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【見学】竹田酒造店(新潟・上越市)- IWCでトロフィー賞に輝いた『かたふね』の蔵元。日本酒の本来の色は黄色!?

『かたふね』の蔵元、竹田酒造店を見学しました。明るくて勉強熱心な若奥様が丁寧に蔵の中を案内してくださいました。ろ過を(ほとんど?)していない酒の色が”鮮やかな黄色”であり、瑞々しい果物のような香りを放っていたことが衝撃的でした。

日時:2016年12月29日(木) 13:30~15:00頃
場所:竹田酒造店(新潟県上越市大潟区上小船津浜171)
内容:見学、試飲(ガイド付き)
料金:無料
交通:JR普通列車(18きっぷ、1日当たり2,370円)、北越急行ほくほく線(1,290円)


★アクセス
161229 (5)上越線の車窓(雪景色)
161229 (10)上越線車窓
この日はまず18きっぷを使って、東京都内から新潟県の越後湯沢駅まで行きました(上野駅6:26→8:16高崎駅8:24→9:31水上駅9:47→10:21越後湯沢駅。通常運賃3,350円)。写真は越後中里駅付近の車窓の雪景色。冬場の上越線は情趣に富んだ風景が楽しめます。
161229 (32)ほくほく鉄道_越後湯沢駅
161229 (33)ほくほく鉄道_切符
越後湯沢駅で少し休憩した後、北越急行ほくほく線の快速で犀潟駅[さいがた-]へ(越後湯沢駅11:48→12:49犀潟駅)。越後湯沢駅から犀潟駅まで1,290円の切符を新たに購入しましたが、六日町駅まではJR線の管轄だったので320円ほど二重払いだったようです...
161229 (84)犀潟駅
犀潟駅には、JR信越本線と北越急行ほくほく線の2線が乗り入れています。駅から竹田酒造店までは約2km。駅前にタクシーが常駐していなかったので、歩いて酒蔵を目指しました。
161229 (40)竹田酒造店_アクセス(新堀橋)
161229 (52)竹田酒造店_外観
犀潟駅前の横断歩道を渡って小道を直進し、突き当りを右折して県道129号線をまっすぐ進むと右側に酒蔵があります。


★酒蔵見学の概要
161229 (50)竹田酒造店_売店の外観
161229 (54)竹田酒造店_売店のカウンター
竹田酒造店では11月~2月の酒造期に蔵見学を行っています(少人数単位、事前予約制)。入口のインターホンを鳴らすと、1歳半のかわいい女の子を抱いた若奥様が出迎えてくれました。2年前にHPをリニューアルして以来見学者が増えており、年の瀬にもかかわらず前日と翌日にも予約が入っているとのことでした。


★竹田酒造店
161229 (43)竹田酒造店_かたふね、上小舟津
創業は1866年(慶応2年)。竹田清左衛門が漁舟の船着場である上小舟津[かみこふなづ]にて酒造業を開始したことにさかのぼります。創業以来の酒銘である『潟舟[かたふね]』は、砂丘に点在する”潟”と、漁船の発着場である上小舟津の”舟”に由来します。
現在の蔵元(代表社員)は9代目の竹田成典氏。9代目の奥様と10代目の竹田春毅専務ご夫妻の4人で400石の蔵を経営されています。酒造期には季節労働の蔵人が、近隣の市から4名ほどやってくるそうです。


★海辺の砂丘の上で醸す酒
161229 (46)竹田酒造店近隣の海岸への道
竹田酒造店は日本海から約200mほど内陸に位置しています。蔵が位置するところは砂丘ですが、道を一本隔てた海側は干潟を埋め立てているため、地震の際の揺れ方が全然異なるそうです。仕込み水は、砂丘でろ過された少し硬めの水を地下60mから汲み上げていますが、海に近くても、ヨードや潮の香りが酒に出ることはないそうです。
見学時の雪を心配していましたが、この辺りは海風が強く吹きつけるため、雪が積もることは少ないそうです。


★酒造工程
赤ちゃんをご家族に預けた若奥様が、蔵内を案内してくださいました。蔵内ではヘッドキャップを着用します。
口頭での説明に加え、蒸米、製麹、仕込みなどの重要なポイントはiPadを使って作業風景の動画を見せてくださいました。

<洗米、蒸米>
161229 (58)竹田酒造店_蒸米用の釜
精米所から届いた米は洗って水分を吸わせた後に、100度の蒸気で蒸されます。写真は甑を乗せる釜。iPadの動画ではボイラーの蒸気で一面が真っ白になっており、ピーッという大きな機械音?が響き渡っていました。
『かたふね』に使われる米は、越淡麗、こしいぶき、山田錦。米の特徴を引き出すために、一反につき八俵以上つくらないよう契約農家に依頼しているそうです。

<放冷>
161229 (65)竹田酒造店_放冷機
蒸し上がった米は、放冷機で30度台に冷却されます。
161229 (67)竹田酒造店_放冷機(送風部)
この部分から冷たい外気を取りこんで、、、
161229 (66)竹田酒造店_放冷機(網)2
網の下から冷たい風が送られ、この上でばらした蒸米を冷ましていきます。

<製麹>
161229 (68)竹田酒造店_麹室
写真奥は米麴を造る麹室。麹造りは社長親子が行っているそうです。

<酒母室>
161229 (77)竹田酒造店_酒母室
酒母室。米麹に水と乳酸菌と酵母菌を加えて酒母を造る部屋。

<仕込み>
161229 (64)竹田酒造店_仕込蔵
酒母に掛米と麹と水を加えて醪をつくる仕込蔵。青いベストを着ている方は杜氏さん。すれ違った社長さんは赤いベストを着ていました。
161229 (69)竹田酒造店_米を送るホース
蒸米は写真のホースを使って仕込蔵へ送られます。
161229 (73)竹田酒造店_仕込みタンク
161229 (72)竹田酒造店_仕込みタンク(内部)
はしごを昇って、仕込みタンクの中も覗かせて頂けました。

<ろ過>
161229 (70)竹田酒造店_ろ過作業2
大きな金属製のたらい?の中の酒の色は、なんと鮮やかな黄色!
滓引き後、ろ過をしていない(殆どろ過をしていない?すろ過?の)状態の酒は、このような色をしているそうです。ここまで鮮やかな黄色の酒をみたのははじめてだったので衝撃的でした。作業をされていた杜氏さん曰く、「ろ過をするごとに愛想がなくなる」ため、活性炭などを使いすぎないようにしているそうです。このような酒は「ボジョレーヌーボーよりうまい。」と仰っていましたが、確かに、もぎたての果物をぎゅっと絞ったような瑞々しくフルーティーな香りを放っていました。
161229 (71)竹田酒造店_ろ過機のアップ
ろ過機のアップ。ここで濁りの度合いを見ながら、再びろ過器を通すかタンクへ送ってよいかを判断するそうです。

<貯蔵>
161229 (78)竹田酒造店_貯蔵タンク
土蔵の仕込蔵を通り抜け、鉄筋コンクリート造りの貯蔵庫へ。蔵内には4本の貯蔵タンクが並んでいました。

<瓶詰、包装>
続いて受付(入口)の対面の建物へ。中では女性のスタッフさんが作業をされていました。
161229 (80)竹田酒造店_ラベルの手貼り作業
ラベル貼りは、ほぼ手作業で行っているそうです。寸分のゆがみなくスピーディーに作業されている様子は、思わず見とれてしまいます。ちなみに、酒を低温加熱殺菌する”火入れ”は、瓶詰後に徐々に加温する「瓶燗[びんかん]火入れ」にこだわっているそうです。
161229 (81)竹田酒造店_瓶の包装作業
包装紙で包む作業も職人技の速さでした。


★試飲
最後に受付に戻り、9代目の奥様が試飲をさせてくださいました。
161229 (83)竹田酒造店_試飲
①『かたふね 特別本醸造』こしいぶき・越淡麗、精米歩合60%、alc.16度
②『かたふね 純米吟醸』こしいぶき・山田錦、精米歩合55%、alc.16度
③『かたふね 純米』越淡麗・こしいぶき、精米歩合65%、alc.16度

口に含むと米のうま味が広がり、余韻にはしっかりとキレが感じられるある味わいでした。

新潟県は淡麗辛口のイメージがありますが、『かたふね』の身上は「コクのある旨口」。会社概要には、「本来日本酒は味があるもの。口に含んだときにパッと深みが広がり喉元でスッと切れる。そう言う幅のある酒が理想。需要はあっても水のような酒は造らない。」と紹介されていました。食中酒へのこだわりも強く、目指しているのは料理を”引き立てる”ような酒。若奥様によると、社長が案内文を考えている際に「料理の”邪魔をしない”ではないんだよなぁ...」とつぶやいていたそうです。

161229 (97)武田酒造店_かたふね生貯蔵酒
旅のお伴用に本醸造を2本購入しました。
①「かたふね 特別本醸造 ひやおろし 生詰」精米歩合60%、alc.16度
②「かたふね 本醸造 生貯蔵」精米歩合65%、alc.15度

『かたふね』の本醸造は2015年のIWC(※)で「トロフィー賞」を受賞しています(同部門には44銘柄、44蔵元がエントリー。2013年以来、2度目の受賞)。

(※)IWC(International Wine Challenge):英国ロンドンで毎年4月に開催されるワインの品評会。日本酒部門(Sake Category)は2007年に新設。9つのカテゴリー(純米大吟醸酒、純米吟醸酒、純米酒、大吟醸酒、吟醸酒、本醸造酒、普通酒、古酒、スパークリング)ごとに審査員がブラインド・テイスティングを行い、金メダル・銀メダル・銅メダル・大会推奨酒を選定。各カテゴリーにおいて金メダルを獲得した出品酒のうち、さらにそれ以上のレベルに達していると認められたものに、「トロフィー」が与えられ、さらに「トロフィー」のなかから、日本酒部門の最高賞(9部門の中での最高評価)「チャンピオン・サケ」が与えられます。また金メダルの中で日本での小売価格が1,000円以下、かつ、生産量が四合瓶換算で10万本以上の銘柄の中から 「グレートバリュー」が選ばれ、その中から優れていると評価されたものに「グレートバリューアワード」が与えられます。


★帰路
161229 (89)犀潟駅
帰路は再び18きっぷを使い、宿泊先の新潟市内に向かいました(犀潟駅15:17→16:38長岡駅17:02→18:19新潟駅。通常運賃2,270円)。
161229 (92)信越本線車窓
車窓からは間近に迫る日本海の風景が楽しめました。


(初稿)2017.8.15

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テーマ : 日本酒の酒蔵見学
ジャンル : グルメ

プロフィール

Nomura Seiji

Author:Nomura Seiji
・お酒と薬膳理論の入門講座、飲酒教育
 nomuras.jimdo.com
・JSAワイン検定講師
・JSAワインエキスパート
・1971年生
・東京在住

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