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【見学】エーデルワイン(岩手県・大迫) - 岩手県産ぶどう100%で醸す良質な日本ワイン。漫画『神の雫』で紹介された「五月長根葡萄園」リースリング・リオンの醸造元

岩手県の早池峰山[はやちね-さん]のふもとに広がる自然豊かな地にあるエーデルワインを見学しました。社名(EDEL WEIN)のWEINはドイツ語で、英語のWINEではありません。「五月長根葡萄園[さつきながね-]」のリースリング・リオンは、講談社週刊モーニングの漫画『神の雫』にも登場したワインです。

日時:2016年8月28日(日)10:30~11:15頃
場所:エーデルワイン(岩手県花巻市大迫町[おおはさま-まち]大迫第10地割18-3)
内容:自由見学(ワインの瓶詰・醸造・樽熟庫等)、試飲
料金:無料(試飲は一部有料)

★アクセス
ワイナリーはJR東北本線の石鳥谷駅から東へ約13kmのところにあります。この日は車で連れて行ってもらいました。
160828 (10)エーデルワイン_ぶどうの樹(道路脇)
ワイナリーの手前の道路の歩道にはぶどうの樹が並んでいます。
160828 (7)エーデルワイン_ワインシャトー大迫(外観)
ワイナリーの外観。

★ワイナリーの概要
160828 (13)エーデルワイン_敷地内案内図
敷地案内図。ワイン直売所「ワインシャトー大迫」の奥に「ビン詰棟・見学コース」の建物があります。
160828 (12)エーデルワイン_ワインシャトー大迫(外観)
ワインシャトー大迫。館内には直売所の他に、ワイナリーやワイン造りの工程などを説明する映像コーナーがあります。
160828 (15)エーデルワイン_工場見学棟
工場見学コースがある建物。

★エーデルワインについて
・創業は1962年(昭和37年)。当時の大迫町と大迫農協の出資により、岩手ぶどう酒醸造合資会社が設立され、1973年(昭和48年)に株式会社エーデルワインに改変されました。
・名称はヨーロッパのアルプス山脈に咲く高山植物“エーデルワイス(セイヨウウスユキソウ)”に由来しています。エーデルワイスは、大迫町にある早池峰山[はやちね-]に咲く“ハヤチネウスユキソウ”と姉妹花。その縁で大迫町はオーストリアのベルンドルフ市と友好姉妹都市となったそうです。

★工場見学
見学コース内は自由見学です。10名以上の団体で事前予約をした場合は、ガイドが案合してくれます。
160828 (16)エーデルワイン_見学コース(階段)
見学コースは階段を上がった2階にあります。
160828 (17)エーデルワイン_破砕・圧搾機など
1階の入口付近に展示されている破砕・圧搾機。
160828 (47)エーデルワイン_見学コース(2階)
2階の見学通路。各展示コーナーには説明書きがあります。設備の一部は、ガラス窓越しに見学できます。

<岩手県のぶどう栽培>
国分謙吉知事の「大迫はぶどう栽培の適地である」という昭和23年の言葉をきっかけに、昭和25年に“岩手県立農業試験場大迫葡萄試験地”が創設され、昭和37年にワイン造りがスタートしたそうです。

<大迫町のぶどう畑>
160828 (20)エーデルワイン_大迫町のぶどう畑
エーデルワインのある大迫地区を中心に、北東の内川目地区[うちかわめ-]、南東の外川目地区、西の亀ケ森地区の4地区でぶどうが栽培されています。大迫のぶどう生産者全員が低農薬・低化学肥料の”エコファーマー栽培”の認定を受け、安心・安全で良質なぶどうづくりに取り組んでいます。この地区は、”降雨量が少なく、昼夜の寒暖差が大きい気候、弱アルカリ性の石灰岩系土壌”というぶどう栽培に適した環境を有しています。

<大迫産のワイン用ブドウ>
ドイツの銘醸地と気候が似ているため、その条件を活かした品種などが栽培されています。

・リースリング・リオン(白):甲州三尺とリースリング(ドイツの代表的な品種)の交配種。
・ナイアガラ(白):生食用だがワイン醸造にも使用。
・キャンベル(黒):生食用だがワイン醸造にも使用。
・メルロー(黒):フランス・ボルドー地方の代表品種のひとつ。
・ツヴァイゲルトレーベ(黒):オーストリアで広く栽培されている品種。早熟で耐寒性あり。酸味が特徴的。
・ロースラー(黒):オーストリア原産。国内では大迫で初めて栽培された品種。

<圧搾・醸造コーナー>Expression / Brew
160828 (30)エーデルワイン_醸造

<貯蔵・樽熟成コーナー>Stock / Aged
160828 (29)エーデルワイン_見学コース(貯)
160828 (28)エーデルワイン_樽熟成

<洗浄コーナー>Washing
160828 (37)エーデルワイン_リンサー
リンサー。

<瓶詰コーナー>Package
160828 (42)エーデルワイン_トリブロック充填機、検瓶、外洗機 - コピー
トリブロック充填機、検瓶、外洗機。

<ラベル・箱詰めコーナー>Label / Ship
160828 (43)エーデルワイン_キャップディストリビューター、糊式ラベラー、タック式ラベラー
キャップディストリビューター、糊式ラベラー、タック式ラベラー。

<コレクション・コーナー>
故・伊藤行氏のワイングッズのコレクションや昔のボトルなども展示されています。
160828 (35)エーデルワイン_ぶどうの根でつくったオープナー - コピー
ぶどうの根でつくったオープナー。はじめて見ました。
160828 (39)エーデルワイン_ワインのオーデコロン - コピー
「コロン・エーデルワイス」は、ロゼ・ワインでつくられた日本初のオーデ・コロン。昭和60年に発売され、花巻温泉など近隣の観光地のお店などに置かれていたそうです。こんなものまであったんだ...
160828 (40)エーデルワイン_ボトルの歴史 - コピー
昔のワイン・ボトル。

★試飲
「ワインシャトー大迫」には無料試飲コーナーもありますが、この日は時間がなかったので有料試飲だけを行いました。
160828 (50)エーデルワイン_テイスティング・ルーム入口
有料試飲ができるテイスティング・ルームは、ワインシャトー大迫と工場見学棟の間にあります。7/15にリニューアルしたばかりでした。
160828 (51)エーデルワイン_テイスティング・ルーム(カウンター)
スタイリッシュなテイスティング・カウンター。
160828 (52)エーデルワイン_テイスティング・ルームMENU
テイスティング・メニュー。サイズは30ml(テイスティング)と100ml(バイザグラス)の2種類です。

<テイスティング・アイテム>すべて、30ml
160828 (62)エーデルワイン_テイスティング・アイテム(ボトル)
①白「2015 五月長根葡萄園 リースリング・リオン」Alc.11.5%。
②白「2015 試飲酒 シャイン・マスカット」300円。
③赤「2013 シルバー ロースラー」Alc.13.0%、200円。
④赤「2012 シルバー ツヴァイゲルトレーベ」Alc.13.0%、300円。
⑤赤「2012 ハヤチネゼーレ ツヴァイゲルトレーベ」Alc.13.0%、総酸度5.0g/l、原料糖度21.3Brix、収穫:2012年9月中旬、瓶詰:2014年7月9日、400円。
⑥赤「2012 ドメーヌ・エーデル 天神ケ丘メルロー」Alc.13.0%

①の色合いは輝きのあるイエロー。グラスに鼻を近づけると凝縮感のある豊かな果実香が感じられました。味わいはやわらかな甘みとしっかりとした酸味がバランスよくまとまっていて、余韻も長め。スタッフの方がおすすめするヴィンテージだけあって、エレガントで美味しいワインでした。この銘柄は漫画『神の雫』第353話「人よ、荒野を行け、花よ、荒地に咲け」(※)にも登場しています。

(※)五月長根葡萄園2010(リースリング・リオン)のテイスティング・コメント
・「この東北の地の美しいテロワールを写し取ったようだ」
・「東北の雪解けの大地から 力強く立ち上がって花を開かせる白く可憐な高山植物のような 清楚でありながら芯に強さを秘めたワインです」

②は試験醸造のシャイン・マスカットでボトルにラベルは貼られていません。色合いは①よりは淡いイエローで少しグリーンがかっています。マスカットの気品ある麝香の香りが感じられるのに、アフターにかけては冷涼地のソーヴィニヨン・ブランのような青いハーブの香りが感じられ、とても個性的で、夏にぴったりの清涼感のあるワインでした。個人的には、これをスパークリングにしてよく冷やして楽しみたいと思いました。

③のロースラーは紫の色調がしっかりしていて、特徴的な強めの酸が感じられました。

④と⑤はともにツヴァイゲルトレーベ。どちらにもしっかりとした果実味が感じられますが、④にはよりいきいきとした酸が感じられフレッシュな印象、⑤は樽熟成から生じる甘いバニラ香があり、複雑な香味を楽しめました。

⑥のメルローは熟したブルーベリーやブラックベリーのような香りがあり、果実味が豊かで凝縮感があるワインでした。飲みなれない品種を優先的に利きたかったので当初はパスしていましたが、スタッフの方がおすすめするだけあって美味しいワインでした。

160828 (60)エーデルワイン_テイスティング・アイテム6種
グラスはすべて国際規格のテイスティング・グラス。スタッフの方がこまめにワインの状態をチェックしながらサーブして下さり、提供温度にもこだわりを感じられました。特に赤ワインは注がれてから時間が経つにつれてどんどんと華やかな果実の香りが開いてきて、酸味もまろやかになり、タンニンもやわらいできました。わずかな温度と空気との接触により変化するワインのおもしろさを堪能できたテイスティングでした。

160828 (54)エーデルワイン_ロースラー
③ロースラー。

160828 (56)エーデルワイン_ツヴァイゲルトレーベ比較試飲
④⑤ツヴァイゲルトレーベの比較試飲。

★ワインまつり
9月の第3日曜日には、多彩な催しやワインの試飲などが楽しめる”ワインまつり”が開かれるそうです。

★感想など
今回の旅で岩手県のワイナリーをはじめて訪れましたが、とても魅力的な産地であり、ワイン造りにも前向きな取組みが行われていることを知りました。岩手県は国内最大の杜氏集団”南部杜氏”のふるさとであり、ビールの魂といわれる”ホップ”の国内最大の産地でもあるので、三大醸造酒のすべてに大きなポテンシャルを持つ産地であることを強く感じました。

160828 (69)南部曲り家千葉家 - コピー
160828 (71)南部曲り家千葉家 - コピー
ワイナリー訪問の後は、「南部曲り家千葉家」に立ち寄りました(外観のみ見学)。江戸時代に建てられた代表的な南部曲り家で、石垣の上に茅葺の建物がそびえ建つ荘厳な屋敷構えが特徴です。南部曲り家とは”オモヤとウマヤがL字状につながる”この地方独特の民家です。平成28年度から大修理工事が行われるため、約10年間は通常の公開ができなくなるそうです。

この後は、遠野で行われている遠野ホップ収穫祭2016に参加しました。

(初稿)2016.9.6

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テーマ : ワイナリー見学
ジャンル : グルメ

プロフィール

Nomura Seiji

Author:Nomura Seiji
・お酒と薬膳理論の入門講座、飲酒教育
 nomuras.jimdo.com
・JSAワイン検定講師
・JSAワインエキスパート
・1971年生
・東京在住

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