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【見学】旭酒造(山口県・岩国市) - 「獺祭」の蔵元

「獺祭(だっさい)」の蔵元を訪ねました。

日 時:2015年11月5日(木) 11:00~
場 所:旭酒造(周防高森駅から約8km。タクシーで2,180円)
内 容:本社蔵見学40分、希望者のみ有料試飲(300円)
料 金:200円(白衣・帽子の実費)
予 約:HPより(11時または14時からの1日2回、各5名以内)

★アクセス
151105周防高森駅・獺祭
最寄駅はJR岩徳線の周防高森駅。岩国駅9:43→周防高森駅10:15の列車に乗りました(片道410円)。1両編成のレトロな車両が旅情をかきたてます。駅から目的地まではタクシーで約15分。運転手さんによると、写真の左奥の3つの建物は獺祭の酒米用の倉庫(精米工場?)だそうです。

★外観
151105旭酒造・獺祭・本社蔵
本社蔵は12階建ての現代的な建物でした。
川を挟んだ対面に集合場所の獺祭ストアがあります。

★獺祭ストア
151105旭酒造・獺祭・待合室
集合は10分前。売店にはここでしか買えない銘柄も並んでいます(ただし購入本数に制限あり)。受付後に男性のガイドが迎えに来てくれました。

★ビデオ・ルーム
151105旭酒造・獺祭・ヴィデオルーム
まず2階のビデオ・ルームへ。見開き1枚の資料「酒蔵見学のしおり~獺祭ができるまで」が配られ、その後に模型による建物の説明と、動画による酒造工程の説明を受けました。

★建物の模型
151105旭酒造・獺祭・建物模型
12階:会議室・ホール
11-10階:原料処理
9-7階:仕込み
6・4階:製麹(5階は機械制御室)
2階:酒の分析・検査室
1階:事務所

★エア・シャワー
151105旭酒造・獺祭・エアシャワー
ビデオの後は、長靴に履き替え、白衣・帽子を着用して、手洗いとエア・シャワーを行いました。写真はガイドの男性。この後にエレベーターで原料処理を行う階へ移動しました。

★製造工程(丸数字は”見学のしおり”の8工程)

①精米<見学なし>
自社の精米工場(岩国市周東町下久原の国道2号線沿い)にて、山田錦を50%以上磨きます。酒米のサンプルが獺祭ストアに展示されていました。
151105・旭酒造・獺祭・精米

②洗米
151105旭酒造・獺祭・洗米
洗い上がりにムラができないよう、1日分の5,000kgを少量の15kgずつ洗米するそうです。

③蒸鏹[じょうきょう]
151105旭酒造・獺祭・蒸鏹
大型機械で米を蒸します。ベルトコンベアの上を蒸米が高速で流れていました。

151105旭酒造・獺祭・甑
甑[こしき]も置いてありましたが、一部にしか使用していないそうです。

④製麹[せいきく]<見学なし>
米こうじを作る工程は衛生管理のため見学不可でした。

⑤仕込み
151105旭酒造・獺祭・仕込み
エレベーターで仕込みの階へ移動。タンクは3,000ℓ×100本。仕込みは3段。杜氏がいないため、品質管理は2階の分析室のスタッフがデータに基づいて行うそうです。

151105旭酒造・獺祭・タンク
室温は年間を通して5度。もろみの温度は12度を超えないように管理(冷やしたくない時はカバーをかけ、温度を上げたい時は周りに水を流して調整)するそうです。

⑥発酵
酵母はきょうかい9号ではなく、9号系の3種(16、14、18)を個別に培養し、酛おろしの際にブレンドして使用しているそうです。9号だと思い込んでいました...

⑦上槽<見学なし>
主に圧搾機(ヤブタ)を利用。他に圧力をかけない「遠心分離機」を使うものもあるそうですが、歩留まりが悪く生産量は少ないそうです。

⑧瓶詰<見学なし>
全ての酒を鑑評会の出品酒と同様に取り扱います。風味を逃さないよう瓶詰後に加熱処理を行います。

★試飲
151105・旭酒造・獺祭・試飲メニュー
獺祭ストアの試飲メニュー(100円/1000円)

151105旭酒造・獺祭・試飲
手前右から、スパークリング、50、三割九分、二割三分。奥は「磨き その先へ」

【メモ1】販売アイテムの例
・「磨き その先へ」720ml、32,400円
・「獺祭 磨き二割三分」300ml、2,160円
・「獺祭 等外」720ml、1,404円
・「旭酒造の酒」720ml、540円

「等外」は規格外の米を使用。粒ぞろいが悪いため35%まで磨いているそうです。
「旭酒造の酒」は、獺祭として造られたが気になる香りがあるためもう一度ろ過したもの。ラベルもなく紙のタグが結ばれているだけですが、かなりコスパの良い酒でした。

【メモ2】「磨き その先へ」とスーパー・タスカン
精米歩合を公表しないのは企業秘密ではなく、その時々により数値が異なる(状態が良い時は20-19%、そうでなければ21-22%)ためだそうです。精米歩合が示せないため、純米大吟醸と同じ造りにも関わらず”普通酒(特定名称酒8種に該当しない最下位ランク)”となるそうです。「スーパー・タスカン(ワイン法では認められない品種や製法を使用した格付け下位の上質なイタリア・トスカーナ産ワイン)みたいですね」と漏らしたら、ガイドの男性が詳しく説明を返してくれました。後で聞いたら、3年前に修行先のパリから帰国したソムリエさんでした。
訪問前は杜氏がいないことに物足りなさを感じていましたが、各所にこのようなプロを揃えているとしたらすごい蔵だなと思いました。やはり、実際に訪問してみないとわからないことが多い... 

緻密なデータ管理で醸す「獺祭」は確かに美味しいし完成された酒だと思います。
でも、獺祭とは別に「杜氏が試行錯誤を重ねて醸す酒(特に、生もと系)」もあればどれだけ素晴らしいだろう... 
経営が順調な旭酒造だからこそ、伝統ある杜氏文化も継承してほしいと素人ながらに思いました。
(「旭富士」を復活させて、チャレンジ精神旺盛な若手の杜氏に任せる...とか)

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テーマ : 日本酒の酒蔵見学
ジャンル : グルメ

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Nomura Seiji

Author:Nomura Seiji
・お酒と薬膳理論の入門講座、飲酒教育
 nomuras.jimdo.com
・JSAワイン検定講師
・JSAワインエキスパート
・1971年生
・東京在住

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