とは全く別の神社でした(しかも、その時は八幡神社と熊谷神社の記念碑を混同していました)。
160826 (21)鯉川酒造
160826 (20)鯉川酒造
遠回りをしましたが、間違えたおかげで、近くにある鯉川酒造の外観をみることができました。亀ノ尾を復活させた蔵としては新潟県の久須美酒造が有名ですが、上原浩氏(元酒類鑑定官)の著書『純米酒を極める』(初版、P78)には、「そのことの話題性を積極的に利用しようとは考えていないようだが、私の知るなかで、亀の尾の復活にもっとも熱心に取り組んでいたのは鯉川酒造である。」と言及されています。


★熊谷神社「亀ノ尾発祥の地碑」
160826 (113)最上川
八幡神社を後にして、南東約20kmのところにある熊谷神社へ。途中、最上川の川沿いの道を通りました。
160826 (114)熊谷神社への標識
熊谷神社への標識。

<熊谷神社>
160826 (117)熊谷神社への入口
熊谷神社への入口。冬季は雪に覆われるため、閉社期間が設けられています(1月6日〜3月31日。積雪量により変更)。
160826 (140)熊谷神社の鳥居
熊谷神社に守護神として祀られているのは、熊谷三郎兵衛[くまがいさぶろべえ]氏。江戸初期の慶安事変の際、由比正雪の高弟として、過酷な藩政に苦しむ人々を救おうと活躍した義民です。
160826 (145)熊谷神社の駐車場copy
鳥居の左側には2つの石碑が立ち、階段下の左側には亀ノ尾のミニ水田があります。

<石碑>
160826 (139)熊谷神社の石碑全景
160826 (134)熊谷神社の石碑の裏側
「亀之尾発祥乃地」の石碑と「水稲品種亀之尾由来」が刻まれた記念碑。

160826 (128)亀之尾発祥乃地の石碑
「亀之尾発祥乃地」の石碑。

160826 (135)熊谷神社_水稲品種亀之尾由来の記念碑
160826 (129)熊谷神社_水稲品種亀之尾由来の碑文
「水稲品種亀之尾由来」が刻まれた記念碑。

<亀ノ尾のミニ水田>
160826 (144)熊谷神社に奉納された亀ノ尾copy
11代当主の阿部耕祐氏から奉納された亀ノ尾の稲。
160826 (141)熊谷神社の亀ノ尾の稲
160826 (122)熊谷神社の亀ノ尾の稲copy
明治26年(1893年)9月29日、熊谷神社を訪れた阿部亀治氏は、神社付近の水田の水口(みなくち。水の取入口)に植えられていた稲の在来品種”惣兵衛早生”の中から、冷害にも関わらず倒伏していない3本の穂を見つけました(彼は、父の友人より「月山の雪解け水の冷たさに耐えて秋に立派に穂を実らせる水口稲(惣兵衛早生)がある」と聞き、ずっと気になっていたそうです)。持ち主からその穂を譲り受けた彼は数年にわたる研究を重ね、ついに「亀ノ尾」の創選に至りました。

160826 (119)熊谷神社_亀ノ尾発祥の地の説明書きcopy
ミニ水田の説明書きには、「このあたりの稲作りは大変で、冷水がかかり、昔の地名の旦那腰[だんなごし]と言う強風が吹く。なかなか稲はそだたない。今も旦那腰の強風が参道を通り抜ける」と記されていました。
この地には日本三大局地風(悪風)のひとつに数えられる「清川だし[きよかわだし]」が吹きおろし、今も農作物などに悪影響を与えることがあります。因みに、岡山県那岐山麓に吹く「広戸風[ひろとかぜ]」と、四国山地を吹きおろす愛媛県伊予三島付近の「やまじ風」が残りの日本三大悪風に数えられます。

160826 (147)庄内町の風力発電
庄内町(旧立川町)ではこの局地風を逆手にとり、小型風車による農業への利用(温室ハウスなど)を目的とした風エネルギー実用化実験事業や、科学技術庁が実施した風力発電の実験事業の受け入れなどに取り組んでいます。


★庄内町新産業創造館クラッセ
160826 (149)余目クラッセ
熊谷神社の帰りに、JR余目駅[あまるめえき]の近くにあるクラッセに立ち寄りました(熊谷神社から約22km)。米倉庫を活用した庄内観光の拠点施設で、館内には庄内町情報館や、アルケッチァーノの奥田政行シェフが監修するレストラン「やくけっちゃーの」、なんでもバザール「あっでば」、カフェ「余目製パン」などがあります。
160826 (151)余目製パンのももサンド
余目製パンの名物、ももサンド。みずみずしい桃の果肉と生クリームがたっぷり入って美味しかったです。
160826 (152)余目駅
JR余目駅は羽越本線[うえつほんせん]と陸羽西線[りくうさいせん]の接続駅。陸羽西線は「奥の細道最上川ライン」と呼ばれ、路線の大部分が最上川沿いを走ります。


★ランチ(ブリラーノ:庄内町余目三人谷地12-2)
160826 (154)ブリラーノ_外観
地元の方に薦められたイタリアン・レストラン「ブリラーノ」へ。余目駅から約450mのところにあります。お昼時で満席でしたが、20-30分ほどで席につくことができました。
160826 (155)ブリラーノ_ランチメニュー
ランチはサラダとドリンクがついて1,100円。メインはA、B、パスタの3品から選べます。
160826 (161)ブリラーノ_海の幸とミニトマト、バジリコのパスタ
海の幸とミニトマト、バジリコのパスタ。
160826 (163)ブリラーノ_白イチジクとくるみのチョコレートケーキ
デザートはなんと、7種類の中から選べます。写真は、白イチジクとくるみのチョコレートケーキ。

160826 (168)庄内町の水田
この後は、酒田市の酒蔵、オードヴィ庄内(余目駅から約15km)を訪ねました。道中には広大な水田が広がっており、この地が日本有数の米どころであることを実感しました。


(初稿)2017.8.17

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Nomura Seiji

Author:Nomura Seiji
・お酒と薬膳理論の入門講座、飲酒教育
 nomuras.jimdo.com
・JSAワイン検定講師
・JSAワインエキスパート
・1971年生
・東京在住

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