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【見学】味の素KK川崎工場(神奈川・鈴木町) - 味の素コース

味の素KK川崎工場の見学ツアー「味の素コース」に参加しました。同工場では他にも、「ほんだしコース」(同日午後に参加)、「Cook Doコース」の計3種の見学コースが実施されています(各90分、すべて事前予約制)。うま味調味料の歴史や原料、つくり方などを楽しく学ぶことができました。

日時:2016年12月13日(火) 10:30~12:00
場所:味の素KK川崎工場(神奈川県川崎市川崎区鈴木町3番4号)
料金:無料
内容:『味の素コース』(事前予約制)
・シアター見学
・歴史展示・製造工程ジオラマ見学
・専用バスで工場内見学(発酵タンクなど)
・味の素6g封入体験
・うま味効果体験

★アクセス
161213 (1)京急川崎駅
最寄駅の鈴木町駅[すずきちょう-]は、京急川崎駅(写真)から京急大師線[けいきゅうだいしせん]で2駅、約5分です。
161213 (4)鈴木町駅ホーム
鈴木町駅は、味の素KK川崎工場に隣接しています。
161213 (5)アジパンダの足跡 - コピー
駅から「うま味体験館」(見学者の集合場所)までは徒歩1分。改札口から目的地まで「アジパンダの足跡」が描かれているので、迷わずに到着できます。

★味の素・うま味体験館
161213 (8)味の素グループうま味体験館
うま味体験館の外観。
161213 (122)味の素うま味体験館_受付カウンター
最初にカウンターで見学の受付を行います。
161213 (16)ストラップトリーフレット
見学者用のストラップとパンフレット。
161213 (17)味の素とほんだしのつくりかた
「味の素/ほんだしができるまで」。ほかにも同社商品のレシピ集が渡されます。
161213 (15)味の素うま味体験館_ロッカー
無料のロッカーには食材のイラストが描かれていました。

★アジパンダ(Ajipanda)
161213 (10)アジパンダ像
味の素のマスコット・キャラクター「アジパンダ」の像。見学者に大人気の撮影スポットです。
161213 (66)アジパンダ像(うしろ)
アジパンダの色は、味の素のイメージ・カラーの赤。体の白い部分は「エプロン」で、背中にはヒモの模様がちゃんとデザインされていました。

161213 (18)アジパンダ着ぐるみ
着ぐるみのアジパンダ。ホームページに「実は・・・ パンダのわりに機敏に動けます」と書かれている通り、積極的に動いて愛嬌を振りまいていました。

161213 (65)味の素・アジパンダ瓶のタワー
アジパンダは、味の素の瓶が現在のデザインに変更された2005年に誕生したキャラクターです。

★シアター見学
161213 (11)味の素うま味体験館_シアター
はじめにシアターで「おいしさの元をたどる」というテーマの映像を観ました。味の素の原料(サトウキビなど)や、うま味と日本人の最初の出会い(魚介類の煮汁)、だしへと進化する歴史などが360度の迫力あるスクリーンに映し出されます。シアター内は立ち見で、撮影は不可でした。

映像を観た後は、同時刻に出発した「ほんだしコース」の参加者と別れて、歴史展示コーナーへと案内されました。

★歴史展示コーナー
161213 (23)味の素の歴史展示
うま味調味料「味の素」は、東京帝国大学(現・東京大学)の池田菊苗[いけだ・きくなえ]博士と、味の素グループ創始者の鈴木三郎助(2代目)初代社長の2人の出会いと協力により誕生しました。

161213 (112)池田菊苗博士が発見したグルタミン酸
池田博士は湯豆腐の昆布だしの美味しさにヒントを得て、基本4原味(甘・酸・塩・苦)以外にも味(うま味)があると考えました。明治40年(1907年)、池田博士は約38kgの昆布から煮汁をとり、「うま味」の素であるL-グルタミン酸ナトリウム約30gを得ることに成功しました。うま味の発見が讃えられ、池田博士は「日本十大発明家」のひとりに数えられています(後述)。
写真の物質は池田博士が精製したグルタミン酸。東京大学から無期限に貸し出されているもので、展示コーナーの中で最も高価なものだそうです。
161213 (32)池田菊苗博士の特許取得証
明治41年(1908年)、池田博士は「グルタミン酸塩ヲ主要成分トスル調味料製造法」の特許を出願し、認められました。
161213 (116)味の素の初代パッケージ
鈴木三郎助氏は池田博士からこの特許の実施契約を得て、明治42年(1909年)に「味の素」として商品化を実現しました。
161213 (117)味の素・大正時代のパッケージ
大正6年(1917年)のパッケージ。この年に味の素社の前身の鈴木商店(1907年創業の鈴木製薬所より改名)が株式会社化されました
161213 (113)味の素商品のラベル
味の素グループは2016年現在、26の国や地域で126の工場を持つ規模にまで成長しました。館内には数多くの商品ラベル(下3段が国内向け)が展示されていましたが、これでも全てではないそうです。

★味の素の原料と製造工程
<味の素の原料>
161213 (118)味の素の原料・サトウキビ - コピー
同社では当初、小麦のタンパク質を分解してグルタミン酸を得ていました。以降、より効率的な製造法が研究され続け、現在ではサトウキビ、キャッサバの根茎(芋)、トウモロコシなどを原料としています。国内向けはすべてサトウキビを原料としている(はずだ)そうです。
161213 (28)味の素の原料・キャッサバ芋
キャッサバ(トウダイグサ科イモノキ属)は主に熱帯地方で栽培されています。タピオカの原料としても有名です。
161213 (114)味の素うま味体験館_キャッサバの葉
キャッサバの葉は、てのひらのような形をしています。
161213 (25)味の素の6g瓶と昆布300g
6gのグルタミン酸(うま味成分)を昆布から抽出しようとすると、50倍もの量(300g)が必要となってしまうため、味の素の原料としては使えなかったそうです。

<味の素の製造工程>
161213 (30)味の素の製造工程のジオラマ
味の素の製造工程をジオラマと映像で紹介するコーナー。右から、原料タンク、発酵タンク、粗製タンク、精製タンクの順にミニチュアが並んでいます。各工程の映像に合わせて、ピンクのバスの模型が該当タンクの前へと移動していきます。
161213 (37)味の素・グルタミン酸生産菌
サトウキビの搾り汁を煮詰めて不純物を取り除いたものから砂糖が作られ、その時に残る茶色い液体(糖蜜)が味の素の原料となります。発酵タンクでは、原料の糖分を「グルタミン酸生産菌」が分解してグルタミン酸が作られ、次の粗製タンクで、微生物や不純物が取り除かれます。精製タンクでは(調味料として使いやすくするために、)ナトリウムを加えてグルタミン酸ナトリウムの結晶に加工され、最後にパッケージング工程を経て出荷されます。
グルタミン酸を取り除いた後の発酵液は、肥料として再利用されています。

★工場内の見学
161213 (39)アジパンダバス
続いて、アジパンダ・バスに乗って、線路の向こう側の工場内へ移動しました。工場の敷地内は撮影不可でした。

<鈴木町駅>
161213 (123)鈴木町駅と味の素川崎工場
1929年に「味の素前駅」として開業しましたが、戦時中に敵襲の対象となることを危惧して「鈴木町駅」に改称されました(1944年)。隣の「港町駅」も同様の理由で、コロムビア前駅から改名されたそうです。鈴木町という地名は味の素グループ創業者の名前に由来しています。敷地のすべてを工場が占めているため、住民登録をしている人は一人もいないそうです。

<味の素KK川崎工場>
敷地は東京ドーム約8個分(約10万坪)で、京急大師線の港町駅から東門前駅の4駅にまたがります。工場内には、自転車で移動する社員のための駐輪場が到る所に設けられていました。以前は貨物用の線路も工場内に敷かれていたそうです。同社の工場は三重県・四日市市(東海工場)、佐賀県・佐賀市(九州工場)にもありますが、最も大きく歴史も古いのが川崎工場です。
川崎工場の従業員は約3,300名(2015年)で、うち3分の1が3つの研究所(食品、バイオファイン、イノヴェーション)で働く研究職。敷地内には東京ドーム1個分の大きさを誇る物流センターもありますが、コンピューター化が進んでいるため、わずか30名程度で業務をこなしているそうです。
川崎工場では、天然ガスを使って100%自家発電を行っており、余剰分は電力会社へ販売しています。また、多摩川の水を熱冷却などに利用していますが、取水前よりも水質を向上させてから川に戻しているそうです。同工場では環境保全のために約1割が緑地化されています。

<発酵タンク>
161213 (1)味の素川崎工場・発酵タンクのリーフレット写真
バスから降りて、味の素の「発酵タンク」を見学しました。高さ22メートル(7階建て相当)、容量500kl(風呂桶3千杯分)の大きな屋外タンクで、1994年まで稼働していたそうです。現在はすべての味の素が海外工場で作られており、川崎工場では包装などの一部工程のみを行っているそうです。

★「味の素」6g封入体験
161213 (40)味の素・うま味体験ホールA
アジパンダ・バスでうま味体験館に戻り、2階のうま味ホールAへ。6gの味の素を空瓶に封入する”体験ルーム”への入室準備をします。
161213 (42)味の素・体験ルーム入室・品質管理記録表
体験ルームへの持込み物を入出前後にチェックする用紙。カメラと携帯電話の持込みはOKです。
161213 (60)味の素・体験ルーム用マスク
白衣、ヘアネット、マスク、ゴム手袋(指輪、ケガ、ネイルをしている人のみ)を装着します。マスクは上下にヒモが付いているめずらしいタイプでした。
161213 (45)味の素・体験ルーム入室前
さらに、靴カバー、コロコロ、手洗い、エアシャワー、(手の)アルコール消毒の5つを経て、ようやく体験ルームへ入室できます。食品工場の衛生管理の徹底ぶりを肌身で感じることができました。

<味の素6gの封入体験>
161213 (52)味の素・封入体験セット
まず、チェックシートで必要なものが揃っているかを確認します。
161213 (53)味の素封入体験・充てん機へのセット
充填機の台座を手前に引き出し、くぼみに空瓶をセットして元の位置に戻します。
161213 (55)味の素封入体験・充てん機
黒いレバーを下げると、味の素が容器に充填されます。
161213 (54)味の素封入体験・充てん量確認
規定量(5.9g~6.3g)が正しく入っているかを計量器で確認します。6.38gでギリギリセーフでした。
161213 (57)味の素・金属検査
容器に中栓とキャップをして、金属検査機で検査をします。はじめに金属が貼られたサンプルをかざして音が鳴ることを確認し、続いてマイ・ボトルの検査をします。
161213 (59)味の素6g封入体験(完成) - コピー
台紙を組立て、マイ・ボトルをはめてから透明の袋に入れて封をします。係りの人の検査を受けて「アジパンダのはんこ」を押してもらうと完成です。
台紙に名前などを記入するカラーペンは(キャップ式ではなく)ノック式でした。食品を加工する場に異物が残らないよう、到る所に細心の注意が払われていることが伺えました。

★うま味効果体験
161213 (62)味の素川崎工場・味を感じるしくみ
うま味ホールAに戻り、五原味(甘・酸・塩・苦・旨)や味を感じる仕組みについて説明して頂きました。舌で味を感じて脳に伝えるのは味蕾[みらい]という器官。味蕾の数は子供の頃がピークで成長するにつれて減少します。子供が苦いものが嫌いなのは(味蕾の数が多いため)味を敏感に感じてしまうからだそうです。
161213 (61)味の素工場見学・うま味効果体験
味噌をお湯に溶いただけの”味噌湯”と味の素のミニ瓶。ガイドさんの指示に従って最初に味噌湯だけを口に含むと、なんとなく物足りない味わいでした。次に、味の素を2、3振りしてから飲み直すと、うま味が加わったおかげで奥行きのある美味しさに変化していました。
うま味には素材の味を引き出して料理を美味しくするチカラがあります。また、うま味が加われば少ない塩分でも美味しく感じるため「減塩効果」が期待できます。

★おみやげ
161213 (64)味の素工場見学のおみやげ(味の素コース) - コピー
最後にほんだしの小袋と、合わせ調味料「Cook Do」(青椒肉絲用)のおみやげが配られました。

★100周年記念の金色の瓶
161213 (68)味の素100周年記念ボトル
アジパンダホールの売店には、100周年記念の金色の瓶が販売されていました。ピンクの瓶と合わせて1つずつお土産に購入しました。

★感想など
和食の命ともいえる「うま味」について、見ごたえのある展示や様々な体験を通して楽しく学ぶことができました。駅から近く、スタッフの方々も皆親切で、至れり尽くせりの工場見学でした。石油由来成分を原料としていた時代(1960年代~1970年代)のイメージからうま味調味料(1990年代までは化学調味料)に対する漠然とした不安を感じていましたが、現在は天然(由来)の原料を使用していることを知って不安が和らぎました。過剰摂取に気を付ければ、(昆布などから毎回ダシをとる)時間や体力、金銭的な余裕がない時には使い勝手の良い調味料であると感じました。

<参考>日本の十大発明家/1985年、特許庁
・豊田佐吉(木製人力織機、自動織機)
・御木本幸吉(養殖真珠)
・高峰譲吉(タカヂアスターゼ、アドレナリン)
・池田菊苗(グルタミン酸ナトリウム)
・鈴木梅太郎(ビタミンB1、ビタミンA)
・杉本京太(邦文タイプライター)
・本多光太郎(KS鋼、新KS鋼)
・八木秀次(八木・宇田アンテナ)
・丹羽保次郎(NE式写真電送機)
・三島徳七(MK鋼)

午後は、「かつお風味のほんだし~♪」のCMでおあなじみの「ほんだしコース」のツアーに参加しました。

(初稿)2016.12.17

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テーマ : 工場見学
ジャンル : グルメ

プロフィール

Nomura Seiji

Author:Nomura Seiji
・お酒と薬膳理論の入門講座、飲酒教育
 nomuras.jimdo.com
・JSAワイン検定講師
・JSAワインエキスパート
・1971年生
・東京在住

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