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【見学】白鶴酒造資料館(兵庫・東灘) - 昔の酒造り

兵庫県・灘の白鶴酒造資料館を見学しました。2階建ての館内では”昔の酒造り”の様子が再現されています。昨年3月に続く2回目の訪問です。

日時:2016年5月28日(土) 9:40頃~
場所:白鶴酒造資料館(神戸市東灘区住吉南町4丁目5-5)
内容:自由見学、試飲
料金:無料
URL:http://www.hakutsuru.co.jp/community/shiryo/index.shtml

★アクセス
160528 (2)住吉駅
最寄駅は阪神電鉄の住吉駅です。この日は大阪市内から、阪神電鉄の特急と普通列車を乗り継いで訪れました(梅田駅9:00→9:15西宮駅9:17→9:29住吉駅。運賃300円)。駅から目的地までは約450mです。

★外観
160528 (3)白鶴酒造資料館_本社
白鶴酒造の本社。資料館は同じ敷地内にあります(写真の右下)。

160528 (5)白鶴酒造資料館_外観
資料館の建物は大正初期に建造されたもので、昭和44年3月まで本店壱号蔵として稼働していました。

★昔の酒づくりの工程
館内には昔の酒造りの様子が再現されており、パネル展示も充実していました。
以下は、白鶴資料館のパンフレットや説明書きからの引用・抜粋です。

①洗米:
精白した米を踏桶[ふみおけ]に入れて洗います。半袖シャツにサルマタ、鉢巻姿の二人の若者が素足で踏桶に入り、勇ましい掛け声に合わせて、踏んでは水を流す作業を続けます。

②蒸米:
甑[こしき]を大釜[おおかま]の上に乗せて米を蒸します。甑の底には小さな穴があり、沸騰した釜の蒸気が上がるようになっています。蒸気が勢いを持って昇るまで釜屋は気を許せません。
160528 (8)白鶴酒造資料館_蒸米
<甑取り>甑靴をはき、大分司[おおぶんじ]を手にした”掘手”が、もうもうと蒸気の立つ甑の中に入り、蒸米の取り出しがはじまります。休座[きゅうざ](休台)へ上がった”取手[とりて](補助役)”から、蒸米を受け取った”飯かつぎ”が、急な階段をかけのぼって放冷場へ走ります。掘手と取手、取手から飯かつぎへと、活気に満ちた早朝の流れ作業がすすめられていきます。

160528 (11)白鶴酒造資料館_大釜
<大釜>蒸米用の鉄製釜。約10石(1升びん約1000本)。昭和初期から軽銀大釜と呼ばれるアルミニウム製の釜も使われるようになりました。

160528 (27)白鶴酒造資料館_櫓
<櫓[やぐら]>大釜の上に乗せた甑で米を蒸すと、蒸米から摂氏百度もの蒸気が勢いよく上がります。その蒸気を抜くために、1階から2階天井を突き抜ける櫓が設けられています。

③放冷:
蒸米は添[そえ]、仲[なか]、留[とめ]、酛[もと]・麹[こうじ]用に区分し、それぞれ放冷場で冷やします。飯冷やしにもルールがあり、莚[むしろ]に移した蒸米をまず釜屋が両端から一本筋を描き、2回目に2本、3回目に3本と、冷却を均等に行うため繰り返して行います。

④麹取込み:
麹は室[むろ]という高温・多湿の特別な部屋でつくられます。品質の良い麹菌を均等に繁殖させるために、2~3時間おきに蓋打ち[ふたうち]、仲仕事、仕舞仕事と続け、麹の積み替えを2回行います。
160528 (12)白鶴酒造資料館_
麹室の様子。手前の道具は、左から、「盛枡[もります]」、「麹蓋」、「もやしつぶし(種麹から米粒を取り除く道具。こするように胞子を落とす)」、「もやし振り(もやしつぶしですりつぶされた種麹=もやしを噴霧状に振る道具)」。

160528 (25c)白鶴酒造資料館_麹冷まし
<麹冷まし>約2日間かかって出来上がった麹は品温が約42℃位あるため、莚の上に広げて冷まします。麹は午前零時30分に取り出し、夕方6時頃まで莚の上に広げておきます。添麹[そえこうじ]は午前4時頃取り出し、午後11時まで広げておきます。仲麹・留麹は午前零時頃取り出し、午前7時頃まで留麹は広げておき、仲麹の方は翌朝3時頃まで広げておきます。

⑤酛仕込み:
麹と蒸米を半切[はんぎり]に計り分けます。水は龍の口で調節しながら大半切り[おおはんぎり]に入れ、棒櫂[ぼうかい]でよくかきまぜる「山起こし」を行います。
160528 (29)白鶴酒造資料館_酛摺り
<酛摺り[もとすり]>半切桶に仕込まれた酛(酒母)をすりつぶします。最初は3人、次に2人1組になっておこないます。櫂で撹拌する調子を揃えるため、また、作業の時間を限定するために、地方によって独特の酛摺り唄が歌われていました。

160528 (18)白鶴酒造資料館_半切
<半切桶>半切の名称は、桶を半分に切った形に由来し、用途別に以下の名前が付けられています。
・酛半切:酛の製造に使用。
・水半切:仕込み水に使用。
・洗半切:小道具を洗う時に使用。
・胴半切:雑半切。雑巾など雑物を洗うのに使用。

⑥醪仕込み・醪出し:
醪の仕込みは、原則として添・仲・留の三段仕込。発酵を終えた醪は仕込桶に汲み出し、担桶[にないおけ]で小出桶[こだしおけ]に移します。
160528 (33)白鶴酒造資料館_仕込み
<櫂入れ[かいいれ]>蒸米・麹・水が仕込まれると、4人の若者が桶の上にあがり、発酵調整のための撹拌作業が行われます。作業は声を張り上げて歌いながら行われます。
<大桶>約33石(1升瓶3300本)。醪の仕込みや酒の貯蔵などに使用。
<うどん屋、歩み板、馬>3つを組み合わせて大桶の側に置き、この上で作業しました。うどん屋の名称は夜泣きうどんの屋台に似ていること、馬の名称は側面から見ると二等辺三角形をした四つ足の支台で馬を連想させる形であることに由来。
<大神楽[おおかぐら]>一種の大きなじょうご。大桶にひっかけて醪を汲み出す時に使用。

160528 (41)白鶴酒造資料館_担い桶
<担桶[にないおけ]>約27ℓ(1升瓶約15本)。水・酒・醪などを入れ、天秤棒の両端に担って運びました。
<枝桶[えだおけ]・三尺桶>約7石(1升瓶約700本)。醪を仕込む時に最初から1本の容器に全量を仕込まず、数本の桶に分割して仕込まれました。大きい桶は”親桶”、親桶の側に据えられた小さい桶は”枝桶(小桶・三尺桶)”と呼ばれました。

160528 (20)白鶴酒造資料館_阿弥陀車
<阿弥陀車[あみだぐるま]>手摺り[てすり]から下を覗くと、蔵人2人が直径3mほどある大きな仕込み桶を1階から2階へ上げる作業が見られ、阿弥陀車の下で大桶を受ける蔵人が作業をしています。梁[はり]に取り付けられた阿弥陀車により滑車の原理を利用して、6kl(1升瓶で約3300本)もある大桶(約800㎏)を2階へと上げています。本来1階の天井は閉じられており、必要な時に開閉できる仕組みになっています。狭い蔵を上手に使った先人達の工夫を垣間見ることができます。

⑦上槽:
醪を酒袋[さかぶくろ]に入れ、酒槽[さかぶね]でしぼって酒と粕とに分離します。最初は約千枚の酒袋を荒しぼり、翌日は責槽[せめぶね]に集めてしぼり直します。さらに、一日圧搾して粕を抜きとり、清酒が生まれます。
160528 (65)白鶴酒造資料館_酒槽
<酒槽(槽)>醪の入った酒袋を酒槽に並べ重ねて入れて搾ります。最初の4~6時間は酒袋から酒が自然に流出し、袋の高さも低くなるのでかさ(層枠)を取りはずし圧搾を始めます。一昼夜過ぎると酒の流出量が少なくなり、部分的に搾り切れない箇所ができているので、酒袋を積み替えて強い力でもう一日搾ります(槽直し[ふねなおし])。最初に搾る槽を”揚槽[あげふね]”と呼び、槽直しの後に袋を積み替えて搾る槽は”責槽[せめぶね]”と呼ばれました。
<かばち>酒槽の上縁部の木枠の名称。一般には桜材が多く使用されました。かばちは「框[かまち]」のなまりとされています。
<押蓋[おしぶた]・鬼蓋・大蓋>堅固な木製の大きな蓋。厚板を幾枚も並べてその直角方向に長い角材5~6本を平行に置き、釘止めしたもの。

160528 (48)白鶴酒造資料館_銚子口
<銚子口>酒槽で搾った酒が槽から垂壺に流れ出る部分。
<よだれかけ>銚子口から出る酒を垂壺に導くための用具で、一種の架け橋。銚子口によだれかけのように取り付けるところに由来。
<すいのう>酒槽から流れ出る新酒の中の米粒などを、こし受けるのに使用。

160528 (47c)白鶴酒造資料館_垂壺
<垂壺[たれつぼ]・垂がめ>酒槽の中で搾られた酒は、銚子口から流れ出てこの垂壺に受けられます。

⑧滓引き火入れ:
しぼりたての酒は、白く濁っています。これを、約1週間おいて沈殿させ、上澄みを他の桶へ移す作業が滓引きです。そして、殺菌や熟度香味などの調節のために、酒を釜に入れて約60℃に加熱します。これを火入れ(煮込み)といいます。
160528 (53)白鶴酒造資料館_呑箱
<呑箱[のみばこ]>滓引き用の小道具類(竹呑、雀など)を入れる木箱。

⑨貯蔵:
火入れの終わった酒は囲い桶(貯蔵桶)に入れ、酒の上に浮いている泡をすくい取り、フタをします。この時、フタの上に、重石を10個並べ、桶とフタを密着させ、秋まで貯蔵するのです。

⑩樽詰:
清酒は、厳選された吉野杉の四斗樽に詰め、出荷します。銘柄商標などをいれた藁菰[わらごも]を樽に巻き、とじ縄をかけると菰冠樽[こもかむりだる]のでき上がりです。
160528 (63)白鶴酒造資料館_樽
樽づくりの様子。

★試飲
1階の売店の近くに無料の試飲コーナーがあります。
160528 (68)白鶴酒造資料館_試飲
①「蔵酒 特別純米原酒」Alc.17%、日本酒度+3、酸度1.9、アミノ酸度1.4、兵庫県産山田錦100%使用、1,080円(500ml)
②「本醸造 辛口」Alc.15-16%、白鶴ファーム生産米100%使用、丹波杜氏:小佐光浩氏、1,512円(720ml)

★感想
昔の作業風景の展示が充実していて、機械化される以前の酒造りがいかに過酷で重労働であったかが伺えました。また、昔の酒造道具のバラエティが豊かで、名称の由来なども含めて、とても興味深かったです。

この後は、「福寿」の蔵元、神戸酒心館を訪れました。


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テーマ : 日本酒の酒蔵見学
ジャンル : グルメ

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Nomura Seiji

Author:Nomura Seiji
・お酒と薬膳理論の入門講座、飲酒教育
 nomuras.jimdo.com
・JSAワイン検定講師
・JSAワインエキスパート
・1971年生
・東京在住

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