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【見学】アルプス搗精工場(長野・大町) - 30台の精米機が立ち並ぶ巨大工場のスタッフはたったの5名!技術と効率化を極めた長野県酒造組合の精米システム

長野県の酒蔵(82蔵)の約9割が利用している共同精米工場を見学しました。
30台の精米機と36基の原料タンクが並ぶ巨大な工場のスタッフはわずか5名!
高度な機械技術と効率的な運用がとても印象的でした。
搗精[とうせい]とは、「米を搗[つ]いて精製する」、つまり、精米のことでした。

日時:2016年7月21日(木) 13:30~
場所:アルプス搗精工場(長野県大町市大字平1040の250番)
内容:自由見学(無料)、有料試飲
交通:18きっぷ(長野駅→北大町駅→東京23区内。1日あたり2,370円)

★アクセス
160721 (1)長野駅
この日は長野市内からJR篠ノ井線と大糸線の普通列車を乗り継いで目的地に向かいました(長野駅9:29→10:56松本駅11:19→12:22北大町駅)。
160721 (9)姨捨駅
160721 (8)姨捨駅
途中で”日本三大車窓”のひとつ、姨捨駅[おばすて-]に停車しました。標高551mの山の中腹にある駅で、善光寺平を見下ろす絶景が楽しめます。全国でも数少ないスイッチバック方式の駅としても有名です。
160721 (16)北大町駅_全景
最寄駅の北大町駅に到着。この区間はワンマン運転のため、電車のドアは(2両編成のうち)前方1両目しか開きません。単線の無人駅ですが、小さな待合室と、ホームの外に簡易WCがあります。ここから目的地まで約4.5kmの道のりを歩きました。
160721 (19)アルプス搗精工場_道端の精米機
道中で見かけた飯米用のセルフ精米所。酒造用とは構造も大きさも異なります。
160721 (21)アルプス搗精工場_遠景
ようやく工場の姿が(まだ遠い...)
160721 (26)アルプス搗精工場_東側
グーグル地図の通りに向かったら工場の裏手(東側)に出てしまいました。それにしても本当に大きなかまぼこ...

★見学概要
160721 (29)アルプス搗精工場_看板(見学自由)
館内の見学は自由かつ無料です(試飲は有料)。ただし、酒造期の10月~翌年3月(状況によっては4月)頃までは見学不可となるそうです。予約は不要ですが、事前に電話で開館しているかを確認するのが無難です。少人数の場合はガイドがつきませんが、この日はたまたま展示品のメンテナンスをしていたスタッフの方が質問等に答えてくださいました(実は、この道20年のベテランの方だったので、大変参考になるお話を伺うことができました)。工場のパンフレットはありませんが、館内には長野県の地酒に関する各種資料が揃っています。

以下、工場のデータ等は展示エリアの説明書き、スタッフの方のお話の他に、「アルプス搗精工場の建設―21世紀への希望の灯―」(丸山泰著。日本醸造協会誌Vol. 91 (1996) No. 9 P 610-615)を参考にしています。

★外観
○ 敷地面積:17,165㎡(5,192坪)、建築面積:6,624㎡(2,003坪)
○ セミナー棟(鉄筋コンクリート造2階建): 延床面積1,399㎡(423坪)
○ 工場棟(鉄骨造2階建): 延床面積6,634㎡(2,007坪)
160721 (30)アルプス搗精工場_外観(西側)
建物はセミナー棟と工場棟の2棟から成ります。酒米と心白(中心の白く見える部分)を誇張・簡略化したロゴが目立っています。
160721 (32)アルプス搗精工場_外観(南西)
西側の”セミナー棟”。鉄筋コンクリート造の2階建で、延床面積は1,399㎡(423坪)。吹き抜け部分は、高さが21m(通常の5階建て分)もあるそうです。1階には事務室、会議室、お土産コーナー、喫茶コーナー、酵母培養室、2階には120人収容の研修室、実験室、見学者ホールがあります。
160721 (102)アルプス搗精工場_外観南側2
東側の”工場棟”。鉄骨造の2階建で、延床面積は6,634㎡(2,007坪)。この辺りは最高2mの多雪地帯のため、かまぼこのような”丸屋根”を採用しています。柱が1本もない構造で、最高部は地上25m。天井に天窓を付けて自然光を十分とり込めるように設計されています。

★館内・エントランス
160721 (35)アルプス搗精工場_エントランス
エントランスをくぐると、陽光が差し込む吹き抜けのアトリウムがあります。枯山水のような中庭があり、まるで、コンテンポラリー・アートの美術館に来ているようでした。
160721 (90)アルプス搗精工場_松尾様
お酒の神様・松尾様をまつる神社もありました。

★アルプス搗精工場の歴史
160721 (91)アルプス搗精工場_建設銘
長野県は全国4位の総面積(13,585km2)を誇りますが、可住地面積はわずか24.2%。険しい山や峠に阻まれて交通の便がきわめて悪く、同県は長らく”陸の孤島”だったそうです。そのため、県下の清酒メーカー105社は、長野県酒造共同組合のもとに結束し、原料米の共同購入や共同精米を行なってきました。効率的な輸送のため、工場は稲作適地の5か所(木島、上田、佐久、大町、伊那)に分散して建設され、5工場は順調に利益を上げてきました。しかし、時が経つにつれて設備の老朽化、コスト増加、従業員の高齢化、高精白ニーズへの対応などの問題が出てきたため、工場をひとつに集約して合理化を一気に進める計画が生まれました(中央道・長野線の開通など、交通インフラの整備が進んでいたことも計画を後押ししました)。そして、1995年にアルプス搗精工場が完成しました。新しい工場のように見えましたが、すでに20年以上も活躍している施設でした。

★見学者ホール(アルプスホール)
160721 (52)アルプス搗精工場_アルプスホール2
2階では、ガラス窓越しに工場内部を見学できます(酒造期間ではないため、機械は止まっていました)。また、原料米や稲作の流れ、昔の酒造りなどの展示コーナーもあります。
160721 (51)アルプス搗精工場_アルプスホール
長野の酒造各社の展示コーナー。
160721 (41)アルプス搗精工場_酒蔵リーフレットのラック
ラックには各社のパンフレットが置いてあります。

★工場の模型
160721 (79)アルプス搗精工場_模型全景
模型の寄贈元は佐竹製作所(サタケ)。酒造用精米機などを製造するメーカーで、本社は広島県にあります。
160721 (63)アルプス搗精工場_精米機、タンク
工場内部は西側のガラス窓1面からしか見学できないので、内部の構造を知るためにこの模型が役立ちました。
160721 (77)アルプス搗精工場_荷受ホッパー、ABフィルター
工場での作業は自動化がかなり進められています。精米機はコンピューターによる自動制御。精白後の米を袋に入れてパレット(輸送用に使う簀の子[すのこ]状の台)に積むまでの作業も、パレタイザーというロボットにより全自動化されています。そのため、旧工場では数十名必要であった作業員が足許は5名で済むようになり、深夜の作業も無くなって、労働条件が大きく改善したそうです。

★竪型精米機
160721 (68)アルプス搗精工場_竪型精米機(タテ)
30基の竪型精米機が並ぶ姿は圧巻!機種は佐竹製作所の「DB25E型」で、年間処理量は20万俵(冬季のみ)。
160721 (76)アルプス搗精工場_竪型精米機(ヨコ)
酒造りには酒米(醸造用玄米)と一般米(水稲うるち玄米)の両方が使われますが、酒造用に関してはすべて竪型精米機を使っているそうです。コンピュータで最適に制御することで高品質な精米が可能になりましたが、年ごと・品種ごとに精米のパターンは異なるため、スタッフが各々のケースにつき1回目の精米の状態を見ながら、その後の設定を調整していくそうです(やはり、人間の係わる部分は完全に排除できないんだなぁ...)。

<参考>縦型精米機(竪型-):灘酒研究会さまHPの灘の酒・用語集より
”縦型研削型精米機は金剛砂[こんごうしゃ]等、高硬度の鉱物等で造られた回転するロール状砥石(金剛ロールと呼ばれる)で米の外層部を削り取る方式である。
精米機上部のタンクから自然落下する玄米を精米室の出口の抵抗板によって排出量を制限することで充満し、回転するロール状砥石に押しつけられ米が削られる。
精米室を出たところで「振動ふるい」により糠と分離され、再びバケットコンベアーで精米室の上にある米タンクに送り込まれ、繰り返し精米室を通る間に精米が進む構造になっている。
精米機の大きさは金剛ロールの直径で表わし、16インチのものを16型といい、他に18・20・22・25・26型などがあり、その性能はそれぞれ1、1.5、2、3、3.5倍の比率となっている。
(付記)金剛砂:不純物の多い砂質のコランダム、または、ざくろ石を粉末にしたもの。研磨剤に用いられます。

★竪型精米機の構造図
160721 (37)アルプス搗精工場_精米機構図図
飯米用で一般的に使われる「横型精米機」(金剛ロールを使用しないもの)とは根本的に構造が異なるそうです。
160721 (38)アルプス搗精工場_金剛ロール
”金剛ロール”の実物。このやすり面で米を磨きます。
160721 (39)アルプス搗精工場_金剛ロールアップ
金剛ロールの拡大写真。展示されているものは擦り減っていて使い物にならないそうです...

スタッフの方に精米機の大まかな仕組みを説明して頂き、イメージを少しつかむことができました。構造図を見ながら漠然と予測していたものとはことごとく違っていたので、お話を伺えてほんとうに良かったです...(「米はずっと金剛ロールの中で磨かれている?→実際は、機械の中を縦方向に循環」、「摩擦で熱を持つから冷却器が付いている?→ロール部分に入る米の量で調節するから付いていない」など)。
昔は自転車のギアのような構造(プーリー=Pulley=滑車)だったので磨くスピードを2段階しか切り替えられなかったそうですが、いまはインバーターを使って無限にスピードを調節できるそうです。スタッフの方が「これ以上の発展形はない(あとは機械を小型化するなど根本的な技術以外のこと)」と話されていたのが印象的でした。

★その他の機械設備
160721 (40)アルプス搗精工場_工場内部(タンク側)
他にも、工場内には4万俵以上収容可能な原料タンク(1本1,200俵収容)や様々な機械類が設置されています。
160721 (73)アルプス搗精工場_工場内部(原料の袋)

<機械設備>
○荷受けホッパー2基(能力玄米25t/h)
○玄米タンク12基(72t×12) 
○白米タンク:24基(72t×24)
※長野県酒造組合HPでは、原料米用が24基、白米用が12基と逆の表記。
○自動糠選別機:5種類に自動選別
○充填ロボット:1t詰フレコン、30kg紙袋に自動充填、パレタイザーでパレットに積む

★精米にかかる時間
160721 (80)アルプス搗精工場_70精米
長野県を代表する酒米”美山錦”の玄米30俵分の精米時間は、精米歩合70%(糠を3割除去)で12時間、59%で37時間、39%で80時間、35%で85時間もかかるそうです。この数字はあくまでも目安であり、米の硬さなどによって時間はばらつくそうです(80時間かかると思ったら、米がやわらかくて40時間で仕上がった等)。ほぼ機械化・自動化されているとはいえ、品種や収穫年等の違いにつき、各々の作業の基本形が固まるまでは人間の判断に委ねる部分が残るそうです(最初の3割くらいまでの精製の状態を見て後の処理時間等を調整するそうです)。米はやわらかいほうが磨きやすいと言われていますが、やわらかすぎてもまた難しいとのことでした。品種ごとの違いを質問したら、美山錦や山田錦はやっぱり使いやすい、ひとごこち(美山錦よりも大粒で心白発現率も高い長野県の酒米)は硬い系とのこと。(硬い米で思いついた)五百万石は?との問いには、うちには入ってこないとの回答でした。信州と越後をごっちゃにしてはいけないとちょっぴり反省...

★糠の種類
160721 (53)アルプス搗精工場_糠の分類
自動糠選別機により、糠は5種類に自動選別できます。館内には4種類の糠が展示されていました。明確な定義は無いそうですが、ざっくり分けると、”赤糠”は外側10%程度、”トラ糠”はその内側10%程度、さらに内側が”上糠”、”特上粉”となり、段々ときめが細かくなります。赤糠はキノコ栽培の菌床、トラ糠は家畜の飼料、上糠・特上粉は味噌・醤油・酢など発酵食品の原料として再利用されるそうです。
160721 (83)アルプス搗精工場_赤糠
赤糠のアップ。
160721 (82)アルプス搗精工場_特上粉
特上粉のアップ。

★長野県の稲作の流れ
160721 (59)アルプス搗精工場_稲作の流れ1
①育苗:良い種子を選ぶための”塩水選[えんすいせん]”や、種子消毒を終えた種子を水に浸して発芽を促進する作業が行われます。出芽し始めた籾は床土[とこつち]を入れた育苗箱(30㎝×60㎝×3㎝)に播種[はしゅ]します。中苗[ちゅうびょう]の場合、平均で80g~100g播き、30日~40日の育苗期間が過ぎてから田植えとなります。
②田植え:地形が多岐にわたるため(千曲川下流の標高300m地域から八ヶ岳山麓の1200mまで)、各地域の気象に合わせた田植えが行われます。期間は穂高町の5月初旬から、更埴市[こうしょくし]の6月下旬までと、1カ月以上の長期にわたります。
③草取りが終わって:田んぼに植え付けられた稲は光合成を盛んに行い、茎が増えます(分蘖[ぶんげつ])。最高分蘖期は、通常は6月下旬~7月上旬(作期年次によって異なります)。また、収量アップなどを目的に、出穂20~25日前に穂肥[ほひ]が施用されます。
④稲の花:開花は午前10時頃から始まり、12時頃には終了します(上の方から下の方に移っていきます)。一つの花が開いている時間は1~2時間。受粉が終了すると穂は閉じます。
⑤稲穂:光合成により生産されたでんぷんが、穂へ転流し蓄積されます。登熟の進行とともに、稲は黄金色に変わります。長野県は昼夜の温度格差が大きいため、登熟歩合の高い品質の良い米が生産できます。
⑥稲の刈り入れ:中生種では出穂後45~50日で成熟期を迎えます。以前は家族総出の稲刈風景が見られましたが、現在は機械化が進み、コンバインで収穫された籾は乾燥調製施設へ運ばれ、玄米にされます。

★昔の精米のようす
160721 (44)アルプス搗精工場_昔の精米のようす
昔の酒造りの工程を再現したミニチュアも展示されています。写真は精米のようす。作業は、水汲み、米洗い、放冷、酛摺り、添え仕込み、酒しぼりと続きます。
160721 (42)アルプス搗精工場_昔の水車による搗精
昔の水車による搗精のようす[説明書きより]:
(左)米搗きの立杵と横杵、(右)菜種油搾りの挽臼と六角篩[-ふるい]
秋里篩島「拾遺都名所図会」天明7年(1787年)刊、「井堤里玉川の流を以て水車[みずぐるま]をめぐらし、昼夜碓[からうす]を踏ませて米[よね]を精白[しらげ]にし、舂[うす]をまはせて菜種を挽きわり、あるはもろもろの粉を震[ふる]はせりけり。その車の工[たくみ]、他に異なり、これ皆水の勢ひにて「山海経」にいふ水伯神のちからなるべし」。

★試飲
160721 (93)アルプス搗精工場_試飲コーナー
1階の売店にあるカウンターでは長野の酒の有料試飲ができます。お猪口2杯で300円。お猪口はお土産として持ち帰りできます。
160721 (97)アルプス搗精工場_試飲銘柄
試飲アイテムはスタッフにより2種類が決められています。この日は以下の2銘柄で、未開栓のボトルでした。
①「今錦 純米吟醸」米澤酒造、精米歩合55%、Alc.16%。
②「秀峰アルプス正宗 純米吟醸」亀田谷酒造店、精米歩合59%以下、Alc.14%。
どちらも長野県産の美山錦を100%使用しています。
160721 (96)アルプス搗精工場_試飲
①はフルーティーな香りと力強い味わい、②はおだやかな香味で特に和食と合わせやすい印象。どちらも美山錦の純米吟醸ですが、酒にするとこんなにも違うんだと改めて思いました。

★大町温泉郷と酒の博物館
工場の約1.5kmほど北側(やや西寄り)には、大町温泉郷があります。日帰り入浴ができる施設の他に、「酒の博物館」もありましたが、残念ながら博物館は長期休業中でした。

★帰路
160721 (109)アルプス搗精工場_帰路
帰路は北側の県道45号線経由で北大町駅まで歩いて戻りました。暑い中で農作業をしている方を見かけると、美味しい食材を提供してくれることへの感謝の気持ちが湧いてきます。
160721 (110)アルプス搗精工場_帰路・田んぼの青い稲
強い生命力を感じさせる青々とした稲。
160721 (111)アルプス搗精工場_帰路・小川
車がよく通る道路沿いでも、このようなきれいな小川が所々に流れていました。さらさらと流れる川のせせらぎと稲のそよぐ音が耳に心地よかったです。長い距離を歩くのはしんどかったですが、周辺のテロワールのようなものを肌で感じることができました。

★感想など
精米は重要な工程ですが、竪型精米機は高価(1台2千万円くらい?)であるため、自社で保有している酒蔵は少ないと聞いていました。予備知識が殆どない状態ではじめて精米工場を訪れましたが、長野県がここまで合理的なシステムを築いていることに驚きました。原産地呼称管理制度の導入や、愛好家向けのきれいなリーフレットの作成など、ワインにも清酒にも力を入れている同県には今までも好感を抱いていましたが、この精米工場を見て、あらためてその力の入れ具合に期待を膨らませました。長野の酒への愛着がますます高まる工場見学でした。

最後に、米の単位(俵)や、水分量による重量の違いなどに興味を持ったので、調べてみました。

<参考>合[ごう](米・酒の単位)~ウィキペディアより
”日本では商取引での尺貫法の単位の使用は禁止されているが、今日でも、日本酒や焼酎の販売は主に1合(180ミリリットル)単位で行われている。また、1合の米は標準的な1食分の分量となっており、1合を量るための計量カップが広く使われている。
[米の一合の重さ]単位換算では米1俵 = 60kgであり、また1俵 = 4斗 = 40升 = 400合 であるので、割り算して1合 = 150g となる。キロに換算すれば、1kgの米は、6.6合強である。実測値は精米の状態により異なる。また水分含有量によっても変化する。古米は乾燥して水分が少ないので、新米より軽い。
・籾1合(約110g)→精製→生玄米0.5合(約78g)+ 籾殻0.5合(約32g)
・生玄米1合(約156g)→精製→生白米5/6合(約125g)+ 糠1/6合(約31g)(湿潤時の場合)
・生白米1合(約150g)→炊飯すると、体積・重量とも約2.2倍に増加する。約150gの白米1合を炊飯すると、約330gになる。” 

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【見学】キリンビール神戸工場(兵庫・神戸市北区) - ラガーバス、昔の広告、「神戸づくり」へのモヤモヤ

キリンビール神戸工場を見学しました。神戸の文字を見て湾岸エリアを思い浮かべていましたが、神戸市の北の方の内陸部にある工場でした。

日 時:2016年7月14日(木) 14:10~15:10
場 所:キリンビール神戸工場(兵庫県神戸市北区赤松台2-1-1)
内 容:「一番搾り うまさの秘密体感ツアー」(ガイド付き)
料 金:無料

★アクセス
160714 (91)三田駅
最寄駅はJR福知山線と神戸電鉄の三田駅[さんだ-]。この日は、大阪府内から阪急宝塚線とJR丹波路快速を乗り継いで向かいました(豊中駅12:51→川西能勢口駅13:00、川西池田駅13:09→三田駅13:29。各190円、410円)。帰路は、大阪駅までJR丹波路快速を利用しました(三田駅16:12→大阪駅16:51、760円)。
160714 (5)キリン神戸工場_ラガーバスのりば
三田駅から工場までは、無料送迎バスで約20分です(三田駅13:40→工場14:00。利用者がいる場合のみ、フラワータウン駅13:50に停車)。ビール缶の形をした”ラガーバス”は見ためのインパクト大!バスの乗り場は、神戸電鉄の線路沿いにあります。改札口とは反対側のホームの端あたりにあるので、少し歩きます。
160714 (8)キリン神戸工場_受付表
車内で受付表を記入します。

★「出逢い麒麟」がお出迎え。
160714 (11)キリン神戸工場_ラガーバス(工場)
工場に到着したラガーバス。
160714 (9)キリン神戸工場_出逢い麒麟
入口の左わきには「出逢い麒麟」の像があります。「麒麟」は慶事の前に現われるという古代中国の想像上の動物です。心優しい聖獣で、虫を踏まず、草も折らないそうです。この地でたくさんの幸せに出逢えるよう見守り続けてくれているそうです。

★見学受付
160714 (13)キリン神戸工場_受付
まず1階で受付をします。
160714 (20)キリン神戸工場_パンフレットなど
パンフレット、識別用のストラップを受け取り、エスカレーターで集合場所の2階へ。

★集合場所
160714 (22)キリン神戸工場_集合場所
集合場所は2階の奥にあります。後ろに見えるのは麦汁をつくるための”糖化釜”。昭和36年から平成8年まで、旧尼崎工場で使われていたもので、能力は100kl。細かく砕いた麦芽と温水を混ぜて”もろみ”にし、米などの副原料を加えて適温に保つと、麦芽の中にある酵素の働きが活発になり、デンプン質の分解(糖化)が進んで麦汁になります。

★キリンビールの紹介と原材料
160714 (37)キリン神戸工場_映像ルーム
ガイドの女性の挨拶に続き、映像ルームへ。キリンビールの紹介と原材料についての映像を観ます。キリンは製麦を自社工場(福岡)で行っている国内唯一のビールメーカーです。
160714 (32)キリン神戸工場_麦芽
160714 (34)キリン神戸工場_麦芽とホップ
恒例の麦芽の試食とホップの香りの確認。

★仕込み
160714 (38)キリン神戸工場_仕込・映像室
続いて、別の映像ルームで仕込みについての映像を観ます。入口の手前にあるガラスケースには、めずらしい形をした昔のビール瓶が展示されていました。
160714 (40)キリン神戸工場_麦汁沈殿槽と麦汁煮沸釜
映像室の横から見える麦汁沈殿槽(左)と麦汁煮沸釜(右)。

★麦汁試飲
160714 (51)キリン神戸工場_麦汁試飲
一番搾り麦汁と二番搾り麦汁の試飲。後者はお茶でいうなら”二番煎じ”。通常は両者を混ぜて使いますが、「キリン一番搾り」は前者だけを使用しているので、リッチな麦芽の風味が楽しめます。二番搾り麦汁は、「キリン淡麗」のものだそうです。

★発酵
160714 (56)キリン神戸工場_酵母菌
麦汁に酵母を加えてアルコール発酵させると「若ビール」ができます。キリンビールでは約560種類の酵母を保有し、製品に合うものを厳選して使用しているそうです。若ビールは、さらに約0℃で1~2カ月熟成させて香味のバランスをととのえます。
160714 (53)キリン神戸工場_発酵貯蔵タンク模型
神戸工場には大きな”発酵・貯蔵タンク”が86本あります。最大のもので、高さ18.2m、直径8m、容量460klになります。

★パッケージング
160714 (67)キリン神戸工場_びん詰め機
びん詰め機(奥)と空びん検査機(手前)。
160714 (61)キリン神戸工場_巻締機
缶ビールのパッケージング・ラインと巻締機(Can Seamer)。
160714 (60)キリン神戸工場_パッキング
1分間にパッケージングできる缶ビール(350ml)の量は、なんと2,000缶分。国内ビールメーカー最速だそうです。

★ラベルの歴史
160714 (64)キリン神戸工場_ラベル1888
明治21年(1888年、大びん1本18銭)。「キリンビール」発売時のラベル。西洋ビールの商標に動物が多く使われていたことにならい、東洋の霊獣”麒麟”を採用したそうです。
160714 (71)キリン神戸工場_ラベル1907
明治40年(1907年、大びん1本21銭)。ジャパン・ブルワリーの事業を継承した”麒麟麦酒株式会社”の創立時のラベル。
160714 (69)キリン神戸工場_ラベル1943
昭和18年(1943年、大びん1本90銭<公定価格>)。「麦酒」と書かれているだけのラベル。配給制度が全国に広がった戦時中の頃のもの。
160714 (70)キリン神戸工場_ラベル1949
昭和24年(1949年、大びん1本130円<自由販売酒の公定価格>)。商標が復活した直後のラベル。青一色で、現在よりもやや小さめ。

★試飲
続いて試飲コーナーへ。
160714 (78)キリン神戸工場_試飲
試飲の一杯目は「一番搾り 神戸づくり」。神戸工場限定醸造で、アルコール度数は5.0%、原材料は麦芽・ホップ・米。酒米の王様とよばれる”山田錦(兵庫県が原産地)”を使用しています。おつまみにビール酵母を使用した柿の種がつきます。
160714 (79)キリン神戸工場_試飲3種
2杯目と3杯目は好きなものを好きな順番で選べます。同時に注文して飲み比べることもできます。
①「一番搾り 神戸づくり」(Alc.5.0%、麦芽・ホップ・米)
②「一番搾り」(Alc.5.0%、麦芽・ホップ)
③「一番搾りプレミアム」(Alc.5.5%、麦芽・ホップ、東北産”かいこがね”一等品ホップ使用)
(去年は、秋田県大雄[たいゆう]産の”かいこがね”でした。)
他に、スタウトやソフトドリンクが選べます。

③は昨年11月のキリンビール取手工場の見学で知りましたが、目が覚めるような鮮烈なホップの香りが印象的で、相変わらずリッチで贅沢なビールでした。美味いなぁ...

①の「神戸づくり」と②のレギュラー商品の違いは...
ビールのテイスティングをもっと訓練しなくてはと思いました...

麦芽100%でコクのある「一番搾り」に山田錦を加えた背景には、(兵庫県産の米である以外に)どのようなコンセプトがあったのだろう... 山田錦はアミノ酸のもととなるタンパク質が少ないはずだし、磨いて米麹にするのでなければ、米粒と心白の大きさも関係ないだろうし、単にスッキリさせるためだけに(普通に食べても美味しくないと言われる)酒造好適米を副原料として使用したわけではないだろうし... 精米歩合は?米麹を加えてみるとどうなる?清酒酵母も一部使用して吟醸香を引き出すなどの工夫はできる?いっそ山田錦の吟醸酒をブレンドしてみたら?など想像(妄想)は膨らむものの、結局、「神戸づくり」の中の”山田錦感”がよくわかりませんでした... もっと精進しなくては...

昨年の工場見学で「一番搾り とれたてホップ」の製造法を知り、旬の国産ホップのフレッシュさを活かした商品の存在に感動を覚えました。まるで新蕎麦を楽しむように、秋だけの華やかな香りのビールを嗜む贅沢があったなんて...と(しかも普通のビールの価格帯です)。

これこそ、”限定商品の醍醐味”じゃないかなぁ...

ビールのバリエーションが増えるのなら、個人的にはいろいろなホップの香りを楽しんでみたいと思います。
特に、減少が続く一方の国産ホップを使ったものなら、心の底から味わってみたいと思います。

(参考)ホップに関する資料(全国ホップ連合会)より

①「岩手県のホップ生産状況の推移」(H23~H27)
年 産 年 : H23→H24→H25→H26→H27
栽培面積(ha): 82→ 79→ 75→ 73→ 64
生産量(トン) :159→162→127→124→126
栽培戸数(戸): 111→107→ 99→ 95→ 84
生産額(億円): 3.39→3.44→2.70→2.69→2.73

②「全国順位」(H27産)
面 積(ha) :1位岩手県(64)、2位秋田県(41)、3位山形県(26)
収穫量(トン):1位岩手県(126)、2位秋田県(82)、3位山形県(45)
その他、北海道、青森県で栽培されています。

★世界のビール
160714 (84)キリン神戸工場_ワグル・ダンス
試飲会場の出口付近には、世界の様々なビールを紹介するコーナーがありました。ハチミツをブレンドして醸すエールビールもあるそうです。商品名の「ワグル・ダンス(Waggle Dance)」は、ミツバチが花の蜜のありかをお互いに教え合う時の行動を表すそうです。ロマンチックだなぁ...

★感想など
160714 (86)キリン神戸工場_ラガーバスと屋外タンク
キリンビールの工場見学はこれで延べ7回目(4工場)ですが、見学箇所や説明のポイントが工場ごとに異なるので、毎回得られるものが大きいです。神戸工場もスタッフの方が皆親切で、有意義な時間を過ごすことができました。同じ敷地内にある”丘の上のビアレストラン”もいつか利用してみたいと思います。

★神戸電鉄の昔の車両
160714 (90)神戸鉄道_三田駅
160714 (88)神戸鉄道_三田駅
帰り道に、三田駅で神戸電鉄の古い車両をみかけました。この1300形(←調べました)が生まれたのは自分と同じ1971年。このような車両が段々と消えているので、なつかしく感じました。

★東京までの帰路
160714 (94)_杉崎観光バス(池袋)
今回の東京~大阪間の往復には、共に夜行バス(杉崎観光バス)を利用しました。オフシーズンだったため、片道1,700円という安さでした。4列シートですが、充電できるコンセントが付いていて、アイマスクとエア枕もサービスされるので、それほど不便さを感じませんでした。安全面で心配してくださる方もいましたが、雪道や山道ではないので、割り切って使っています。

【往路】7/07 東京(八重洲口鍛治屋橋駐車場)21:30→梅田(プラザモータープール)翌6:15
【復路】7/14 梅田(プラザモータープール)23:30→東京(池袋サンシャインバスターミナル)翌8:20

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【見学】清酒発祥の地・鴻池稲荷祠碑(兵庫・伊丹) - 江戸時代の豪商・鴻池家の始祖が酒造を行っていた地

関西に2つある”清酒発祥の地”のひとつ、兵庫県伊丹市の「鴻池稲荷祠碑[こうのいけいなりしひ]」を訪ねました(もう一つの清酒発祥の地は、奈良県の正暦寺です)。江戸時代の豪商・鴻池家の発祥地であり、”始祖”の鴻池新六(尚文)はこの地で酒造業を行っていました。後に彼の一族が海運や両替商に事業を拡大し、鴻池家は江戸時代における最大の財閥になりました。鴻池家の”初代”は新六の八男・鴻池善右衛門(正成)で、代々その名が受け継がれていました。

日時:2016年7月10日(日) 18:00頃~
場所:鴻池稲荷祠碑(伊丹市鴻池6丁目14)
内容:自由見学
料金:無料

★アクセス
JR伊丹駅または阪急伊丹駅から伊丹市営バス2系統”荒牧バラ公園”行きに乗り、鴻池停留所で下車。バス停から目的地までは約210mです。所要時間はJR駅から約20分、阪急駅から約15分で、バスの運賃は210円です。この日は大阪府豊中市内から車で連れて行ってもらいました。

★鴻池稲荷祠碑
160710 (77)伊丹・清酒発祥の地碑_公園入口
鴻池稲荷祠碑は、鴻池児童遊園地の中にあります。ありふれた児童公園で、入園料はもちろんかかりません。
160710 (107)伊丹・清酒発祥の地碑_全景
こじんまりした公園の一角にある石碑と説明書き。鴻池稲荷祠碑は伊丹市指定文化財に指定されています(平成3年12月26日付)。

★鴻池稲荷祠碑の構造と由来
160710 (87)伊丹・清酒発祥の地碑
亀の形をした台石「亀趺[きふ]」(花崗岩製)の上に、鴻池家の由来を記した碑(砂岩性)が立っています。碑は、中国の古代貨幣「布貨[ふか]」の形をしています。銘文は、江戸時代後期の儒学者、中井履軒[なかいりけん]が鴻池家に依頼されて書いたものです。

①石碑
160710 (104)伊丹・清酒発祥の地碑_碑文拡大1
160710 (105)伊丹・清酒発祥の地碑_碑文拡大2
上部の凸出部を篆額[てんがく]に見立て、右に「稲荷」、左に「祠碑」の文字が篆書(漢字の書体の一種)で刻まれています。

②亀趺
160710 (93)伊丹・清酒発祥の地碑_亀趺(顔アップ)
亀に似た中国の伝説上の生物「贔屓[ひいき・びし]」が石碑の台になっているものを「亀趺[きふ]」といいます。
160710 (80)伊丹・清酒発祥の地碑_亀趺(正面)
160710 (92)伊丹・清酒発祥の地碑_亀趺(ヨコ)
160710 (90)伊丹・清酒発祥の地碑_亀趺(背面)
中国の伝説によると、贔屓は竜生九子(龍が生んだ9頭の神獣)のひとつで、重きを負うことを好むといわれています。そのため、古来より石柱や石碑の土台の装飾に用いられることが多かったそうです。日本の諺の「贔屓の引き倒し(意味:ある者を贔屓しすぎると、かえってその者を不利にする)」は、柱の土台である贔屓を引っぱると柱が倒れることに由来しています。
「贔屓」は古くは「贔屭」と書かれていました。「贔」は「貝」が三つで、財貨が多くあることを表し、「屭」はその「贔」を「尸」の下に置いたもので、財貨を多く抱えることを表しています。この「財貨を多く抱える」が、「大きな荷物を背負う」を経て、「盛んに力を使う」、「鼻息を荒くして働く」などの意味をもつようになったそうです。

★碑文(案内板より)
160710 (78)伊丹・清酒発祥の地碑_説明書き
石碑の横の案内板には、碑文の翻訳文が記されていました。以下、案内板からの引用です。

”鴻池家は酒造によって財をなし、慶長5年(1600年)から200年も続いている。その初代(=始祖?)は幸元[ゆきもと]で山中鹿之介(正しくは鹿介)の子孫であると言われている。鴻池家は、はじめて清酒諸白[もろはく](原文では、”雙白澄酒”)を製造し、江戸まで出荷した。近隣の池田・伊丹・灘・西宮などでは鴻池家にあやかって酒造業を起こした者が数百軒もあった。
鴻池家の屋敷のうしろには大きな池があり、これを鴻池といった。これは村の名の由来となり、またその名前を大坂の店の屋号として用いた。
鴻池家が酒造を始めた年、屋敷の裏に稲荷の祠[ほこら]を祀って家内安全を願った。幸元の子供らのうち大坂で分家した者は三家、そこからさらに九家が分かれた。大坂の鴻池家の富は莫大になっている。
宝暦13年(1763年)秋の台風で祠が壊れた。20年後、当主たちが集まり、「先祖の遺徳を忘れてはいけない。祠を再建する費用はわずかであるが、一人だけ出せば、他の人は祖先の恩徳を忘れてしまう。皆で出し合おう」ということになった。天明4年に祠が復旧されたとき、それらの事情をすべて石に刻んで残そうということになった。幸元から数えて7代目の当主元長の子、元漸[もとやす]は自分(中井履軒)の弟子であったので、元漸の依頼によってこの銘文をつくった。”
160710 (82)伊丹・清酒発祥の地碑_本文翻刻
碑文の原文。

★碑文における清酒の記述と”清酒発祥の地”について
160710鴻池稲荷祠碑_雙白澄酒
石碑には、「鴻池家は酒造によって財をなし、慶長5年(1600年)から200年も続いている」ことや、「鴻池家は、はじめて清酒諸白(原文では、雙白澄酒)を製造し、江戸まで出荷した」ことなどが記されています。「雙白(雙は双の旧字)」は「諸白」を指すと思われますが、”麹米と掛米の両方に(玄米ではなく)精白米を使う”この醸造法は、平安~室町時代から既に存在していました。

・諸白[もろはく]:麹米、掛米ともに精白米を使用
・片白[かたはく]:麹米は玄米、掛米には精白米を使用
・並酒[なみざけ]:麹米、掛米ともに玄米を使用

清酒を「諸白」と考えるなら、清酒発祥の地は”南都諸白”で有名な奈良県の正暦寺を指すのが妥当かと思われます。
しかし、当時の酒は諸白であっても”澄んだ酒”とは程遠かったようであり、”より透明度を高めた澄酒”を清酒(の概念のひとつ)とするならば、この伊丹を発祥地とする考え方が成り立つのかと思われました。

日経電子版の記事には、伊丹市博物館の藤井裕行副主幹による以下の指摘が紹介されていました(『関西に2カ所ある「清酒発祥の地」 どちらが本物?』2012.10.27付より)。
・”伊丹は木炭でろ過してすっきりした味と香りの清酒を造り出した。それまでの濃厚な甘口とは違う辛口の酒。”
・”伊丹の酒は輸送に耐えられる品質を備え、江戸で評判になる。容器もそれまでの甕(かめ)から軽い木のたるを使うように。”
・”江戸後期に著された「日本山海名産図会」には「伊丹は日本上酒の始とも言うべし」とある。”

藤井副主幹は同記事のなかで「伊丹の酒は奈良酒の基礎技術がなければできなかった」としたうえで「伊丹は辛口の酒で江戸を中心に市場開拓した」と言及しています。この点からも、伊丹は「木炭でろ過した辛口の、より澄んだ酒」を造り、「江戸送り」をしたという点において、清酒発祥の地とするのが妥当なのかと思われました(”木炭”ではなく”木灰”を使ったという説もあります)。

★清酒のろ過に灰(または炭)を使うようになった背景
鴻池新六が”灰(または炭)を使ってより澄んだ酒”を造った背景には、他にもいくつかの説がありました。

【A説】酒だるの中にかまどの灰を入れたざるを誤って落とした。
【B説】使用人が腹いせに灰を投げ入れた。
【C説】出雲の地伝酒を手本に研究を重ねて造った。

【A説の出典】産経WESTの記事(『伊丹か奈良か「清酒発祥の地」論争…加速する清酒離れ、ともに譲れぬ〝一線〟』2014.1.13付)より
”伊丹市観光物産協会や市によると、伊丹での清酒の誕生はこう言い伝えられている。(中略)。慶長5(1600)年ごろ、酒だるの中にかまどの灰を入れたざるを誤って落とした際、にごり酒が澄み切って味が良くなったことから清酒が誕生した。”

【B説の出典】鴻池直史(Wikipedia)より
”『摂陽落穂集』など多数の文献にある清酒の伝承によれば、「鴻池山中屋の店で叱られた手代が、腹癒せに酒樽にかまどの灰を投げ込んだために、濁り酒が豊潤な清酒になった」というものである。本格的な清酒の生産は日本の最初とされる。”

【C説の出典】「月に捧ぐは清き酒 鴻池流事始」小前 亮著より
鴻池新六が出雲の国の地伝酒(灰を醪に混ぜてから搾る)の話を知り、同地に赴いてその技術を学び、改良を重ねて澄んだ酒を造り出した。

日本酒造り、特に上質で見た目にも美しい酒を造るためには複雑で繊細な作業が必要と考えられるため、A説やB説のように「たまたま」や「偶然」できたものと考えるのは無理があると思います。(史実に忠実かは不明ですが)小前氏の小説が指摘するように、研究と苦労を重ねて造られたと考えるのが妥当かと個人的には思います。なお、同小説では、商売敵が”酒に灰を入れる”というネガティブなイメージを強調して鴻池を蹴落とそうとしたという記述もありました。

★鴻池家の系譜~鴻池家の登場人物は名前がたくさんあるからややこしい!?
鴻池家の始祖”鴻池尚文”は、有名な戦国武将”山中鹿介”の息子と言われています。この両者が複数の名前を持ち、出典により様々な姓名の組み合わせが使われているため、当初は混乱してしまいました。

父親(武人)→【姓】山中 【名】幸盛、鹿介、鹿之介
本人(商人)→【姓】山中、鴻池 【名】新六、新右衛門、尚文

父の山中鹿介は山陰の尼子氏の家臣でしたが、毛利氏に滅ぼされてしまいました。そのため、息子の新六は叔父の山中信直のもとに預けられて育ちました。新六は武士ではなく商人として生きることを選び、商売の妨げになることを危惧して、武士の出自は隠すことが多かったようです。尚文は当初は菊炭を扱い、その商いが困難になると次いで酒造を行うようになりました。尚文たちは木灰を使ってより澄んだ辛口の酒を造り出し、さらに江戸への酒の輸送を進めたことから商売が大きく広がりました。その後、一族が大坂に進出して両替商に転じ、鴻池善右衛門家を中心とする同族集団は江戸時代における日本最大の財閥に発展しました。
三菱東京UFJ銀行の前身のひとつである三和銀行は、鴻池銀行が1933年に三十四銀行・山口銀行と合併して誕生した銀行です。

160710 (114)伊丹・鴻池交差点
鴻池稲荷祠碑の近くの”鴻池交差点”。

(初稿)2016.10.30

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【見学】サントリー京都ビール工場(京都・長岡京市) - ツルに成るホップ、生ビール論争

サントリー京都ビール工場を見学しました。ツルに成るホップをはじめて観ることができました。

日 時:2016年7月10日(日) 10:00~11:10(70分)
場 所:サントリー京都ビール工場(京都府長岡京市調子3-1-1)
内 容:「ガイドツアー」(工場見学、試飲)
料 金:無料

★アクセス
160710 (2)西山天王山駅
この日は大阪市内から阪急京都本線の準急で、シャトルバスが発着する駅まで向かいました(梅田駅8:32→西山天王山駅9:12、運賃320円)。
160710 (5)サントリー京都ビール工場_シャトルバス(西山天王山駅)
シャトルバスは西山天王山駅の2番バス乗り場から発車します。工場までは、JR長岡京駅を経由して約18分です(西山天王山駅9:20→JR長岡京駅9:30→工場9:38)。
160710 (7)サントリー京都ビール工場_シャトルバス(JR長岡京駅)
JR長岡京駅のバス乗り場。

★ホップ
160710 (18)サントリー京都ビール工場_ホップ全景
バスを降りたら目に飛び込んできたのが、このホップのプチ畑(?)でした。工場見学で”収穫後のホップ”を見たことは何度もありましたが、ツルの状態のものははじめてだったので、嬉しいサプライズでした。
160710 (13)サントリー京都ビール工場_ホップの葉
早速近づいてみましたが、虫食いだらけの葉っぱがあるだけで、毬花は見当たりませんでした...時期のはずなのに...
160710 (31)サントリー京都ビール工場_ホップの毬花
戻り際にスタッフの方と会話をしたところ、毬花があるのはツルの上部だと判明!さっそく戻って上の方の写真を撮って確認してみると、確かに毬花がありました!(まぶしかったので肉眼では見えませんでした...)

<ホップの説明書きより>
・アサ科の植物で日本では「セイヨウカラハナソウ」と呼ばれています。
・春から夏にかけてツルが伸び、花をつけます。
・ビールの原料として使われるのはホップの受粉前の雌花が持つ毬花[きゅうか]です。その中に眠る黄金色の粉”ルプリン”が、独特の香りや爽やかな苦味、泡立ちをビールにもたらします。

★見学受付
160710 (20)サントリー京都ビール工場_消毒
入館前に手をアルコール消毒します。
160710 (21)サントリー京都ビール工場_受付表
用紙を記入して受付に渡します(予約していたので白い用紙)。この時に、大きな荷物を預かってもらいました。
160710 (25)サントリー京都ビール工場_待合ホール
待合室でツアーの開始を待ちます。
160710 (23)サントリー京都ビール工場_モンドセレクション最高金賞
「ザ・プレミアムモルツ」は、モンドセレクションで(金賞の上位の)最高金賞を3年連続で受賞しています(2005/2006/2007)。
160710 (27)サントリー京都ビール工場_ファクトリーショップ
待合室の近くのファクトリー・ショップ(売店)。

★工場紹介の映像とビールの原材料
160710 (26)サントリー京都ビール工場_映像ルーム
若い男性ガイドの挨拶の後に、工場紹介の映像を観ます。
160710 (29)サントリー京都ビール工場_ホップのペレット
恒例の麦芽の試食(ダイヤモンド麦芽ではありませんでした...)とホップの香りの確認。ペレットのホップが出てきたのも、はじめての体験でした。無理してでも来てよかった...

★製造場への移動(屋外タンク)
160710 (11)サントリー京都ビール工場_工場外観
160710 (32)サントリー京都ビール工場_屋外タンク(遠景)
映像を観た後は、製造場の建物へ歩いて移動しました。真下を歩いている男性ガイドと比べると、屋外タンクの大きさがよくわかります。
160710 (33)サントリー京都ビール工場_屋外タンク(タテ)
真下から見上げると本当に大きい...
160710 (34)サントリー京都ビール工場_屋外タンク(下部)
タンクの下部。
160710 (35)サントリー京都ビール工場_屋外タンク
連結部?足場?

★仕込み・発酵
160710 (37)サントリー京都ビール工場_仕込室
160710 (36)サントリー京都ビール工場_仕込みタンク
エスカレーターで2階にあがると、仕込室があります。ガイドさんの予告通り、蒸し暑い部屋でした...
160710 (38)サントリー京都ビール工場_仕込みタンク(タテ)

★「ザ・プレミアムモルツ」のこだわりの製法
(a)ダブルデコクション製法
160710 (39)サントリー京都ビール工場_ダブルデコクション製法
デコクションとは、仕込釜で麦汁を煮出すことにより、濃厚で芳しい麦汁を抽出すること。「ザ・プレミアムモルツ」は、仕込釜で一部の麦汁を2回煮出すことで、しっかり濃厚な麦汁を造り出しています。

(b)アロマリッチホッピング製法
160710 (40)サントリー京都ビール工場_アロマリッチホッピング製法
”煮沸開始直後はアロマホップだけ”を時間をかけて煮沸して引き締まった苦味を抽出し、”煮沸終了前後にファインアロマホップを投入”することで華やかな香りを引き出す製法。

★貯酒
160710 (45)サントリー京都ビール工場_貯酒タンク
発酵が終わったばかりの”若ビール”を貯蔵するタンク。

★ろ過
160710 (49)サントリー京都ビール工場_ろ過
役目を終えた酵母などを取り除く”ろ過器”。

<参考>生ビール論争
サントリーは、NASAが開発した”ミクロフィルター(プラスチックやセラミック製の膜をつけた精密濾過装置)”を使い、「熱処理をせずに酵母菌を除去した生ビール」の大量生産をはじめて実現しました(1967年発売の「純生」)。
それまでは「熱処理をせずに”酵母菌が生きている”ものが 生ビール」だったので、業界ではこれを機に、「生ビール論争」が起こったそうです。

・サントリー:「熱処理をしないビールはすべて生ビール!」 
・その他  :「酵母菌を取り除いたら生ビールではない!」
(1968年にアサヒビールが生きた酵母菌入りの「本生」を発売。ただし、要冷蔵、賞味期限2週間で、工場周辺のみの出荷)

1979年、公正取引委員会は「生ビール・ドラフトビール」の定義を「熱処理をしないビールのすべて」と公示し、この論争はサントリーの主張が認めらる形で終結しました。大手4社は現在、加熱処理をしないものが生ビールと定義しているそうです。

★パッケージング
160710 (51)サントリー京都ビール工場_パッケージング
できあがったビールを容器にパッケージングするライン。週末だったので機械は止まっていました。

★試飲会場へ
160710 (57)サントリー京都ビール工場_工場内シャトルバス
工場見学の後は、シャトルバスに乗って試飲会場のある建物に移動します。
160710 (58)サントリー京都ビール工場_空き樽
飲食店から戻された空き樽がたくさん積み上げられている光景は圧巻!この後、大きな倉庫の中を通り抜けて、試飲会場のある建物に戻りました。

★試飲
160710 (60)サントリー京都ビール工場_試飲会場
試飲会場のようす。ひとり3杯まで試飲ができます。
160710 (63)サントリー京都ビール工場_試飲(ザ・プレミアムモルツ)
160710 (64)サントリー京都ビール工場_試飲(ザ・プレミアムモルツ・香るエール)
160710 (65)サントリー京都ビール工場_試飲(ザ・プレミアムモルツ・マスターズ・ドリーム)
<試飲アイテム>
①「ザ・プレミアム・モルツ」Alc.5.5%、麦芽・ホップ。
②「ザ・プレミアム・モルツ〈香るエール〉」Alc.6.0%、麦芽・ホップ、上面発酵酵母。
③「~ザ・プレミアム・モルツ~ マスターズドリーム」Alc.5.0%、麦芽・ホップ。

②は上面発酵酵母を使用し、比較的高い温度(20度前後)で発酵させることで、フルーティーな香りを引き出しています。
③は”ダイヤモンド麦芽”の魅力を最大限に引き出すために、煮沸工程を3度繰り返す「トリプルデコクション製法」を採用。また、ビールの本場チェコに伝わる伝統的な製法の「銅製循環型ケトル」を導入し、高い熱伝導率を持つ「銅」を使って麦汁を炊くことで、より厚みのある香味を引き出しています。

★帰路
160710 (67)サントリー京都ビール工場_帰路
帰りは、西山天王山駅までの約900mの道のりを歩きました。駅まで1本道なのでわかりやすかったです。

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【見学】アサヒビール吹田工場(大阪・吹田) - コーン・スターチ、回転寿司、スタウト、数々の”初”

アサヒビールの吹田工場を見学しました。予備知識なしで訪れましたが、見どころ満載で大満足のツアーでした。

日時:2016年7月9日(土) 9:30~11:00
場所:アサヒビール吹田工場(大阪府吹田市西の庄町1-45)
内容:見学、試飲(ガイド付き)
料金:無料

★アクセス
160709⓪JR吹田駅 (1)
最寄駅はJR東海道線の吹田駅。大阪駅8:55→吹田駅9:04の京都行・各駅停車に乗りました。運賃は180円です。
160709⓪JR吹田駅 (3)東出口
進行方向いちばん前の出口(東出口)を出て左に進みます。
160709①アサヒビール吹田工場 (94)アクセス
工場は吹田駅に面していますが、入口は敷地の反対側になるので約10分ほど歩きます。
160709①アサヒビール吹田工場 (5)外観
アサヒビールの前身”大阪麦酒会社”は、1889年に大阪市で創業されました。社名ロゴの横には”SINCE1889”と記されています。吹田工場(当時は吹田村醸造所)は1891年に建てられました。

★見学受付
160709①アサヒビール吹田工場 (9)守衛所
工場の入口を入ってすぐのところにある守衛所で、まず見学に来た旨を伝えます。その後、敷地内の遊歩道を歩いてメインの会場へ向かいます。
160709①アサヒビール吹田工場 (13)敷地内遊歩道
左奥に見えるのは、麦芽製造工場の屋上に取り付けられていた”排気筒”。中世騎士の甲冑を思わせる姿で「カブト」と呼ばれていました。風向きに合わせて回転する姿は工場のシンボルだったそうです。
160709①アサヒビール吹田工場 (20)レンガ造り
メイン会場のエントランス前には、竣工当時のレンガ壁面がほぼそのまま移設されています。当時の吹田村醸造所はレンガ組積造[そせきぞう]4層の壮麗な洋風建築で、独・ゲルマニア機械製作所の基本設計に基づき、明治建築界の第一人者・妻木頼黄[つまきよりなか]によって実施設計されました。名建築として長く吹田市民に親しまれてきましたが、平成元年(1989年)にその姿を消してしまいました。
160709①アサヒビール吹田工場 (22)見学受付
メイン会場の見学受付。隣には売店があります。

★映写室
160709①アサヒビール吹田工場 (25)DVD
受付を済ませたら映写室へ。女性ガイドの挨拶の後に、10分程度の会社紹介の映像を観ます。

★工場の歴史
160709①アサヒビール吹田工場 (27)歴史1
続いてスタートホールへ。操業開始当時の写真などが展示されています。右の大きな写真は初出荷の記念に撮影されたもの。真ん中のテーブルを挟んで左側に初代社長の鳥井駒吉氏、右側に初代工場長の生田秀氏が座っています。鳥井氏は大阪・堺の酒造家でしたが、本場ドイツの最新技術を導入した美味しいビールを国内でも造りたいと発起し、1889年に大阪麦酒会社を創業しました。
160709①アサヒビール吹田工場 (28)歴史2
当時の醸造機械・設備。
160709①アサヒビール吹田工場 (37)復元模型_牛馬による出荷
明治25年の吹田村醸造所の復元模型(S-1/70)。牛馬でビールを出荷する様子などが再現されています。
160709①アサヒビール吹田工場 (31)復刻ボトル
発売当時のボトルのレプリカ。ラベルのデザインは”波に昇る朝日”。

★吹田工場について
吹田工場は、アサヒビール(株)のビール類工場8拠点の中で最も歴史が古く、本年で操業125周年を迎えます。2015年の「ビール類」及び「ビールテイスト清涼飲料」の製造量は全国の約21.6%と、茨城工場に次いで2番目に高い構成比をもつ重要な製造拠点となっています。2015年の工場見学者数は、過去最高の15万人を突破したそうです。
160709①アサヒビール吹田工場 (48)ツアーの様子
この回も朝イチのコースにもかかわらず、多くの参加者で賑わっていました。

★ビールの主原料
160709①アサヒビール吹田工場 (41)麦芽
160709①アサヒビール吹田工場 (40)ホップ
ビールの主原料は麦芽、ホップ、水の3つ。恒例の麦芽の試食とホップの香りの確認がありました。

★ビールの副原料(コーンとスターチの違い)
160709①アサヒビール吹田工場 (42)コーン・スターチ
ビールの原材料は通常”麦芽・ホップ・米・コーン・スターチ”というように書かれているので、コーンとスターチが別々なのか、コーン・スターチ(とうもろこしデンプン)で1種なのかがわかりにくいですが、このツアーではコーンとスターチが別であり、役割も異なることがしっかりと説明されていました。

「コーン」:トウモロコシの皮と胚芽を除き粉砕したもの。口当たりをまろやかにします。
「スターチ」:トウモロコシを精製して作ったデンプン。ビールの風味をスッキリとさせます。

★ビールの製造工程(工場見学のしおりより)
①製麦工程:大麦に水と空気を与えて発芽させ、その後乾燥させて成長を止め、脱根[だっこん]して麦芽にします。

②仕込工程:
<1.仕込釜>まずお湯に、麦芽の一部と、米・コーン・スターチなどの副原料を加え煮ます。
<2.仕込槽>残りの麦芽にお湯を加え、さらに仕込釜で煮たものを加えます。【液中のでんぷん質が麦芽糖に変わります】
<3.麦汁ろ過槽>仕込槽でできた麦汁をろ過し、透明な麦汁(あめ湯)にします。発生した粕(モルトフィード)は牛などの飼料に再利用されます。
<4.煮沸釜>麦汁にホップを加えて煮沸します。【ビール特有の芳香と苦味が生まれます】
<5.ワールプール>煮沸で生じたたんぱく質・ホップの粕などを取り除き、透明な麦汁ができあがります。ここまでの仕込工程は約8時間かかるそうです。

③発酵熟成工程:冷やした麦汁にビール酵母を加えて発酵させると、麦汁中の糖分がアルコールと炭酸ガスに分解されて約1週間で「若ビール」ができあがります。若ビールは、さらに低温で数十日間じっくり熟成させて美味しいビールになります。酵母の大きさはおよそ1/100㎜で、コップ一杯のビールに約100億個もの酵母が使われます。酵母にはいろいろな種類があり、ビールのタイプによって使い分けられるそうです。使用済みの酵母はエビオス錠などの医薬部外品や食品のエキス分などに再利用されます。ビールに含まれる炭酸ガスは原則天然のものですが、居酒屋のサーバーは(泡をきめ細かくするため)炭酸ガスを人工的に注入しているとのことでした。
160709①アサヒビール吹田工場 (73)発酵熟成タンク
屋外の発酵熟成タンクは直径7m、高さ23mで5階建てビルとほぼ同じ高さ。1本の容量は500klで、缶ビールだと約140万本分。毎日1本ずつ飲んだとして、タンクを空にするのに約4000年もかかるそうです。この巨大なタンクが工場内に140本もあります。屋外型の発酵熟成タンクは1965年に同社が開発したものが世界初とのこと。

④ろ過工程:熟成したビールをろ過すると、黄金色に輝く生ビールができあがります。ろ過にかかる時間は約30分。ビール酵母がすべて除去され、オレンジジュースのような濁った色から透明なビールになります。
160709①アサヒビール吹田工場 (50)ろ過器
ろ過器の外観。
160709①アサヒビール吹田工場 (52)ろ過器1
キャンドル型ろ過器の内部。ろ過フィルター(=キャンドル?)は600本入っているそうです。
160709①アサヒビール吹田工場 (51)ろ過器2
キャンドル部分の断面図。ろ過フィルターはプラスチックの原料、高炉原料などに再利用されます。

⓹パッケージング工程:できあがったビールは缶・びん・樽などの容器に入れられて出荷されます。生ビールは鮮度が命なので、パッケージングはスピード重視。ビールができるまでに約1カ月(麦汁8時間、発酵1週間、熟成3週間、ろ過30分)かかりますが、容器に詰めて自動出荷されるまではわずか30分程度しかかからないそうです。
160709①アサヒビール吹田工場 (66)缶詰処理能力
350mlの缶が1分間にできる量は、24缶入り×62ケースと6缶パック×2個分。
160709①アサヒビール吹田工場 (64)缶詰のしくみ
缶詰めのしくみ。

★吹田工場は回転寿司の発祥地!?
160709①アサヒビール吹田工場 (63)缶詰機
元禄産業(株)創設者の白石義明氏(1913.11-2001.8)は、アサヒビール吹田工場の見学時に観たベルトコンベアにヒントを得て、世界初の”回転寿司”を思いついたそうです。彼は1958年に、大阪府布施市(現:東大阪市)の近鉄布施駅北口に、世界最初の回転寿司店「廻る元禄寿司 1号店」を開きました。このアイデアは1962年に実用新案登録(登録第579776号)されたため、1978年まで世の中に回転寿司店は「元禄寿司」チェーンしか存在しませんでした。多数の注文を低コストで効率的に捌くことを可能にした「コンベヤ旋廻食事台」は、高級の代名詞であった寿司を手軽な大衆食にしました。

★空缶ができるまで(協力:昭和アルミニウム缶(株))
160709①アサヒビール吹田工場 (67)空缶の製造工程
<空缶の出来上がるまで>
上段:カップ成形→缶体成形①・②・③・④→縁取り成形
下段:外面印刷→ネック加工①・②・③・④→フランジ成形(完成)
160709①アサヒビール吹田工場 (68)タブ
<缶ふたの出来上がるまで(206スーパーエンド)>
シェル成形→シール材塗布→リベット成形→スコア成形→パネル成形→(別ルートでタブ成形→)かしめ成形→点字の刻印(完成)
・シール:ビールの漏れ防止を補助するもの
・リベット:ふたとタブを止めるもの
・スコア:飲み口を開けやすくする為のみぞ
・タブ:ふたの飲み口を開けるところ

★輸出用の750ml缶
160709①アサヒビール吹田工場 (70)輸出用750ml缶
韓国輸出用のアサヒスーパードライ750ml缶。国内では現在、このサイズは販売されていないそうです。

★8065函の”函”って?(電光掲示板の表示)
160709①アサヒビール吹田工場 (71)函
函[音:カン、訓:はこ]は”ハコ”という入れ物の一形態のようです(参考:「美術売買 骨董・コンテンポラリーを中心に」さまのブログ記事)。ビール酒造組合の市場動向レポートでは、課税移出(引取)数量を”函数”で表しており、大瓶換算1函=12.66リットルで算出と書かれていました。
アサヒビールHPのQ&Aには「缶ビールの函の中に、中味が少ない缶が入っていました。どうして?」という質問もありました(回答は「落下してしまったり、強い衝撃が一ヶ所に集中してしまった場合など、まれに小さな孔(ピンホール)があいて、中味が漏れだしてしまうことがある」ため)。函と缶の音読みが共に”カン”なのでまぎらわしいようです。50缶で発注したつもりが50函届いたというような間違えもあったのかなとふと思いました。

★ビールの品質検査(品質管理室)
160709①アサヒビール吹田工場 (60)品質管理室
ビールの品質チェックは(機械による検査に加えて、)”パネリスト”と呼ばれる検査員による官能検査も行われます。検査対象は当日できあがったビールだけでなく、一定期間保存したもの、半製品(麦汁など)、原料、仕込水、他工場でつくったビールにまで及びます。検査では実際に試飲をして、味・香り・泡立ち・色・のどごしなどをチェックします。また、商品コンセプトとの適合性なども審査されます。

★世界のビール(ワールドビアコレクション展示コーナー)
160709①アサヒビール吹田工場 (80)世界のビール
工場見学を終えて長いエスカレーターを降りると、世界のビールの容器が展示されているスペースがあります。さまざまなデザインのものが揃っていて、ここだけ見ていても半日はつぶせそうでした。

★試飲
160709①アサヒビール吹田工場 (24)試飲会場
最後に試飲会場(ゲストホール)へ。受付時に配られた番号の席につき、メニューの説明などを受けた後に試飲が始まります。時間は20分、1人あたりタンブラー3杯まで試飲できます。1杯目の銘柄は決まっていますが、2杯目以降は参加者の好きなものを好きな順番に選べます。
160709①アサヒビール吹田工場 (83)スーパドライ・エクストラコールド
1杯目は「アサヒスーパードライ・エクストラコールド」。最先端の温度管理システムと専用サーバーを使い、氷点下(-2℃~0℃)で提供されます。この日の提供温度はマイナス1.9℃(他のビールは約5℃)でした。
160709①アサヒビール吹田工場 (88)ドライプレミアム豊穣
2杯目は「アサヒドライプレミアム豊醸[ほうじょう]」。アルコール度数は高めの6.5%。ホップはチェコザーツ産の最高級ファインアロマホップや稀少アマリロホップなど複数種をブレンド。麦汁の煮沸前後の2回に渡ってホップを投入する”レイトホッピング製法”を採用しています。モデルは柴咲コウさん。
160709①アサヒビール吹田工場 (90)ドライブラックと関西仕立て
3杯目は「アサヒスーパードライ・ドライブラック」。氷点ろ過製法で辛口に仕上げた黒ビールです。隣の小さいカップは「クリアアサヒ・関西仕立て」の試供品。
160709①アサヒビール吹田工場 (87)クリアアサヒ関西仕立て
「クリアアサヒ・関西仕立て」は本年6月21日より関西エリア限定(大阪府、京都府、兵庫県、滋賀県、奈良県、和歌山県)で発売されている新商品。関西の食卓を代表する「たこやき」や「お好み焼き」などソースを用いた料理と調和する”ふくらみのある、まろやかな味わい”を追求した商品です。同社の全国展開「ビール類」ブランドで、エリア限定商品を発売するのは初めてのこと。
品目:リキュール(発泡性)①、原材料:発泡酒(麦芽、ホップ、大麦、コーン、スターチ)スピリッツ(大麦)、アルコール分:6%。

★竹鶴政孝パネル展
160709①アサヒビール吹田工場 (89)竹鶴政孝パネル展
試飲会場の近くには、マッサンでおなじみのニッカウヰスキー創業者・竹鶴政孝氏のパネル展のコーナーがありました。同社は2001年(平成13年)に、アサヒビール(株)の完全子会社となっています。

★アサヒ・スタウト
160709①アサヒビール吹田工場 (93)アサヒスタウト1
イギリスタイプの上面発酵濃色ビール。アルコール分は8%とビールにしてはかなり高め。原材料は麦芽、ホップ、糖類。吹田工場限定販売と聞いたので利き酒用に購入しました。334mlで税込267円です。アサヒスタウトはおみやげの人気ランキング第2位。1位はなだ万のクリームチーズおかきでした。
160709①アサヒビール吹田工場 (93)アサヒスタウト2
ドライプルーンのような濃縮された甘さと心地よい酸味があり、重厚で骨格のある味わい。同じ黒い色合いのビールでも、シャープな印象のドライブラックとは全く異なる香味が楽しめました。黒い色のビールはなんでも「黒ビール」と表現したくなりますが、厳密には、下面発酵が「黒ビール」で上面発酵は「スタウト」(だったはず...)です。

★アサヒビールの”初”
・1891年、日本人の手による初めての近代的ビール工場(吹田村醸造所)が完成。
・1893年、国内で初めてビール瓶を自社生産(北区の西堀河町(現・西天満)に製びん所を開設)。
・1958年、日本初の缶入りビール(スチール缶)を発売。当時は飲み口を缶切で開けていました。
・1965年、世界初の屋外発酵熟成タンクを開発。均質なビールの大量生産が可能に。
・1971年、日本初のアルミ缶入りビールを発売。
・1987年、世界初の辛口生ビール「アサヒスーパードライ」発売。

★感想など
ネタが豊富で展示物も充実しており、とても見応えのある工場見学でした。ガイドの説明もとてもわかりやすかったです。
レギュラー商品の750ml缶とアサヒスタウトの缶入りを導入して全国展開してくれないかなぁ...

この後は四大杜氏のひとつ・丹波杜氏の資料館を目指して篠山に向かいました。

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【見学】松尾大社の「亀の井」 - この水を混ぜると酒が腐らない!? 日本第一酒造之神の神泉

酒造の神様として有名な京都の松尾大社を訪れました。”まつおたいしゃ”と呼ばれがちですが、正式名称は”まつのおたいしゃ”です。境内にある神泉「亀の井」の水を混ぜると酒が腐らないと言われており、今も多くの醸造家が訪れているそうです。

日時:2016年7月8日(金) 17:15頃~
場所:松尾大社の「亀の井」(京都府京都市西京区嵐山宮町3)
内容:自由見学
料金:無料

★アクセス
160708 (261)松尾大社駅
最寄駅は阪急電鉄・嵐山線の松尾大社駅。この日は堀野記念館を訪れた後に阪急電鉄の烏丸駅から向いました(烏丸駅17:00→松尾大社駅17:14、桂駅で乗り換え、220円)。大阪駅までの帰路は、松尾大社駅17:56→梅田駅18:44でした(桂駅で快速急行に乗り換え、400円)。
160708 (262)松尾大社駅
神社の正式名称は”まつのお-”ですが、駅名は”まつお-”です。

★境内図(抜粋)
160708 (268)松尾大社_境内図
亀の井は本殿の右奥にあります。駅前の交差点を渡ってすぐのところに大きな鳥居がありますが、亀の井までは300mほど歩きます。

★駅から本殿まで
160708 (263)松尾大社_駅前の大鳥居
松尾大社駅の改札口を出て左に進むと大きな鳥居が見えます。
160708 (264)松尾大社_案内板1
鳥居の近くにある説明書き。”醸造祖神”と”神泉・亀の井”の表記とともに、亀と盃を描いたかわいいイラストがありました。
160708 (265)松尾大社_大鳥居拡大
厳かな気分になります。
160708 (266)松尾大社_参道
さらに参道を進んでいくと、もう一つの鳥居が見えてきます。
160712 (27)松尾大社_日本第一酒造之神
「松尾社 日本第一酒造之神」と刻まれた碑。
160708 (270)松尾大社_お酒の資料館
2つめの鳥居をくぐると、左側に「お酒の資料館」の看板が!しかし、16時で閉館だったため、この日は見学できませんでした...(7/12にリベンジで再訪しました。)
160708 (269)松尾大社_楼門
高さ約11メートルの立派な楼門[ろうもん]は、寛文7年(1667年)に棟上げされたもの。社寺建築における楼門とは、2階建の門で、初層と上層の間に屋根の出を造らないものを指すそうです。楼門をくぐるとようやく本殿です。

★松尾大社の本殿
160708 (274)松尾大社_本殿
重要文化財の本殿。松尾造(両流造[りょうながれづくり])と呼ばれる珍しい建築で、天文11年(1542年)に改築されたものです。701年に社殿が建てられるまでは、背後の松尾山(標高223メートル)に残る磐座[いわくら]での祭祀が行われていました(松尾山の7つの谷のひとつ、大杉谷の頂上近くの斜面にある巨大な岩石)。磐座とは、古神道における岩に対する信仰または信仰の対象となる岩そのものを指します。
160708 (305)松尾大社_本殿と松尾山
境内には背後の松尾山も含まれるため、その広さは約12万坪に及びます。
160708 (273)松尾大社_案内板2
松尾大社には大山咋神[おおやまぐいのかみ]と中津島姫命[なかつしまひめのみこと](別名、市杵島姫命[いちきしまひめのみこと])の2柱が祭られています。平安京遷都後は王城鎮護の神として、中世以降は酒造の神として人々の信仰を集めています。

★神泉・亀の井
160708 (309)松尾大社_本殿右奥
160712 (92)松尾大社_亀の井標識
本殿の右端の廊下の下をくぐり、右側前方に進んだところに亀の井があります。近くに有料の庭園がありますが、亀の井に拝観料などはかかりません。
160708 (281)松尾大社_亀の井全景
160708 (298)松尾大社_神泉
160708 (283)松尾大社_亀の井
松尾山からの湧き水をたたえる「亀の井」。この水を混ぜると酒が腐敗しないといわれており、醸造家が水を持ち帰って混ぜるという風習が現在も残っているそうです。松尾大社が酒の神として信仰されるのはこの亀の井に由来し、全国に創立された松尾神の分社は1,280社にも及ぶそうです。(すべての酒蔵が松尾様をまつっていると思い込んでいましたが、そうではないようです。例えば奈良県のある酒蔵では、酒林(杉玉)の由来で有名な大神神社[おおみわ-]の神様ががまつられていました。)
160708 (301)松尾大社_亀の井の亀
160708 (300)松尾大社_亀の井アップ
「亀の井」の名称は、松尾大社の神使(しんし。神道における神の使者)が亀であることに由来するとされています。神社文書によれば、松尾神は大堰川[おおいがわ]を遡り丹波地方を開拓するにあたって、”急流では鯉に、緩流では亀に乗った”といわれ、この伝承により鯉と亀が神使とされたそうです。

大堰川:京都府中部を流れる川で、淀川水系の一部。丹波山地の東部付近に源を発し,西流したのち南東へ転じて亀岡盆地を貫流し、亀岡盆地の出口から下流は”保津川”となり,さらに嵐山からは”桂川”となります。全長83km。

160712 (90)松尾大社_なで亀
本殿の正面左側にある”幸運の撫で亀”。

★取水に際しての注意事項
160708 (284)松尾大社_亀の井・取水の注意書き
亀の井に”ろ過用のキャップ”を取り付けることを禁止する注意書き。他の人の待ち時間が長くなることを避けるため、ろ過は帰ってから行うよう促しています。この日は周りに自分しかいませんでしたが、取水のために行列ができることもあるようです(酒造がはじまる時期?)。

★石碑
160708 (282)松尾大社_亀の井・石碑
亀の井のそばにある石碑。京都クルーズ・ブログさまの記事によると、この石碑は平成になってから建てられたもので、碑文は京都府立大学名誉教授の桂樟蹊子[かつら-しょうけいし](1909~1993)さんのものらしいとのこと。
160708 (302)松尾大社_亀の井・石碑(拡大)
碑文には「うま酒の神の韻ある初泉」と記されているそうです。

★霊亀の滝と天狗岩
160708 (293)松尾大社_霊亀の滝
社務所の裏を流れる渓流”御手洗川”には「霊亀の滝」がかかっています。本殿右端の廊下の下をくぐり、左側(亀の井は右側)に少し進んだところにあります。
160712 (93)松尾大社_天狗岩
滝のそばに天狗の顔の形をした岩肌があるそうですが、肉眼では確認できませんでした...

★酒神としての信仰
松尾神を酒神とする信仰の起源は明らかでなく、松尾大社側の由緒では渡来系氏族の秦氏[はたうじ]が酒造技術に優れたことに由来するとし、『日本書紀』雄略天皇紀に見える「秦酒公」との関連が指摘されています。しかし、酒神とする確実な史料は中世後期頃の狂言「福の神」(後述)まで下るため、実際の神格形成を中世以降とする説もあります。それ以降は貞享元年(1684年)の『雍州府志[ようしゅうふし]』や、井原西鶴の『西鶴織留[さいかくおりどめ]』に関連する記述が見られるそうです。
160712 (83)松尾大社_神輿庫
神輿庫[しんよこ]に積み上げられた、奉納の菰樽[こもだる]の山。神社のスタッフに何か意味があるのか質問したら、だたの飾りとの回答でした。それでも、酒造の神としての信仰の篤さが伺えます。
160708 (276)松尾大社_菰樽1
菰樽とは菰を巻いた酒樽で、もとは運搬時の樽の破損を防ぐために菰が巻かれていました。後に、菰に美麗な絵などが描かれるようになり、祝宴での鏡抜きに使うことが増えたそうです。 菰はマコモ(イネ科の多年草)を粗く編んだむしろですが、現在ではわらを用いることが多いそうです。
160708 (277)松尾大社_菰樽2
阪神タイガースの絵柄も。
160708 (278)松尾大社_菰樽3
160708 (308)松尾大社_菰樽4
160708 (307)松尾大社_菰樽5
酒銘とデザインを眺めているだけで時が過ぎるのを忘れてしまいます。


★狂言「福の神」
狂言「福の神」によると、松尾神は「神々の酒奉行である」とされ、現在も神事にこの狂言が奉納されているそうです。
以下、文化デジタルライブラリーさまHPからの引用です。

<あらすじ>
2人の男が、福の神の社に年越しのお参りにやってきて、参拝を済ませて豆をまきはじめると、笑い声がして福の神が現れます。福の神は自分から名乗ると神酒(みき)を催促し、酒奉行である松の尾の大明神に神酒を捧げてから自分も飲み干します。そして、豊かになるには元手がいると2人に話します。2人が、元手がないからここに来たと反論すると、福の神は「元手とは金銀や米などではなく、心持ちのことだ」とさとします。さらに、早起き、慈悲、人付き合いを大切にすること、夫婦仲よくすることを説くとともに、わたしのような福の神に美味しい神酒をたくさん捧げれば楽しくなること間違いないと言って、謡い舞い、朗らかに笑って帰っていきます。

<詞章:福の神が神酒(みき)を催促する場面より>
福の神「汝らは、毎年毎年、奇特に歩みをはこぶなあ」
参詣人甲乙「ハアー」
福の神「イヤ、いつも福の神へ神酒をくるるが、きょうはなぜにくれぬ」
参詣人甲「はったと失念致しましてござる」
参詣人乙「急いであげさせられい」
参詣人甲「心得ました。ハ、神酒でござる」
福の神「これへつげ」
参詣人甲「畏(かしこ)まってござる」
福の神「オオ、ちょうどある」
参詣人甲「なみなみとござる」

★感想など
酒蔵見学にいくとまず見かける松尾様の神棚。ずっと気になっていましたが、ようやくその聖地を訪れることができました(漫画「夏子の酒」でも度々、松尾様を拝む場面が描かれています)。神頼みが切り離せないほど、日本酒造りは腐造とのたたかいであったことが伺え、造り手の苦労とそれを乗り越えてきた情熱にあらためて敬意を感じました。このような経験は酒の美味さをどこまでも高めてくれるので、本当に来てよかった...酒は古来、神事との関係も深かったようなので、そちらも少しずつ学んでいきたいと思います(酒は奥が深いどころか、森羅万象に接点があるような...)。

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【見学】京都町家麦酒醸造所(京都・中京区) - 京都御所の近くの名水で醸す地ビール

京都御所の近くにある地ビールの醸造所を訪ねました。この醸造所では清酒「キンシ正宗」の創業地に湧く名水を仕込み水として使用しています。少人数での見学は通常不可ですが、この日は他の団体客のツアーに混ぜてもらえました。

日時:2016年7月8日(金) 15:40頃~
場所:京都町家麦酒醸造所(京都市中京区堺町通二条上ル亀屋町173)
内容:見学、試飲(ガイド付き)
料金:300円(キンシ正宗・堀野記念館の入館料)

★アクセス
160708 (199)三条大橋
最寄駅の丸太町駅(京都市営地下鉄・烏丸線)から醸造所までは約700m。地下鉄東西線の烏丸御池駅(烏丸線も停車)、京都市役所駅からは各800m、900mです。この日は京阪電鉄の三条駅から約1.5kmの道のりを歩きました。写真は三条大橋からの鴨川の眺め。

★外観
160708 京都町家麦酒醸造所 (0)_外観
京都町家麦酒醸造所の外観。清酒「キンシ正宗」の創業地にある堀野記念館と同じ敷地内です。地ビールの製造はキンシ正宗(株)のグループ会社のマツヤ(株)が行っています。

★名水・桃の井
160708堀野記念館(29)桃の井
堀野記念館にある”桃の井”の井戸。京の名水“染井の水”と同じ水脈に属しており、キンシ正宗が創業した天明元年(1781年)より酒造に適した水を供給し続けています(清酒の酒造拠点は明治13年(1880年)に伏見に移転しています)。水温は年間を通じて16℃、水量は毎時3トン。若い板前さんらしき人がお店で使う水をポリタンクに汲みにきていました。

★工場見学
160708 京都町家麦酒醸造所 (2)麦汁ろ過槽・煮沸釜
衛生管理のため入室前に靴にカバーをかけ、ヘッドキャップをかぶります。こじんまりとした工場なので一度に入れるのは10人程度。器具と器具の間の通路に入り込んでガイドさんの説明を聞きました。案内してくれたのは女性の造り手のMさん。ビール造りは2人で行っているそうです。
160708 京都町家麦酒醸造所 (01)屋内
建物上部の小窓は特に使われていないそうです。

★ビールの製造工程
①仕込み:
160708 京都町家麦酒醸造所 (1)仕込釜
仕込釜。麦芽と水(桃の井の井戸水)を入れて煮込み、麦芽の糖化力ででんぷん質を糖分に変えます。この工程で甘い麦汁ができます。

②麦汁濾過:
160708 京都町家麦酒醸造所 (2)麦汁ろ過槽
麦汁濾過槽。仕込釜でできた麦汁から麦芽粕を取り除き、純粋な麦汁を抽出します。

③煮沸:
160708 京都町家麦酒醸造所 (3)煮沸釜
煮沸釜。麦汁にビールの苦味と芳香を決定づけるホップを加えて煮沸、殺菌します。ホップの香りを強く引き出すIPAというタイプの場合、アロマホップを最後の方に入れることで香りが飛ばないようにしているそうです。

④濾過:
160708 京都町家麦酒醸造所 (4)ワールプール
ワールプール。煮沸によって発生したたんぱく質やホップ粕などを遠心分離の力でタンクの真ん中に集めて取り除きます。

⑤冷却:加熱によって無菌状態になった麦汁(約90度)を冷却機に通し、熱を取り除きます。

⑥発酵:
160708 京都町家麦酒醸造所 (5)醗酵槽
四角い縦長の発酵タンク×3基。
160708 京都町家麦酒醸造所 (5)醗酵槽下部
発酵タンクに移した麦汁に酵母を加えて主発酵を行います。酵母は麦汁に含まれる糖分をアルコールと炭酸ガスに分解し、約1週間で若ビール(日本酒だとどぶろくという説明)と呼ばれるものができあがります。発酵温度はおよそ20度。酵母はレギュラー商品4銘柄すべてに同じものを使用しているそうですが、その時々によりできあがるビールの香味は異なるそうです。

⑦熟成:完成したビールを別のタンク(カーボネーション・タンク?)に移し、約1℃の低温で1週間ほど熟成させます。この時に、ガスの量が足りなければ注入し、多ければ抜きます。炭酸ガスは酵母が生成するものに加えて、人工的にも注入しているそうです(安全管理などのため。大手ビール会社に以前確認した際は概ね天然の炭酸ガスだけを利用しているとの回答でした)。アルコール発酵の役割を終えた酵母はタンクの下にしずむため、濁りがとれてきれいなビールになります。同社のビールは熱処理もフィルター濾過も行わないため、酵母が入った状態で瓶詰・出荷されます。

こうして約2週間かけて同社のビールが完成します。

1回の仕込量は約1,000kl(330ml瓶で約3,000本分)で、年間で50,000kl(50仕込み)くらい行うそうです。新商品を開発する際の”お試し”仕込みは最低500ℓ以上。つまり、それ以上のロットなら顧客が希望するオリジナル・ビールを造ることも検討できるようです。

★試飲
工場見学の後は、堀野記念館に戻って試飲をさせて頂きました。
160708 京都町家麦酒醸造所_試飲 (1)
左はケルシュ・タイプの『町家・かるおす』、右がアルト・タイプの『花街・まったり』。ともに上面発酵(エール)型。
160708 京都町家麦酒醸造所_試飲 (2)
”かるおす”はフルーティーな香りと心地よい酸味、”まったり”は濃厚なコクが楽しめました。

★同社の主要銘柄
①ケルシュ(爽やかタイプ):『京都町家麦酒“かるおす”』、Alc.5%、IBU25。京都弁では“かるおす”と称されるような軽い飲み口のスッキリタイプ。
②アルト(コクのあるタイプ):『京都花街麦酒“まったり”』、Alc.5%、IBU33。香ばしいカラメル麦芽をふんだんに使ったほろ苦い味わい。
③黒ビール(上面発酵だからスタウト?):『京都平安麦酒“くろおす”』、Alc.5%。ロースト麦芽の苦味と香ばしさを存分に楽しめるビール通のためのビール。
④京都はんなりIPA(苦味の強いタイプ)【季節限定麦酒】: Alc.6%、IBU64。ホップを通常の1.5倍使用。フルーツのようなホップ香が楽しめる柔らかなIPA。使用ホップはケントゴールディングス・ナゲット・カスケード。

ホップの主な種類と特徴は、”ベルギービール博物館”さまのHPにわかりやすくまとめられています。

IBU(International Bitterness Units)はビールの苦味の程度を測る”国際苦味単位”。ビールの苦味成分の中でもっとも苦くかつ量の多いホップ由来のイソフムロンの割合(ppm単位)として定義されます。麦芽(モルト)を多く使用しているビールでは苦味の効果はあまり目立たないので、重いビールでは、風味とのバランスを取るために、高いIBUの値が必要となります。軽いアメリカン・ラガーのIBUはおおよそ5以下、バーレーワインでは100を超えることもあります。

★感想など
京都の老舗酒蔵の創業地に湧く名水で醸すクラフト・ビールは、とても贅沢な”京都の地ビール”だと思いました。
前日の電話照会にも関わらず親切に対応してくださったスタッフの皆さまに感謝しながら、またこのビールを愉しみたいと思います。

醸造所見学の後は、阪急京都線の烏丸駅まで歩き(約1.5km)、お酒の神様・松尾大社へ向かいました。

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テーマ : ビール工場見学
ジャンル : グルメ

キザクラカッパカントリー・黄桜記念館 - 京都・伏見に湧く名水「伏水」と京都で最初の地ビール

伏見[ふしみ]の地名の由来を冠した名水・伏水[ふしみず]の井戸がある黄桜記念館を訪ねました。「灘の男酒、伏見の女酒」という有名な言葉は、仕込水の水質が”灘は硬水、伏見は軟水(中硬水?)”という違いに由来します。黄桜ではこの伏水を使い、京都初の地ビールも手掛けています。

日 時:2016年7月8日(金) 11:45頃~
場 所:黄桜記念館・キザクラカッパカントリー(京都市伏見区塩屋町228番地)
内 容:自由見学(無料)、有料試飲
最寄駅:京阪本線・伏見桃山駅(約500m)

★アクセス
160708 (6)京阪電鉄中書島駅
この日は大阪市内から京都の伏見まで京阪特急を利用しました(淀屋橋駅9:00→中書島[ちゅうしょじま]駅9:37、運賃390円)。駅を出て、濠川[ほりかわ]の川辺を散策し、月桂冠大倉記念館を見学してから徒歩で向かいました。黄桜記念館から中書島駅までは約600m、月桂冠大倉記念館までは約350mです。

★キザクラカッパカントリー
160708 (101)キザクラカッパカントリー
160708 (109)黄桜_外観遠景
キザクラカッパカントリーは黄桜本社の近くにある直営の複合施設です。
黄桜記念館は、この道路を挟んで南側と北側に2棟あります。記念館の他には、南側に黄桜清酒工房と㈲東山酒造(共に見学不可)、北側に地ビールの麦酒工房(一部見学可)、黄桜商店(売店)、黄桜酒場(地ビールレストラン)、黄桜広場があります。
160708 (102)黄桜_外観
㈲東山酒造は黄桜の関連会社で、杜氏は南部杜氏の保坂康夫氏がつとめています。代表銘柄には、鳥取県・田中農場の”特別栽培米・山田錦”のみを使用した「坤滴[こんてき]」や、京都産の酒米”祝”を使った「魯山人」などがあります。

★伏見の名水、「伏水」
160708 (124)黄桜記念館(南側)入口
伏水は黄桜記念館の南棟の敷地内にあります。
160708 (113)黄桜記念館_黄桜記念館_伏見の名水・伏水アップ
黄桜の敷地にある井戸からは、桃山丘陵地帯を流れる良質な地下水がこんこんと湧き出しています。伏見はかつて「伏水」と呼ばれるほど地下水の豊富な土地であったことから、この井戸もそう命名されました。この伏水で仕込んだ酒は、”きめの細かいまろやかな口当たりと、淡麗な風味”になるそうです。井戸の深さは約60mで、ナトリウム・カルシウム・マグネシウムなどのミネラル分を適度に含んでいます。
160708 (112)黄桜記念館_伏見の名水・伏水
伏見の町を開いた豊臣秀吉は、伏見城内に「金名水」、「銀名水」と呼ばれる井戸を掘り、茶会を催していたそうです。
160708 (141)黄桜記念館_伏見の名水・伏水(取水風景)
近所の方たちが水を汲みに来ていました。長年伏見に住んでいるというシニアの女性は、「洗濯と洗い物以外はこの水(伏水)を利用している」と話していました。伏水で作る料理の味は、水道水を使ったものとは全く異なるそうです。名水を生活用水として使えることは贅沢だなぁと思いました。
160708 (142)黄桜記念館_伏見の名水・伏水(取水の注意)
取水量の上限はありませんが、1度に汲めるのは1.0ℓまで。それ以上汲みたい時は、列に並びなおす必要があります。この日も数名の方が順番待ちをされていました。ここ数日はなぜか水の出る勢いが弱くなっていると話していました。
160708 (107)黄桜_伏水ペットボトル
売店では伏水のペットボトル(500mlで税込140円)も販売していました。
100mlあたりの栄養成分は、
・エネルギー・タンパク質・脂質・炭水化物=0
・ナトリウム=2.5㎎(食塩相当量0.0064g)
・カルシウム=1.6㎎
・マグネシウム=0.55㎎
・カリウム=0.38㎎
硬度は61㎎/ℓで、pHは6.4です。

★黄桜記念館(南棟)の展示コーナー
伏水の他にも、記念館にはみどころがあります。
160708 (120)黄桜_映像コーナー
現在の酒造工程を紹介する映像コーナー。
160708 (119)黄桜_昔の酒造りのジオラマ劇場
昔の酒造りのジオラマ劇場。
160708 (121)黄桜_洗米のようす
ジオラマ劇場の”洗米”のようす。
160708 (111)黄桜記念館_昔の酒造道具
昔の酒造道具。
160708 (116)黄桜記念館_建造物
中庭。
160708 (115)黄桜記念館_建造物
この建造物は何だろう...
160708 (118)黄桜記念館_中庭入口
中庭を抜けて南側に進むと、観光バス駐車場への出入口があります。黄桜の菰樽が良い雰囲気を醸し出しています。
160708 (117)黄桜記念館_中庭
駐車場からの酒造場の眺め。

★黄桜記念館の北棟
160708 (108)黄桜記念館(北側)
続いて、記念館の北棟へ...
160708 (125)黄桜記念館(北側)ギャラリー
入口を入ってすぐ正面にギャラリーがあり、昭和30年代からのCF(Commercial Film)ライブラリーや、おなじみのキャラクター”カッパ”の原画が楽しめます。河童を描く漫画家は長らく清水崑[しみずこん]氏がつとめていましたが、彼が亡くなった1974年からは小島功氏が担当しています。ちなみに、「河童の歌」の冒頭にあるシャックリは、歌詞の一部だそうです(シャックリを歌詞と思っていない人が多いとか)。
160708 (129)黄桜記念館(北側)河童資料館
ギャラリーの右手にある”かっぱ淵”をくぐった先には、「河童資料館」があります。河童の起源や歴史、各地の伝承などを展示した日本有数の河童の資料館だそうです。

★有料試飲(黄桜商店のショット売りコーナー)
160708 (104)黄桜カッパカントリー_有料試飲
売店では、1ショット100円(60ml、税込)で利き酒が楽しめます。
左:「吟醸生酒」精米歩合55%、Alc.16%
右:「涼の樽酒 純米吟醸」国産米100%使用、精米歩合60%、Alc.15%

★京都で最初の地ビール「京都麦酒」と黄桜酒場
160708 (132)黄桜酒場_黄桜吟醸庵
黄桜は1995年に京都で最初の地ビール「京都麦酒」を発売しました。仕込水はもちろん”伏水”。地ビールレストラン・黄桜酒場の奥にあるカウンター越しに、麦酒工房の一部を見学できます。
160708 (133)黄桜_麦酒工房
160708 (135)黄桜_麦酒工房
カウンターからの眺め。

160708 (138)黄桜麦酒の製造工程
お店の通路には、麦酒の製造工程のパネルもありました。
「黄桜麦酒(酒蔵仕込)のできるまで」
①仕込槽:砕かれた麦芽は伏水と混ぜ合わされ、麦芽中のでんぷん質が糖分へ変わっていきます。
②ろ過槽:たっぷりと糖分を含んだ麦汁がゆっくりとろ過されます。
③煮沸釜(仕込釜):煮沸によってタンパク質を凝固。添加されたホップによりビール独特の香りと苦味が生まれます。
④ワールプール(固液分離槽):凝固タンパク質の分離が行われます。
⑤プレートクーラー:透明な麦汁は、所定の温度に冷却されます。
⑥発酵タンク:冷却された麦汁に無菌の空気と酵母を加え、発酵が始まります。糖分がアルコールと炭酸ガスに分離され、「若ビール」ができあがります。
⑦貯酒タンク:若ビールは約0℃の低温で熟成され、2週間程度の貯蔵期間に入り、まろやかな味わいになっていきます。
⑧珪藻土ろ過:熟成の終わったビールをろ過。酵母を取り除き、透き通った美味しいビールができあがります。
⑨ろ過受タンク(サービスタンク)
⑩樽詰め

160708 (136)黄桜酒場_京都麦酒アルト
アルトの一口グラス(税別390円/230ml。グラスは450円/275ml、ジョッキは620円/425ml)。主要3銘柄の飲み比べセット(630円)もありました。
・「アルト」Alc.5%、麦芽・カラメル麦芽・ホップ。焙煎した麦芽の香ばしさ。
・「ケルシュ」Alc.5%、麦芽・ホップ。華やかな香り、味わいはさっぱり。
・「蔵のかほり」Alc.4%、麦芽・ホップ。清酒酵母使用。

160708 (139)黄桜酒場_地ビールカレー黒板メニュー
メニューのカッパのイラストがツボだったので...
160708 (137)黄桜酒場_地ビールカレー
地ビールカレー(税別670円)も注文しました。

★幻の小麦を使ったビール「ナイル物語」
黄桜では、早稲田大学のエジプト考古学と京都大学の植物遺伝学の協力を得て、オリジナル・ビールも造っています。
・「ホワイト・ナイル」:紀元前8000年頃以降、古代エジプトで栽培されるようになった”エンマー小麦”をよみがえらせて、麦芽と共に使用。Alc.5%。
・「ブルー・ナイル」:紀元前1000年頃、古代エジプトで栽培されるようになった”デュラム小麦”(エンマー小麦の近縁種)と麦芽を主原料に、ゆずとコリアンダーを副原料として使用。Alc.5%。
・「ルビー・ナイル」:1920年代まで栽培され、その後忘れられた謎の小麦 ”ピラミダーレ”をよみがえらせて、麦芽・カラメル麦芽と共に使用。赤銅色。Alc.7%。

この飲み比べセット(690円)を利くべきだった...

★黄桜の社名の由来
創業者の松本治六郎[まつもと・じろくろう]氏が”黄桜の花”を好んだことに由来します。黄桜は、「鬱金桜」と呼ばれるサトザクラの一種で、淡く緑色がかった白い花を咲かせます。春の黄桜広場では、満開に咲き誇る黄桜が楽しめるそうです。

★黄桜の沿革
1925年(大正14年)、伏見の蔵元・澤屋(現:松本酒造)の分家として創業
1951年(昭和26年)、法人化して、株式会社松本冶六郎商店を設立
1964年(昭和39年)、社名を黄桜酒造株式会社に変更
2006年(平成18年)、10月1日、現在の社名・黄桜株式会社に変更

この後は、黄桜の本家、松本酒造を訪ねました。

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プロフィール

Nomura Seiji

Author:Nomura Seiji
・お酒と薬膳理論の入門講座、飲酒教育
 nomuras.jimdo.com
・JSAワイン検定講師
・JSAワインエキスパート
・1971年生
・東京在住

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