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平成28年度「灘の生一本 2016」特別先行試飲会(兵庫・神戸) - 9銘柄を同時にテイスティングできる贅沢なイベントに初参加

灘の生一本[なだのきいっぽん]の特別先行試飲会に参加しました。灘の生一本とは、”灘五郷の単一の製造場のみで醸造した純米酒”を指し、灘酒研究会に加盟するメーカーが統一ラベルのもとで2011年より発売しています。今年度は灘五郷酒造組合員(28社)のうち、9社より9銘柄が、9月26日に一斉発売されています(大関・菊正宗・剣菱・櫻正宗・沢の鶴・道灌・日本盛・白鹿・白鶴)。

日時:2016年9月24日(土) 10:30~12:30
場所:北野工房のまち 3階大会議室(兵庫県神戸市中央区中山手通3-17-1)
定員:120名(2名連記 60組)
料金:無料
内容:
(1)発売9社からの「灘の生一本」の紹介
(2)「灘の生一本」の試飲会
(3)9社との懇親会(軽食付)

★申込み
160924灘の生一本特別選考試飲会(はがき)
今年の先行試飲会の告知は、灘酒研究会のHPにて9月1日に行われました。参加申込みは2名1組で、同研究会のHPより行います。応募が多数の場合は抽選となり、当選者には後日、参加票のはがきが送られてきます。

★アクセス
160924 (1)東京駅のぞみ1号
東京駅始発の東海道新幹線「のぞみ1号」に乗車し、(宿泊先の)京都駅で新快速に乗り継いで神戸方面に向かいました(東京駅6:00→8:08京都駅8:14→9:07三ノ宮駅)。会場の「北野工房のまち」は、JR東海道線の三ノ宮駅または元町駅から各800mほどです。

160924 (2)スターバックス神戸北野異人館_外観 - コピー
早めに現地に着いたので、「スターバックス神戸北野異人館店」でお茶をしました。JR三ノ宮駅から約900m、北野工房のまちから約700mのところにあります。
160924 (5)スターバックス神戸北野異人館_2階 - コピー
この建物はもともと1907年(明治40年)に北野町1丁目に建築されたコロニアルスタイルの西洋館で、NHK朝の連続テレビ小説『風見鶏』の主人公のモデル(ドイツパン職人のハインリヒ・ブルクマイヤー氏)がオーナーだったこともあります。1995年(平成7年)の阪神・淡路大震災で全壊認定を受けたため取り壊される予定でしたが、神戸市が建物の寄贈を受けた上で解体・部材保管し、2001年(平成13年)に現在地に再建・移築されました。2009年(平成21年)からスターバックスの店舗として利用されています。
160924 (9)スターバックス神戸北野異人館_2階
入館料などは不要で、メニューの料金も通常のスタバと同じです。スタバのWi-Fiも使えます(登録無料)。館内には複数の部屋があり、それぞれに趣きが異なるので、来るたびに違った雰囲気が楽しめます。

★会場
160924 (17)北野工房のまち_案内図 - コピー
160924 (14)北野工房のまち
試飲会が開かれる「北野工房のまち」は、旧北野小学校の校舎をリニューアルして1998年にオープンした複合施設です。3階建てで、館内には神戸ブランドの飲食店や雑貨屋などおよそ20店舗が入居しています。
160924 (20)灘の生一本・特別試飲会_会場入口
試飲会の会場は、旧小学校の講堂を利用した3階の大会議室でした。
160924 (18)灘の生一本・特別試飲会_会場内
会場内のようす。正面にステージがあり、両側に各社のブースが並んでいます。

★受付
160924 (21)灘の生一本・特別試飲会_プログラム
160924 (22)灘の生一本・特別試飲会_パンフレット
参加票のはがきを受付に渡し、資料一式と懇親会の席次(Cテーブル)を記したストラップを受け取ります。

★プログラム
(1)10:30~11:00
・来賓挨拶(神戸市経済観光局局長・山本猛氏)
・主催者挨拶(灘酒研究会酒質審査委員会・明石貴裕氏)
・【9社の商品説明】
(2)11:00~11:40
・【利き酒会】
(3)11:50~12:30
・【懇親会】
・挨拶(広報需要開発委員長・巽良彦氏)
・乾杯(兵庫県産業労働部産業振興局長・竹村英樹氏)
・閉会挨拶(広報需要開発委員・春山裕二氏)

★9社の商品説明
160924 (25)灘の生一本・特別試飲会_ボトル
来賓・主賓挨拶に続いて、各社につき2分間の商品説明がありました。関西の会社らしく(?)、ユーモアたっぷりでわかりやすいプレゼンが多かったです。

①「大関」:大関独自育成米「いにしえの舞」を使用。純米酒らしいふくらみと適度な酸味が調和した酒。独特な香りとコクがあるけど飲みやすい。生酛系酒母を使い、あえて滓下げをしていない。酒質は毎年変えている。
②「菊正宗」:「うまいものを見ると辛口のキクマサがほしくなる」というCMの通り、「辛口」にこだわる。飲み飽きせず、料理の味を引き立てる酒をめざしている。酒米は(山田錦よりも味に広がりと深みがある)「兵庫恋錦」を使い、生酛造りでコク、キレ、押し味を実現。
③「剣菱」:剣菱は辛口と言われがちだが、実際はコクと熟成感のある”中口”。じっくりと丁寧に熟成させた香りと黄金色、濃醇な旨みとコクの調和が特長。
④「櫻正宗」:淡麗でキレの良さを持ちながら、純米酒のふくらみもある。食事と合わせて飲んでいると気が付いたらなくなっているというような酒を目指している。
⑤「沢の鶴」:他社と大きく違うのは、加水をしない“原酒”であること(alc.18.5度)。灘の酒は男酒といわれるが、うちの灘の生一本は「男の中の男酒」。
⑥「道灌」太田酒造:酒米は6年前から「フクノハナ」を使用。おだやかな香りで、ふくよかな酒。今年の生一本は“完成形”と自負している。「今年の道灌はおいしいよ。略して“KDO”」。社長は江戸城築城の太田道灌から19代目を数える。名前を覚えてほしい。
⑦「日本盛」:酒米は「兵庫夢錦」を使用。爽やかな香り、程よい酸味。きれいでキレの良い酒。創業は明治期で、スタート時から株式会社。もとは西宮酒造(株)。
⑧「黒松白鹿」辰馬本家酒造:旨みと適度な甘みがあり、飲みごたえのある酒。辛口でも甘口でもない「旨口」。いつも辛口を注文する人に試してほしい。
⑨「白鶴」:白鶴独自開発米「白鶴錦」(山田錦の兄弟品種)を使用。芳醇な香りとキレの良さ、きれいですっきりとした後味が特長。

各社が造る灘の生一本は、「灘酒研究会の酒質審査委員会」によって厳しく審査され、酒質の評価には(各社まちまちの表現ではなく)”統一用語”が使われています。例えば、”甘辛”、”味わい”、”香り”の評価には同一の5段階スケールが使われており、消費者が各社の酒質を比較しやすくなっています。

・甘 辛:(5)辛口-(4)やや辛口-(3)中-(2)やや甘口-(1)甘口
・香 り:(5)熟成-(4)やや熟成-(3)おだやか-(2)やや華やか-(1)華やか
・味わい:(5)コク-(4)ややコク-(3)中-(2)ややすっきり-(1)すっきり

もっとも辛口は「菊正宗」(5)、もっとも甘口は「黒松白鹿」(1)。
もっとも熟成は「剣菱」(5)、華やかは「白鶴」(1)。
もっともコクがあるのは「剣菱」(5)、すっきり(1)は該当なし。

<各社の灘の生一本>
①「大関」:alc.16度+、いにしえの舞(精米歩合70%)。コクがある・豊かな味わい・適度な酸味・ふくらみがある・おだやかな香り。
②「菊正宗」:alc.16度、兵庫恋錦(精米歩合70%)。ふくらみがある・キレ良い・おだやかな香り・淡麗・辛口。
③「剣菱」:alc.17.5度、精米歩合70%。熟成香・濃醇・旨みある・コクがある。
④「櫻正宗」:alc.15度+、山田錦(精米歩合70%)。淡麗・キレ良い・ふくらみがある。
⑤「沢の鶴」:alc.18.5度、山田錦(精米歩合:麹米65%、掛米75%)。おだやかな香り・濃醇・旨みある・ふくらみがある・キレ良い。
⑥「道灌」太田酒造:alc.15度+、フクノハナ(精米歩合60%)。旨みある・おだやかな香り・ふくらみがある。
⑦「日本盛」:alc.15度+、兵庫夢錦(精米歩合60%)。爽やかな香り・適度な酸味・きれい・キレ良い。
⑧「黒松白鹿」辰馬本家酒造:alc.16度+、山田錦(精米歩合70%)。まろやか・旨みある・適度な甘味・飲みごたえのある。
⑨「白鶴」:alc.15度+、白鶴錦(精米歩合50%)。芳醇な香り・キレ良い・きれい・後味すっきり。

・720ml瓶の価格(税別)は、剣菱のみ1,500円、他は1,170円です。

★利き酒会(40分間)
160924 (24)灘の生一本・特別試飲会_プラスチックカップ
商品説明の後は、各社のブースを自由にめぐって利き酒をしました。写真右側の剣菱は他と比べて濃い山吹色をしており、他社の担当者が一目見ただけで「剣菱ですね」とわかるほどでした。

160924 (27)灘の酒蔵通り
利き酒会の後は、懇親会の会場設営のため、参加者は10分ほど退場を求められます。その間に館内のウインドウ・ショッピングを楽しみました。写真は1階にある灘酒のアンテナショップ「灘の酒蔵通り」の看板。灘の名酒が販売されており、灘の酒を紹介するパンフレットも置いていました。

★懇親会(40分間)
160924 (34)灘の生一本・特別試飲会_懇親会テーブル - コピー
懇親会は立食形式で、各テーブルには灘の生一本9銘柄と軽食が用意されていました。各テーブルには酒造メーカーの方がついてくださるので、いろいろな質問をすることもできました。参加者同士の酒談義も弾み、「東京オリンピック(に伴う和食と日本酒)のPRで樽廻船を造って運行してほしい!」や、「その船に杉樽の酒を乗せて、江戸時代の下り酒の熟成感を再現してほしい!」などの希望や夢(ヨタ話)を楽しく語り合いました。

★赤萬 元町店(神戸餃子)
160924 (37)赤萬_焼餃子
試飲会で日本酒を堪能した後は、「赤萬 元町店」で焼餃子とビールを楽しみました。メニューは餃子とビールのみで、料金は餃子1人前7個が290円、ビールは大500円、小350円です。土日祝はひとり2皿からの注文で、追加オーダーはできません。
160924 (39)赤萬_焼餃子
神戸餃子のタレは味噌がベースです。赤萬は白味噌ですが、もうひとつの人気店「瓢たん」は赤味噌です。両店とも三ノ宮と元町にお店があるので、食べ比べがおすすめです。

★感想など
同じ「灘の生一本」でも各社によって酒質がまったく異なることが印象的でした。特に興味深かったのが「原料米のバリエーションの豊かさ」でした。”県レベル”で独自の原料米を開発する取り組みは多々見られますが、”個別企業レベル”でも独自開発米に注力しているメーカーが複数あるところに、”日本一の酒どころ”である灘の底力を感じました。一方で、灘の生一本に使う酵母菌は、生酛系酒母を除くと、オーソドックスなきょうかい酵母(701や901)を使うところが多いようでした。酵母菌のバリエーションが広がる吟醸酒の世界と比べて、原料米へのこだわりがが田んぼレベルで深化していく灘の酒は、(テロワールに強くこだわる)ワイン造りに通じるものを感じました。

灘の生一本は、各社が試行錯誤を重ねながら毎年酒質を変えているようなので、来年以降もヴィンテージの確認のために全銘柄の飲み比べをしていきたいと思います。秋の楽しみがまた一つ増えました。

★「灘の生一本」のテイスティング会
この感動を地元の愛好家にも楽しんでもらいたいと思い、10/23にテイスティング会を企画しました。
16107灘の生一本 (3) - コピー
東京で9銘柄を揃えるのはしんどかったです...
161023灘の生一本2016
9銘柄を利き直してみて、新たな発見が多々ありました。来年もぜひ、全銘柄のテイスティング会を開きたいと思います。

(初稿)2016.10.9

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テーマ : 日本酒
ジャンル : グルメ

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Nomura Seiji

Author:Nomura Seiji
・お酒と薬膳理論の入門講座、飲酒教育
 nomuras.jimdo.com
・JSAワイン検定講師
・JSAワインエキスパート
・1971年生
・東京在住

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