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【見学】アサヒビール名古屋工場(愛知・守山) - ミニ缶をつくるアサヒ唯一の工場。アーリータイムズ3種の比較試飲と9種のボイラー・メーカー。

知多半島のミツカン・ミュージアムに続き、アサヒビール名古屋工場を見学しました。思いがけず「アーリータイムズ」(バーボン・ウィスキー。以下、バーボン)の試飲もできたため、様々な「ボイラー・メーカー」(ビールとバーボンのカクテル)を試すことができました。

日時:2016年9月2日(金) 15:00~16:15(75分)
場所:アサヒビール名古屋工場(愛知県名古屋市守山区西川原町318)
内容:見学(ガイド付き)、試飲
料金:無料

★アクセス
160902 (157)新守山駅
最寄駅はJR中央本線の新守山駅。駅から工場までは約1.0km、徒歩約15分です。名古屋駅から新守山駅までは普通列車で約17分(5駅、240円)です。

★工場入口
160902 (160)アサヒビール名古屋工場_外観 - コピー
写真の看板の左脇から敷地内に入り、右手に進むと守衛所があります。
160902 (162)アサヒビール名古屋工場_守衛所
守衛所で氏名と見学に来た旨を伝えると、ゲストハウスの場所を教えてくれます。
160902 (161)アサヒビール名古屋工場_守衛所からゲストハウスへ1
守衛所の右側の通路をまっすぐ進み、右折します。
160902 (163)アサヒビール名古屋工場守衛所からゲストハウスへ2 - コピー
この写真の右奥の角を左折すると正面にゲストハウスが見えます。
160902 (165)アサヒビール名古屋工場_ゲストハウス
赤茶色の建物がゲストハウスです。
160902 (164)アサヒビール名古屋工場_屋外タンク - コピー
ゲストハウスに向かう途中に、迫力ある大きな屋外発酵・熟成タンク(以下、屋外タンク)が立ち並んでいるようすが楽しめます。

★見学受付(ゲストハウス)
160902 (166)アサヒビール名古屋工場_ゲストハウス入口
ゲストハウス入口の案内板。
160902 (170)アサヒビール名古屋工場_ゲストハウスのカウンター
カウンターで予約をしている旨を伝え、受付表に氏名などを記入します。
160902 (169)アサヒビール名古屋工場_パンフレットなど - コピー
受付を終えると、パンフレットと試飲会場での座席番号札が配られます。小さい札は大きな荷物を預かってもらった場合の番号札です。
160902 (168)アサヒビール名古屋工場_ゲストハウス(待合室)
ゲストハウスの待合室。この回の見学者は11名でした。

★工場見学(ルート)
160902 (202)アサヒビール名古屋工場_工場案内図 - コピー
工場見学は、赤い矢印のルートにそって進められました。残念ながら、製造ライン(醸造棟、装製棟)の写真撮影は禁止でした。

★工場見学(屋外タンクと八角堂)
160902 (177)アサヒビール名古屋工場_屋外タンクと通路
女性ガイドさんの案内で、屋外タンクのすぐそばの小道を歩いて工場に向かいます。
160902 (176)アサヒビール名古屋工場_屋外タンク
屋外タンク(直径約7m、高さ約20m)の容量は350mlの缶ビールでなんと約60万本分!名古屋工場では、1日に屋外タンク約3本分のビールが出荷されるそうです。出荷先は中部8県(東海3県、北陸3県、長野県、静岡県)。屋外タンクを間近に見ることができるのは、アサヒビールの8工場のうち名古屋工場だけだそうです。
160902 (175)アサヒビール名古屋工場_八角堂
醸造棟の入口にある”八角堂”に到着。
160902 (181)アサヒビール名古屋工場_八角堂(道内) - コピー
八角堂の1階のホールの壁には、中世ヨーロッパのビールづくりの様子が描かれています。陶芸家の鈴木青々[すずき せいせい]氏の作品で、約1,000枚もの陶板が使われているそうです。

★工場見学(製造ライン)【撮影禁止】
製造ラインでは、見学通路からガラス窓越しに機器などを見学します。名古屋工場では、アサヒビールが現在製造している約40銘柄のうち8銘柄が製造されています。

<ビールの原料>
・ビールの主原料は麦芽、ホップ、水。スーパードライには他に副原料(米、コーン、スターチ)が使われています。恒例の麦芽の試食とホップに触れるコーナーがありました。
・仕込水は”木曽川水系”の水を使用していますが、ビールの味わいを均一に保つため、事前に浄化し、ミネラル分の調整などを行っているそうです。

<仕込み>
・仕込室では、麦芽などのデンプンを糖に変え(糖化)、ホップを加えて煮沸をして"麦汁"を造る工程を行います。麦汁は完熟メロンやマンゴーと同じくらいの糖度(甘さ)になるそうです。
・仕込みに使われるのは、仕込釜、仕込槽、麦汁濾過槽、煮沸釜、ワールプールの5種。
・見学通路から見て奥の部屋が発泡酒用、手前がビール用のライン。
・仕込みの状況は、コントロール室で社員が24時間・3交代制で厳しくチェック。

<発酵・熟成>
・映像でビール酵母が麦汁を発酵させていくようすを見学します。
・約1週間で若ビールと呼ばれる状態になり、その後屋外タンクで数十日かけて熟成されます。

<ろ過>
・熟成させたビールはろ過器を通してビール酵母を取り除きます。
・ろ過器の中には500本ものフィルターが入っているそうです。

<パッケージング>
・できあがったビールは、缶・瓶・樽などの容器に充てんされます。円盤型の缶詰機は、1分間に約1,500本分ものビールを充てんできるそうです(1秒間でおよそビール1ケース=24本分)。

<ミニ缶の製造ライン>
・通常の缶詰機がある製造ラインに続いて、135mlのミニ缶専用のラインも見学できました。ミニ缶の缶詰機は、通常よりも一回り小さなサイズでした。135mlのミニ缶と、2ℓと3ℓのミニ樽を造っているのは、アサヒビール8工場のうち名古屋工場だけだそうです。

<主役は機械ではない!?>
・すべて機械化・自動化されているように見えるラインでも、1時間に1度は機械を止めて、品質チェックやメンテナンスなどの作業を人間が行っているそうです。

<品質管理室・官能検査>
・ビールの状態は選抜試験に合格した”パネリスト”によって検査されます(官能検査)。中には”スーパードライの製造日がわかる”ほどの味覚の持ち主もいるそうです。検査は1日1回、五感がもっとも鋭くなる16時から1時間かけて行われます。検査対象は、自社の完成品だけでなく、他工場のビールや仕掛品にも及び、1回につき多くて20~40種、最大で1ℓのビールを検査します。ワインや日本酒と違い、ビールは”のどごし”のチェックを行うため、お酒は吐き出さずに飲み込みます。よく羨ましいと言われるそうですが、車や自転車通勤ができないなどの制約があり、パネリストは大変なお仕事なのだそうです(体調管理にも相当気を遣う必要があると思いました)。

<ノンフロン設備>
・屋外の大型空調機(温水冷水を発生させて工場内の冷暖房を行う装置)をガラス窓越しに見学しました。アサヒビール名古屋工場は、国内の産業界で最初に完全ノンフロン化を実現したそうです。

<リサイクルへの取り組み>
・アサヒビールの工場ではリサイクル率100%を達成しています。廃棄物の約8割を占める”麦の殻”は家畜のえさに、役目を終えた酵母菌はエビオス錠などに、そしてペットボトルは従業員の制服などにリサイクルされています。

★工場見学(屋外からゲストハウスへ)
160902 (182)アサヒビール名古屋工場_2種の屋外タンク
屋外に出ると再び撮影ができるようになります。通路からは2種類の屋外タンクが見えました。小さい方は”アサヒタンク”と呼ばれる旧式のもので、発酵のみ(大きいタンクは発酵・熟成)を行うそうです。

★試飲
160902 (187)アサヒビール名古屋工場_ゲストハウス - コピー
工場見学の後はゲストハウスに戻り、試飲をさせて頂きました。
160902 (188)アサヒビール名古屋工場_試飲会場
試飲会場。適正飲酒の観点から、1人につき3杯までとなります。
160902 (200)アサヒビール名古屋工場_試飲会場のカウンター
カウンターで1杯目を受け取って、あらかじめ渡されている番号の席につきます。
160902 (193)アサヒビール名古屋工場_試飲(スーパードライ)
1杯目は全員が「アサヒスーパードライ」。暑い日には特にスッキリとしたキレが爽やかに感じられました。
160902 (197)アサヒビール名古屋工場_試飲(アサヒドライプレミアム豊醸)
2杯目は「アサヒスーパードライプレミアム豊醸」。
160902 (198)アサヒビール名古屋工場_試飲(アサヒスーパードライ・ドライブラック)
3杯目は「アサヒスーパードライ・ドライブラック」。

★試飲(アーリータイムズ)
160902 (194)アサヒビール名古屋工場_アーリータイムズのボトル
この日は特別に、アサヒビールが取り扱うバーボン「アーリータイムズ」の試飲もできました。

(参考)バーボン:
・1789年(合衆国発足の年)、エライジャ・クレイグ牧師によって作られ始めたのが最初といわれています。
・バーボンという名前は、アメリカ独立戦争の際にアメリカ側に味方したフランスの「ブルボン朝」に由来します。トーマス・ジェファーソン(後の合衆国大統領)が感謝の意をこめてケンタッキー州の郡のひとつを「バーボン郡」と名づけ、それが同地方で生産されるウィスキーの名前となり定着したそうです。
・主原料はトウモロコシ(51%以上80%未満。80%以上のトウモロコシを含むものは「コーン・ウィスキー」と呼ばれて区別される)、ライ麦、小麦、大麦など。これらを糖化・アルコール発酵させた後に、連続式蒸溜機でアルコール度数が80%(160プルーフ)以下となるように蒸溜します。その後アルコール度数62.5%(125プルーフ)以下に加水調整し、内側を焼き焦がしたホワイトオーク製の”新樽”に詰めて、2年以上貯蔵・熟成します。出荷の際に加水を行う場合、アルコール度数は40%(80プルーフ)以上でなければいけません。
・熟成の際に樽の内側を焦がす理由は定かではなく、”クレイグ牧師が樽を置いていた鶏小屋が火事に遭い偶然にできた”、”最初から内側が焦げていた樽を偶然使用していた”、”魚が詰めてあった樽の生臭さを消すために仕方なく内側を焦がした”など様々な説あります。

160902 (196)アサヒビール名古屋工場_アーリータイムズ3種
左から、
①「アーリータイムズ イエローラベル」Alc.40%
②「アーリータイムズ ブラウンラベル」Alc.40%
③「アーリータイムズ ブラインドアーチャー」Alc.33%

②は日本市場向けに1996年につくられたもので、原料のとうもろこしの比率がイエローラベルの71%に対して79%と高め(モルトの風味が相対的に低くなる?)。さらに、チャコールフィルターを2重にかけて滑らかな味わいに仕上げられています。
③はアーリータイムズのウィスキーをベースにしたスピリッツに、青リンゴのフレーバーを添加したフレーバード・ウィスキー(税法上はリキュールに分類)です。ブラインドアーチャー(Blind Archer)とは”目隠しをした弓矢使い”という意味で、弓の名手とされる伝説の英雄ウィリアム・テルが、目隠しをして息子の頭上のリンゴを射抜いたという話に由来しています。日本での発売は2015年3月3日です。

<アーリータイムズについて>
・1860年ケンタッキー州のバーボン郡、アーリータイムズ村で生まれたウィスキー。
・アメリカの禁酒法時代(1920~1933年)に、「医療用ウィスキー」の表示を行うことで法律の適用が免除されたことで広く知られるように。そこに目をつけたブラウン=フォーマン社によって買収され、それ以降はケンタッキー州西部の都市ルイビル(Louisville)のダウンタウン蒸溜製造所で生産されています。
・現在、アメリカ国内で販売されているアーリータイムズは、”再利用の焦がしオーク樽”で熟成したウィスキーが20%を占めるため、バーボン・ウィスキーではなく、ラベルには「ケンタッキー・ウィスキー」と表示されています。逆に輸出用のアーリータイムズは、”焦がしオークの新樽”で完熟されたアルコール度数(Abv.)40%の本物のバーボンです。日本ではサントリー酒類が扱っていましたが、ブラウン=フォーマン社がアサヒビールと国内販売契約を結んだのに伴い、2013年から同社が輸入販売を行っています。

<ボイラー・メーカー>
160902 (199)アサヒビール名古屋工場_ボイラーメーカー
バーボンとビールを使ったカクテル「ボイラー・メーカー」をいろんなパターンで試すことができました。ビールとバーボンのタイプによって、全く香味の異なるカクテルができるので、合わせる食事や気分によってバリエーションを選べる楽しみを再認識しました。個人的には、甘い樽香のきいたブラウンラベルのバーボンに、コクのある豊醸やドライブラックを合わせたものが好みでした。また、ブラインドアーチャーとドライブラックの組み合わせもツボでした。

★和食麺処サガミ(愛知県名古屋市守山区大永寺町229)
160902 (205)サガミ(外観)
小腹(?)がすいたのでガイドさんにおすすめのお店を聞いた所、「サガミ 守山大永寺店」を紹介してくれました。チェーン店ですが、名古屋らしいメニュー(いわゆる、”名古屋めし”)も揃っているとのこと。工場にはお店までの地図も用意されていました。工場からお店までは約600mです。
160902 (210)サガミ(みそカツ丼) - コピー
名古屋めしといえば、やっぱりみそかつ丼(税込1,015円)。
160902 (207)サガミ(大吟醸)
昼間に訪れたミツカンと同系の中埜酒造[なかの-]の日本酒もありました。サガミ用につくられた「國盛」の大吟醸(税込529円)。

★感想など
工場内の撮影ができないのは残念でしたが、ミニ缶の製造ラインが見学できたことや、アーリータイムズの比較試飲ができたことは大収穫でした。また、バーボンについて調べ直す良い機会にもなりました。
ガイドさんは工場内も含めて、ほとんどの時間を”後ろ歩き(参加者に背を向けない体勢)”で説明をしてくれました。特に訓練をするわけではなく、つまずいたこともないそうですが、一度だけ”生きたセミ”を踏んでしまったことがあるそうです(それはびっくりするだろうなぁ...)。説明もとてもわかりやすく、今日もガイドさんの”プロ意識”を感じ、良い刺激になりました。

(初稿)2016.9.9

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テーマ : ビール工場見学
ジャンル : グルメ

プロフィール

Nomura Seiji

Author:Nomura Seiji
・お酒と薬膳理論の入門講座、飲酒教育
 nomuras.jimdo.com
・JSAワイン検定講師
・JSAワインエキスパート
・1971年生
・東京在住

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