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【見学】白瀧酒造(新潟・越後湯沢) - ”白こうじ”の衝撃

初の酒蔵見学は、新潟県の白瀧酒造を訪れました。「上善如水」の醸造元です。
前日にHPで見付け、急遽申込みました。

日 時:2014年9月2日(火) 13:30~
場 所:白瀧酒造(越後湯沢駅から約400m)
内 容:蔵見学1時間、試飲1時間
料 金:無料
交 通:18きっぷ(東京⇔越後湯沢、1日あたり2,370円)

★アクセス
140902越後湯沢駅
最寄駅は越後湯沢駅。駅の東口から目的地までは徒歩4分です。

★外観
140902白瀧酒造外観
外観は現代的な建物でした。

★蔵見学
この日の見学者は自分1人。受付を済ますと担当の社員の方が迎えに来てくれるので、製造場のある建物に移動します。
入口で長靴に履き替えて工場内(撮影不可)の見学が始まりました。

精米、洗米・浸漬、蒸鏹、製麹、酒母・仕込、発酵、ろ過、火入れの工程を、社員のM川さんが丁寧に説明してくれました。
事前に上原浩著『純米酒を極める』で製造工程を予習していましたが、思っていたよりも機械化されていると感じました。
それでも人の手を介する場面は多く、日本酒造りの難しさと複雑さを実感しました。

[精米] 精米後の白米を入荷。平均精米歩合は58%。酒米のサンプルを初めてみましたが、想像以上に小粒でした。
[洗米・浸漬] 大吟醸は手で洗米、他は機械。米に吸水させる時間は水温や気温に応じて秒単位で管理(8分20秒など)。
[蒸鏹]100℃の蒸気で約40分蒸します。甑は使わず、最新式の連続蒸米機を使用。
[製麹] タネを付けてから約50時間で麹が完成。
[酒母・仕込] 麹に水と蒸米を加えて約2週間で酒母が完成。大きなタンクに移して更に水と蒸米を加えて”三段仕込み”。酒母1に対し、初添2・中添4・留添8の割合。仕込みは7℃。最高温度はもろみは15℃、酒母は20℃に抑制。酒母は酵母菌が早く増えるように温度を上げる一方で、もろみは発酵熱を抑えるため冷やすそうです。
[ろ過] もろみは機械でろ過(残りが酒粕)、上等の酒は(ろ過ではなく、)ろ布で絞ります。
[火入れ] 65℃で短時間加熱し、酵素の働きを止めます。アルコールに強い火落ち菌(乳酸菌の一種)も除きます。

★試飲 
工場見学の後は、ショールームのカウンターに移って試飲をさせて頂きました。
140902白瀧酒造上善如水試飲3種
まずは主力銘柄の「上善如水」3種。ワイングラスに注いでくれます。

精米歩合、アルコール度、日本酒度、酸度、アミノ酸度は、
①「上善如水 純米吟醸」60%、Alc.14-15°、+5(辛口)、1.3、1.5
②「熟成の上善如水 純米吟醸」55%、Alc.15-16°、+3(やや辛口)、1.7、1.6
③「上善如水 純米大吟醸」45%、Alc.15-16°、+2(中口)、1.5、1.7

140902白瀧酒造上善如水試飲ラベル
①はK1801(18号酵母)、②はK1407(14号酵母、金沢酵母)を使用。
低温でじっくり貯蔵した②の方が乳酸やコハク酸などの酸度が①よりもやや高め。

こちらでも質問に丁寧に答えて頂き、わからない点は製造担当者に電話までして調べてくれました。
同時に飲み比べると、違いがよくわかります。

衝撃的だったのが、この「白こうじ」。
140902白瀧酒造上善如水白こうじ
純米酒なのに、まるで白ワインのような酸味と甘み。
日本酒は通常"黄麹”を使いますが、これは焼酎などに使われる”白麹”を使用したもの。
クエン酸生成に長けているため、柑橘類のような香味が生まれるそうです。

日本酒って、こんなこともできるんだ...

続いて試飲した「ロック酒」も同様の甘酸っぱい香味でしたが、分析数値が違う点が興味深かったです。

④「上善如水 白こうじ」60%、Alc.13-14°、-32(甘口)、酸3.6、ア1.4
⑤「ロック酒の上善如水 純米」60%、Alc.10-11°、-70(甘口)、酸8,0、ア2.8

白こうじよりも日本酒度のマイナス幅と酸度が大幅に高い一方で、アルコール度数は3度低いため、果実様の甘酸っぱい香味がより強く感じられました。日本酒度-70は白瀧酒造でもっとも甘口とか。個人的には、白こうじの”酸・甘・辛のバランス”が好みでした。

結局、これだけの試飲をさせて頂きました。
140902白瀧酒造試飲全種
⑥「真吾の一本 純米大吟醸」35%、Alc.15-16℃、-1(中口)、酸1.3、ア1.5
⑦「白瀧 純米」70%、Alc.15-16℃、+2(中口)、酸1.6、ア1.6

⑥は杜氏の名前を冠した酒。山口真吾杜氏は、1961年生まれ。現代の名工に選ばれた故河合高明杜氏の技を引き継いだ前杜氏高綱強氏の愛弟子。蔵の敷地からくみ上げる地元の軟水”谷地(やち)の湧き水”を使い、飲みやすく旨みのある酒を追求しているそうです。

蔵元の高橋晋太郎氏は7代目で、まだ30代。
醸造用アルコールを使わず全量純米酒にこだわり、白こうじのような新しい試みにも取り組み、海外進出も手掛けるアグレッシブな方のようです。

日本酒の奥深さを思い知り、一層の興味を掻き立てられる有意義な蔵訪問でした。
特に「白こうじ」は、テイスティング会を開く際には積極的に取り入れたいと思いました。

★白瀧酒造
創業:安政2年(1855年)
代表者:高橋 晋太郎氏(初代は、湊屋藤助氏)
所在地:新潟県南魚沼郡湯沢町大字湯沢2640番地

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テーマ : 日本酒の酒蔵見学
ジャンル : グルメ

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Nomura Seiji

Author:Nomura Seiji
・お酒と薬膳理論の入門講座、飲酒教育
 nomuras.jimdo.com
・JSAワイン検定講師
・JSAワインエキスパート
・1971年生
・東京在住

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