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【見学】七福醸造・ありがとうの里(愛知・碧南市) - 白だしの元祖

白だし(白醤油にだしを入れたもの)を開発した七福醸造を見学しました。
当日予約にも関わらず、とても丁寧に案内して頂きました。

日時:2016年4月8日(金) 13:00~
場所:七福醸造・ありがとうの里(愛知県碧南市山神町2-7)
内容:見学、試飲・試食(ガイド付き)
料金:無料
交通:名鉄三河線(北新川駅→刈谷駅ほか)、18きっぷ(刈谷駅→東京ほか。1日あたり2,370円)

★アクセス・外観
160408七福醸造 (外観)
最寄り駅は名鉄三河線の北新川駅。工場までは約1.0km。写真の右側にある売店で見学の受付を済ますと、男性スタッフが迎えにきてくれました。見学は左奥の建物から始まりました。

★”ありがとう”を大切にする会社
160408七福醸造 (比較)
最初に”6年前のごはん”が入った2つの瓶を見せて頂きました。2010年6月より保存されているもので、左側には「ありがとう」と語り続け、右側には「ばかやろう」と声をかけ続けたそうです。右側の方が明らかに痛みが激しくなっていました。感謝の気持ちが美味しい商品をつくるというのが同社のポリシー。感謝の気持ちを忘れないよう、工場や機械、ラベルの裏など、いたる所に”ありがとう”の文字が記されているそうです。

★白だしの元祖
160408七福醸造 (白だし)
1978(昭和53)年に同社が発売した「料亭白だし」は、日本初の白だし。飛騨高山の料理人から「茶わん蒸しを作るのにだしを作って冷ましていたら間に合わない。簡単に作れるよう白醤油にだしを入れたものを作れないか」という依頼を受けたのが開発のきっかけ。白醤油しか扱っていなかった同社は試行錯誤を重ね、良い材料を厳選し、4年の歳月をかけて料理人の舌を納得させるものを完成させたそうです。

★白醤油の原料
(1)塩(塩水)
160408七福醸造 (天日塩)
白醤油の原料の一つである塩水には、写真右側の”天日塩”を使用。左側の食塩は塩化ナトリウム99%以上ですが、天日塩には塩化ナトリウム以外にカルシウム、マグネシウム、鉄、カリウム等が豊富に含まれています。天日塩は加熱処理などを加えずに太陽光だけで乾燥させて作られる塩で、体にも優しい塩です。

(2)小麦、大豆
160408七福醸造 (白醤油の原料)
通常の醤油は”小麦5:大豆5”ですが、白醤油は”小麦9:大豆1”という割合で作られるそうです。小麦は”精麦”されたものが工場に届くそうですが、ウイスキーやビール造りの(大麦の)製麦とは異なり、発芽させてモルトにすることはないそうです。同社では小麦、大豆ともに”有機JAS認定原料”を使用し、認定機関FVOより”オーガニック白醤油認定工場”の指定を受けています。
160408七福醸造 (こうじ)
丸大豆の麹。以前は炒った半割りの大豆を使っていたそうです。白醤油に使う麹菌は、”色をなるべく出さないもの"、”小麦のでんぷんの糖化力が強いもの”をメインに3-5種類を配合しているそうです。日本酒の工場見学で、白くて小さい米麹を見慣れていたせいか、大豆の麹はずいぶん大きく感じられました。

★白醤油の製造工程(会社案内「ありがとう」より抜粋)
①小麦・大豆を洗う

②水にひたす

③蒸す=蒸煮[じょうしゃ]
160408七福醸造 (蒸煮缶)
写真は”蒸煮(NK)缶”。小麦、大豆を蒸す圧力釜。

④冷却する=放冷
160408七福醸造 (放冷機)
写真は”放冷機”。蒸煮管で蒸した原料に下から空気を当てて冷ます機械。原料が熱いままだと酸化して色が濃くなってしまうため、急速に冷まして色が付かないようにするそうです。

⑤種麹混合
160408七福醸造 (麹室)パネル写真
”麹室”のパネル写真。2日かけて麹を育てるそうです。温度は35度位から始めて、最高38度付近まで上げてから冷ますそうです。日本酒は原料米の約2割を麹にして残りは蒸米のままで仕込みますが、白醤油は全量を麹にするそうです。

⑥食塩水混合
160408七福醸造 (塩溶場)
塩水をつくる”塩溶場[しおときば]”。塩水をためるタンクの材質はFRP(Fiber-Reinforced Plastics。繊維強化プラスチック)。

⑦熟成(約3カ月)
160408七福醸造 (発酵タンク)
深層発酵タンク(仕込タンク)。麹と塩水を仕込み、温度20度付近(15-25度)で約3カ月熟成させるそうです。50㎘(50,000ℓ)のタンクが4本。すべてに”ありがとう”の文字が記されていました。

⑧ろ過
160408七福醸造 (ろ過)
ろ過は珪藻土を利用。紙を何重かにしてはさみ、液と珪藻土をまぜて通すことで、琥珀色の白醤油になるそうです。白醤油は加熱殺菌せずに生で出荷しているそうです。

★白醤油の試飲
160408七福醸造 (白醤油の試飲)
タンクからとった生醤油の試飲をさせて頂きました。原液なのでやや濁りがありますが、明るめな琥珀色の液体でした。味わいは小麦由来の糖分の甘さに、塩気とうま味などが複雑に重なりあって、ふだん使っている濃口醤油とはずいぶん違うと感じました。

★だしの原料(白醤油と調合)
160408七福醸造 (だし原料)
だしに使われるのは、厚削りの”本枯れ節”(九州枕崎産の三度カビ付けした鰹節。今も一本一本手作りのものを使用)、北海道産の"昆布”、国産の肉厚椎茸”どんこ”など。見るからに良質な材料だと感じられました。他にも宗田ガツオ、ムロアジ、シビ(マグロ)などを商品毎に使い分けてブレンドしているそうです。

★洗瓶・火入れ殺菌・瓶詰
160408七福醸造 (20)
DVDによる説明を受けた後に、ガラス越しに機械などを見学しました。

★昔の醸造道具など
160408七福醸造 (麹蓋など)
麹をつくる麹蓋は日本酒の酒蔵にあるものと同じように見えました。
160408七福醸造 (とうみ)
唐箕[とうみ]。風力を起して穀物を精選するための農具。今は不良品やゴミが除かれた原料が工場に届くそうです。
160408七福醸造 (木桶)c
年に1回だけ木桶で仕込む商品を今でも作っているそうです。化学物質過敏症や末期がんの方にも安心して召し上がって頂けるよう、自然栽培の原料、天然水、昔ながらの製法で作ってほしいとの依頼を受け、そのために”木の室[ムロ]”も新設したそうです。

★試食
工場見学の後に、白だしを使った料理を試食させて頂きました。
160408七福醸造 (試食・玉子スープ)
かきたまのお吸い物。ホットプレートで沸かしたお湯に白だしを入れ、溶き卵を少しづつ投入して作ってくださいました。とても簡単なのに、だしの旨みが口の中一杯に広がる本格的な味が楽しめました。
160408七福醸造 (試食・だし玉子と浅漬け)
白だしを使った玉子焼きと浅漬けにした胡瓜。後者はジッパー付きのビニール袋に胡瓜と白だしを入れて15分ほどで出来上がり。色が淡い白醤油がベースなので、美味しいだけでなく、素材の色をきれいに活かせると感じました。

★マスコットキャラクター
160408七福醸造 (白だっしー2号)
七福醸造の2代目の白だしマスコット・キャラクター、”白だっしー2号”。

★特選料亭白だしシリーズ(価格は税込み、360ml、訪問日現在)
・特選料亭白だし:626円
・特選料亭白だし・四季の彩:734円
・特選料亭白だし・四季の彩・減塩タイプ:734円
・無添加・料亭白だし・四季の恵:950円、など

★感想など
「ありがとうの里」という施設名が表す通り、感謝の気持ちをとても大切にしている会社でした。また、工場の清掃が行き届いており、機械がまるで新品のように磨かれていることが印象的でした。


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テーマ : しょうゆ工場見学
ジャンル : グルメ

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Nomura Seiji

Author:Nomura Seiji
・お酒と薬膳理論の入門講座、飲酒教育
 nomuras.jimdo.com
・JSAワイン検定講師
・JSAワインエキスパート
・1971年生
・東京在住

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