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【見学】よしかわ杜氏の郷(新潟・吉川町) - 「米を削ればよいって風潮になっていますけどね...」

"18きっぷで行く新潟の酒蔵めぐり”の2日目。
1軒目は越後杜氏の聖地、吉川区にある”よしかわ杜氏の郷”を訪れました。
マンガ「夏子の酒」に登場する山田信介杜氏(じっちゃん。モデルは波瀬正吉氏)も吉川の出身です。

日時:2014年9月9日(火) 12:00頃~
場所:道の駅・よしかわ杜氏の郷(新潟県上越市吉川区杜氏の郷1番地)
内容:自由見学、試飲(ガイド無し)
料金:無料
交通:18きっぷ(新潟駅⇔上下浜[じょうげはま]駅ほか。1日あたり2,370円)

★アクセス
140909信越本線 _青海川駅(12)
JR信越本線で新潟市内から上越市方面へ。新潟駅6:42発→上下浜駅9:12着。
途中で”日本一海に近いところにある駅”、柏崎市の青海川[おうみがわ]駅に停車しました。大好きな駅のひとつです。
140909信越本線 (28)
最寄り駅の上下浜駅。よしかわ杜氏の郷までは約2.3km。のんびりと徒歩で向かいました。

★外観
140909よしかわ杜氏の郷 (4)
よしかわ杜氏の郷は”新潟県道30号新井柿崎線”沿いにある道の駅で、酒蔵が併設されています。

★吉川は”杜氏のふるさと”
140909よしかわ杜氏の郷 (5) 案内板c
吉川では元禄4(1691)年から酒造りが行われ、 以来近世を通じて旧よしかわ町域の27集落に酒造りを営む酒屋があったそうです。 現在でも多くの酒造技術者が居住しています。新潟県立吉川高等学校には全国でも珍しい”醸造科”がありましたが、残念ながら2003年に閉科、2008年に廃校となっています。実習で醸された酒は「若泉」の銘柄で出荷されていたそうです。

★観光酒蔵
140909よしかわ杜氏の郷 (31)
売店の奥に醸造施設があり、製造工程に沿って設備等をガラス越しに見学できます。

①洗米・浸漬
140909よしかわ杜氏の郷 (25)①洗米・浸漬

②蒸米
140909よしかわ杜氏の郷 (24)②蒸米

③麹・酒母・醪
140909よしかわ杜氏の郷 (17)③麹・酒母・醪

④上槽
140909よしかわ杜氏の郷 (15)④上槽

⑤壜詰
140909よしかわ杜氏の郷 (14)⑤壜詰

★昔の酒造道具
140909よしかわ杜氏の郷 (21)ささら
<ささら>道具を洗ったり、用具の底などに残ったカス等を払ったりする際に使用する。
140909よしかわ杜氏の郷 (11)暖気樽・ためc
<暖気樽>だきだる。中にお湯を入れて、醪の中に入れて熱を与える道具。
<ため>水や蒸米、麹などを運ぶ道具。
140909よしかわ杜氏の郷 (20)麹蓋c
<麹蓋>こうじぶた。麹造りの道具。蒸米に種麹(麹菌)をふりかけ、切り返し後に、この蓋に入れ、何段かに積み重ねて麹菌を繁殖させる。

★酒造り唄
140909よしかわ杜氏の郷 (12)酒造り唄c
<説明文より>酒造りの工程の中で、職人たちによって作業しながら歌われる、日本の代表的な仕事唄。『半唄給金(=酒造りの給金の半分は歌うため)』は、酒造りの工程の中で、「唄」と「歌うこと」がいかに重要かを意味する言葉。機械化や時計の普及で歌う必要性がなくなり、現在では消えつつある。

★原料
①酒米
140909よしかわ杜氏の郷 (13)酒米c
吉川区は南魚沼と地続きの地質で、コシヒカリの名産地として有名です。酒米では良質な”五百万石”を産出し、標高300mの山地の棚田では”永田農法による山田錦の栽培”も行われています。酒米の王様・山田錦の産地は兵庫県が有名ですが、吉川区は栽培の北限になるそうです。以下は、HPより抜粋した文章です。

”肥料と水を極力使わずに、本来の生命力をよみがえらせて育てる稲は、普通の稲より背丈も低く、穂の数も少なくなりますが、細いひげ根を大量に発達させて地面から栄養を吸収し、おいしさのぎゅっと詰まったお米を実らせるのです。
糖度は高いのにお酒の雑味の原因となるタンパク質が少なく、また、硬いために磨きやすいという、酒米として最高の品質のお米になります。根本まで陽の光が届くように普通よりも間隔を空けて稲を植え、また、穂の数も少なく当然収量は少なくなります。 さらに、その土地、その土地で違う作り方が必要な農法なので、毎日稲の様子を観察して、必要な措置を行ったり、健全な根を作りだすことで高品質なお米が出来るのです。”

②水
標高757mの尾神岳[おがみだけ]の裾野に広がる”ブナ原生林”に蓄えられた雨や雪解け水が伏流水となり、その清らかな水を仕込み水として使用しているそうです。源流は年間を通じて8度という冷たさのため雑菌が繁殖せず、酒を劣化させる鉄・マンガンが少ないなどの特長があるそうです。

★「有りがたし」 - 精米歩合90%の純米酒
140909よしかわ杜氏の郷 (27)有りがたし
吉川産・永田農法の山田錦を100%使用し、米を約1割しか精白しない"精米歩合90%"で醸した酒。米の旨みがしっかりと感じられるふくよかでコクのある味わいで、個人的にとても好きなお酒でした。YK35(山田錦、きょうかい9号酵母、精米歩合35%で醸す酒)の言葉が表すように、米をたくさん削ることが良い酒を造る条件のように捉えられがちですが、スタッフ(蔵人さん?)の方が「たくさん削ればよいって風潮になっていますけどね...」とさらりと仰っていた言葉がとても印象的でした。新潟の酒は”淡麗辛口”のイメージが強いですが、HPの銘柄紹介文には”淡麗辛口とは全く正反対”と明記されており、”吉川杜氏”の強いこだわりを感じました。
「有りがたし」の名付け親は、コピーライターの糸井重里氏。以下はHPに掲載されていた同氏のコメントです。

”これだけたっぷりの天然の恵みをいただいて有りがたい、と言う気持ちが第一にありました。ありがたい、という言葉は、もともと「有り難し」。この酒が有ることそのものへの驚きが、表現されてます。 さらには、この酒をつくる人と時に対しての感謝も。そして、誰かに感謝の気持ちを伝えるときに、この酒を携えて行けたら、いいなぁと思いました。”

★「有りがたし」の熟成原酒
140909よしかわ杜氏の郷 (29)
「有りがたし」の原酒を3年熟成させたもの。吉川産・山田錦、精米歩合90%、Alc.17-18度、日本酒度-2、酸度1.8、杜氏:小池善一郎氏。甘・酸・辛・苦・渋の五味がはっきりと感じられつつもバランスよくまとまっていて、よく熟成したシェリーのように複雑で華やかな香味でした。ナッツのような香り、黒糖のような甘みが感じられ、「有りがたし」の熟成酒ならではの濃淳さと原酒の力強さが印象的でした。
ラベルの写真は、吉川区・泉地区の山田錦圃場[-ほじょう]。”霊峰・尾神岳を望む中山間地の圃場は、日の出から日没まで降り注ぐ陽光と海から尾神岳に向かって吹き上がる風に恵まれ、病害や虫害を寄せ付けない、頑健な稲を育む”そうです。

永田農法の山田錦、精米歩合90%、そして何よりも”吉川杜氏の誇りと酒造りへの強いこだわり”が感じられ、日本酒に対する興味が一層深まりました。吉川まで来て本当に良かった...

この後は、新発田市の市島酒造を訪ねました。

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テーマ : 日本酒の酒蔵見学
ジャンル : グルメ

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Nomura Seiji

Author:Nomura Seiji
・お酒と薬膳理論の入門講座、飲酒教育
 nomuras.jimdo.com
・JSAワイン検定講師
・JSAワインエキスパート
・1971年生
・東京在住

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