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シャトー・メルシャン(見学) @山梨・勝沼

シャトー・メルシャンのワイナリーツアーに初参加。

メルシャンはフランス語のmerci(感謝)に-an(人)を組み合わせた造語。
自然の恵みとお客様への感謝を表しているそうです。

コース:ホリデースペシャルコース(土日祝のみ開催)
日 時:2014年9月6日(土) 13:00~14:30(90分)
場 所:シャトーメルシャン(勝沼ぶどう郷駅から約2.9㎞)
料 金:1,000円
交 通:18きっぷ(東京⇔勝沼ぶどう郷駅ほか。1日あたり2,370円)


ツアーの内容は、
(1)ワインセミナー
(2)テイスティング
(3)施設見学 ~ セラー、ワイン資料館(旧宮崎第二醸造所)、祝村[いわいむら]ヴィンヤード(見本ブドウ園)、ワインギャラリー


★ワイナリーへの案内表示
140906勝沼メルシャン外観
大日影トンネルを経由して、徒歩で向かいました。


★ワイナリツアー
ビジターセンターで受付後、ツアー開始。
スタッフの女性がとても博識で、説明もわかりやすかったです。


★セラー見学
140906勝沼メルシャンセラー
地下の樽育成庫(赤は概ね1~2年熟成)。熟成中に樽の木目から自然蒸発するワインを”天使のわけまえ”と言います。減った分のワインを継ぎ足す際にこぼれた液体のシミがつくため、樽の中央部をぶどうの色素”アントシアニン”でお化粧しているそうです。

樽の中は焦がしてあります(生木だと樽の成分が溶け出さないため)。焼き加減はHeavy、Medium、Lightで分類し、発注はMedium+等、細かく指定するそうです。メルシャンでは、樽メーカ毎に使う酵母の種類も変えているそうです。


★テイスティング
[テイスティング・シート]
140906勝沼メルシャン試飲リスト
①穂坂のあわ 2013 税込1,910円
②シャトー・メルシャン 甲州きいろ香 2013 税込2,450円
③シャトー・メルシャン 新鶴[にいつる]シャルドネ 2012 税込2,860円
④日本の地ワイン 大森リースリング 2013 税込1,120円
⑤日本の地ワイン マスカット・ベーリーA 2011 税込990円
⑥シャトー・メルシャン 長野メルロー 2012 税込3,190円

[ロゼ(発泡性)と白ワイン]
140906勝沼メルシャン試飲白
①山梨県・穂坂地区(韮崎市)のマスカット・ベーリーA使用。ステンレスタンク主体で発酵、ステンレスタンクとオーク樽にて育成(約3カ月)。辛口の発泡性ロゼ。
②山梨県産の甲州100%。ステンレスタンクで発酵(約14日)、育成(約3カ月)
③福島県・新鶴地区(会津地方)のシャルドネ100%。オーク樽で発酵(約20日、18~22℃)、育成(約5カ月)
④秋田県・大森地区(横手市)のリースリング使用。ステンレスタンクとオーク樽で発酵(約20日)、育成(記載なし)

[赤ワイン]
140906勝沼メルシャン試飲赤
⑤山梨県・国中[くになか]地域のマスカット・ベーリーAとベーリー・アリカントAを使用。ステンレスタンク発酵、オーク樽とステンレスタンクで育成
⑥長野県・桔梗が原地区のメルロー100%。木樽とステンレスタンクで発酵(約20日、28~32℃)、オーク樽で育成(約17カ月)


★ワイン資料館
「旧宮崎第二醸造所(現存する日本最古の木造ワイン醸造所)」を資料館として利用。1904年築で”山梨県指定有形文化財”、”経済産業省 近代化産業遺産”に指定。ゆえに勝手に改築等ができないそうです。ここで会社とワイン醸造の歴史について説明がありました。

メルシャンは”民間初のワイン会社”と”メルシャンのブランドを持つ会社”がひとつになって生まれた会社だそうです。

[メルシャンの沿革] (ちょいとややこしい...)
・1877年に設立された民間初のワイン会社「大日本山梨葡萄酒会社」がルーツ(この4年前に大久保利通が殖産興業政策の一環としてワイン造りを奨励)。
・同年、同社は土屋龍憲(19歳)と高野正誠(-まさなり:25歳)をフランスに留学させワイン醸造を学ばせる。宮崎光太郎(15歳と若く、1人息子だったため父親が渡航を反対)は2年後に帰国した彼らとともに本格的なワインづくりを開始。
・1886年、同社が解散(松方デフレによる不況と本格的なワインの苦戦のため)。宮崎と土屋兄弟は「甲斐産葡萄酒醸造所」を新設し、「大黒天印甲斐産葡萄酒」を発売。
・1890年に同社は会社分割し、2年前に販路開拓のために設立した「甲斐産商店」が宮崎を主幹に再出発(土谷の甲斐産葡萄酒醸造所と分離)。
・1892年、宮崎の私邸(現・宮光園)内に、「宮崎第一醸造所」開設(ワインの製造・販売を一貫して行うため)。
・1904年、「宮崎第二醸造所」設立。前年の中央線(新宿-甲府)開通を機に生産能力を増強するため(それまでは船で川を下って静岡経由で輸送していた)。
・1934年、「大黒葡萄酒(株)」に改組し、事業拡大。
・1938年、長野県・桔梗ヶ原に「塩尻工場」建設。
・1944年、「日本連抽(株)」(=後の「日清醸造(株)」)設立。①配給酒の製造と②ワインからの酒石酸連続抽出(酒石酸は音波探知機に用いる”ロッシェル塩”の原料)を行う。
・1947年、宮崎光太郎、85歳で逝去。2歳で養子入りしていた孫が2代目に。
・1949年、日清醸造(株)が当時の国産最高級白ワイン「シャトー・メルシャン」を発売【メルシャン・ブランドの誕生】。
・1961年、日清醸造(株)が「三楽酒造(株)」と合併。一方、大黒葡萄酒(株)は「オーシャン(株)」へ社名変更。2代目宮崎は酒類事業を多角化し、”オーシャン”ブランドのウイスキー製造なども手掛ける。
・1962年、三楽酒造(株)とオーシャン(株)が合併し、「三楽オーシャン(株)」誕生。【メルシャン・ブランドを持つ会社と、国内初の民間ワイン会社をルーツとする会社がひとつになる】。

・1975年、”本格ワイン(果実酒)”の消費量が”甘味ブドウ酒(甘味果実酒)”を逆転。翌年、桔梗ヶ原の栽培品種を”コンコード”から”メルロー”へ転換。
・1985年、三楽オーシャン(株)が「三楽(株)」に社名変更。
・1989年、初リリースした「シャトー・メルシャン 桔梗ヶ原メルロー1985」が”リュブリアーナ国際ワインコンクール”で大金賞を受賞。
・1990年、三楽(株)が「メルシャン(株)」に社名変更。


「エビ葡萄酒」(甘味果実酒)の看板
140906勝沼メルシャンエビ葡萄酒
なぜエビ??と思いましたが、ブドウの古名”エビカズラ(葡萄葛)”に由来するそうです。外来語の”ブドウ”が定着するまではツル科の植物をこう呼んでおり、他社では「カニ葡萄酒」もあったとか?


「明治期のワイン造りの工程」も興味深かったです。
140906勝沼メルシャン明治のワイン造り
(1)葡萄運搬:収穫したブドウは”大八車”(明治30年代~昭和初期)に乗せて運搬。収穫期の10月頃には約300台分のぶどうが搬入されていた。
(2)葡萄破砕:初期は手回し式の”破砕機”(明治10~30年代)でブドウをつぶし、下にある"半切れ”と呼ばれる桶で果汁を受けていた(1日に1,100~1,500㎏のブドウを処理)。後に破砕機の動力は水車に変わる。
(3)葡萄圧搾:破砕機でつぶしたブドウを、石造りの"フネ(破砕溜め)”で受け、この自然●[サンズイ+垂]れのフリーラン果汁を桶で受液漕へと導く。スノコの上に残った果皮は”バスケットプレス(圧搾機。明治10~30年代)”にかけてさらに搾る。
(4)葡萄酒仕込:受液漕に貯まった果汁は清水桶(発酵タンクの役割)に移して発酵させる。受液漕から清水桶への果汁の搬送は初期は手桶に入れて担いで運んでいたが、後に手押しポンプに変わる。発酵を終えたワインは澱引きをして大樽に移し熟成。宮崎光太郎は樽の選定に特に注意を払った(一度ワインづくりに失敗すると樽に癖が残るため)。
(5)葡萄酒瓶詰:大樽での熟成後、ワインをろ過機に通して澱や不純物を除いた後に瓶詰め。ワインの栓は当時からコルク(”コロップ”と呼ばれていた)を使用、栓打ちは1本ずつ人力で行う。


★宮光園[みやこうえん](入場200円。甲州市管理)
宮崎幸太郎の名前を”キムタク”風に略して名付けられた施設(ガイドがこのように説明し、大受けでした)。ツアーには含まれず外観のみの見学。


★祝村ヴィンヤード(見本ブドウ園)
140906勝沼メルシャンぶどう畑全景
ワイン用の品種を17種、”垣根仕立て”で植培しているぶどう畑。ツアー参加者しか入場できません。祝村は山梨県東八代郡にあった村で、現在の甲州市南西部・日川左岸・中央自動車道勝沼インターチェンジ周辺。

140906勝沼メルシャンぶどう畑
ぶどうの皮が色付くタイミングは一房の中でも異なるそうです。カラフルなブドウがとても印象的でした。


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テーマ : ワイナリー見学
ジャンル : グルメ

プロフィール

Nomura Seiji

Author:Nomura Seiji
・お酒と薬膳理論の入門講座、飲酒教育
 nomuras.jimdo.com
・JSAワイン検定講師
・JSAワインエキスパート
・1971年生
・東京在住

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