FC2ブログ

【見学】シャトーカミヤ(茨城・牛久)

小雨が降る中、シャトーカミヤ(牛久シャトー)を訪問。
『大正浪漫とお酒』の講座を依頼されたので、ネタを仕入れに来ました。

シャトーカミヤは浅草の神谷バーで有名な神谷傳兵衛[かみや・でんべえ]氏が1903年に開いた醸造所です。

シャトーカミヤミュージアム
お目当てのひとつ、敷地内の「オエノンミュージアム」(入館無料)。
昔の広告や酒器類など貴重な資料が展示されている資料館です。

印象的だったのは、大正時代のワインパーティーの写真。手前の席の立派なヒゲをたくわえた男性は、「板垣死すとも自由は死せず」の言葉で有名な政治家の板垣退助氏。神谷傳兵衛氏の交流の広さがうかがえました。

シャトーカミヤ本館修復中
このパーティーが開かれた”レンガ造りの本館”はシャトーの見所のひとつですが、東日本大震災の影響で修復中でした。一面を工事用のシートで覆われていて痛々しい姿でした...

150309 (46)シャトーカミヤのブドウ畑
150309 (48)シャトーカミヤのブドウ畑
敷地内のブドウ畑。


150309 (49)シャトーカミヤ_ビール醸造所
シャトーカミヤでは地ビールも造っています。
園内の「ラ・テラス・ドゥ・オエノン」で2種のビールをテイスティングしました。

シャトーカミヤ櫻酵母ビール
1杯めは、桜の葉から採った酵母で醸した『桜酵母ビール』(450円)。
白桃のようなフルーティーな香りが、かなり好みでした。

シャトーカミヤチョコレートスタウト
2杯目は、チョコレート麦芽を使った『チョコレート・スタウト』(450円)。
濃厚なコクが楽しめました。

シャトーカミヤ川エビ
おつまみは、『カリット川海老』(300円)。
香ばしくて、程よい油分と塩味がビールにピッタリ(^^)


150309 (36)シャトーカミヤ_ハチブドー酒 - コピー
最後にショップで講座用に『ハチブドー酒』を購入しました。
同じ甘味葡萄酒でも、サントリーの『赤玉』とは違った香味で、比較テイスティングすると面白そうでした。


【メモ】オエノンの商号について
すべてのものをお酒に変える力を持つという伝説の女神、「オエノ」に由来。


[Link]Indexページに戻る
[Link]Nomura Seijiの公式HP
[Link]ご意見・お問い合わせはこちらから
スポンサーサイト



テーマ : ワイナリー見学
ジャンル : グルメ

【見学】浦霞の蔵元・佐浦(宮城県・塩釜) - ”うらがすみ”ではなく”うらかすみ”。きょうかい12号酵母のふるさと。

「浦霞」の蔵元、佐浦[さうら]を見学しました。「きょうかい12号酵母」のふるさとであり、全国的に有名な「浦霞」の由来も知ることができて、とても有意義な蔵見学でした。

日時:2015年3月4日(水) 11:00~
場所:(株)佐浦(宮城県塩竈市本町2-19)
内容:見学(ガイド付き、無料)、試飲(有料)

★アクセス
150304 (2)本塩釜駅
最寄駅はJR仙石線の本塩釜駅。駅から酒蔵までは約400mです。
150304 (3)本塩釜駅_案内板
この日は駅から1.2kmのところにある鹽竈神社[しおがま-じんじゃ]を経由して徒歩で向かいました。

★鹽竈神社
150304 (5)鹽竈神社_表参道 - コピー
150304 (7)鹽竈神社 - コピー
鹽竈神社は、全国にある鹽竈(鹽竃・塩竈・塩竃・塩釜・塩釡)神社の総本社です。陸奥国の一宮[いちのみや]で、地域の中で最も社格の高い神社とされています。

鹽竈神社を参拝した後に、佐浦までの900mの道のりを歩いて向いました。

★見学受付
150304 (12)佐浦(浦霞)事務所・売店
佐浦の「蔵ガイド」は事前予約制で、11時と14時の1日2回(各15分程度)。料金は無料ですが、利き酒は有料(300円)です。売店で見学の予約をしている旨を伝えると、男性のガイドさんが迎えに来てくれました。この回の見学者は私ひとりでした。

★蔵見学
蔵ガイドでは、酒蔵の外観を見ながら、佐浦の歴史や建物などについて説明してくれます。製造工程の説明や工場の見学はありません。

<歴史>
150304 (13)佐浦(浦霞)外観
佐浦は”鹽竈神社の御神酒酒屋”として、享保9年(1724年)に創業しました。現在の当主・佐浦弘一氏で13代目を数えます。鹽竈神社の立派な社殿を観た直後だったため、伝統の重みを感じました。

<「浦霞」の由来>
150304 (14)佐浦(浦霞)外観(タテ)
「浦霞」の酒銘は、源実朝(鎌倉時代の武将で歌人)の詠んだ詩より命名されたそうです。
『金槐和歌集』の中に「塩竃の 浦の松風 霞むなり 八十島[やそしま]かけて 春や立つらむ」という詩があり、そこから”浦”と”霞”の一字を引用したそうです。
なお、「浦霞」の読み方は、「うらかすみ」で「うらがすみ」ではありません。酒が濁るのは良くないため、縁起をかついで酒銘も濁らないそうです。

(参考)詩の大意:塩釜の海岸を吹く風も、霞を含んでいるかのようにやさしく吹きわたる。数多くの島はいっせいに立春を迎えたのであろうか。

<製造場>
150304 (11)佐浦(浦霞)享保蔵
佐浦では、塩釜市の「本社蔵」と、東松島市の「矢本蔵」で酒造を行っています。本社蔵には江戸末期から明治初期にかけて建てられたと言われる「享保蔵」(写真)の他に、「大正蔵」と「平成蔵」があります。「享保蔵」は風通しまで考えて設計されており、北側の扉から冷気を取り入れて南側の天窓から熱気を逃すことで室温を調節しているそうです。「大正蔵」は大正から昭和にかけて建てられ、固くて風化に強い”秋保石[あきう-]”を土台として、その上には火に強い「野蒜石[のびる-]」が使われています。大正蔵では「純米吟醸 浦霞禅」が造られています。
150304 (16)佐浦(浦霞)酒林
享保蔵の北側には酒林が吊るされていました。

<2人の名杜氏>
佐浦ではかつて、平野佐五郎氏と平野重一氏という全国に名を知られる2人の名杜氏が酒を醸していました(ともに岩手県の南部杜氏。重一氏は現在、佐浦の名誉杜氏に就任されています)。佐浦は全国新酒鑑評会において昭和6年の2位入賞以来、受賞から遠ざかっていました。ところが、佐五郎氏が酒造りを始めてからは、昭和27年の首席、翌年の2位、翌々年は入賞を逃すも、昭和30年には3位と次々と入賞を果たすようになったそうです。順位制ではなくなった昭和31年からは8年連続で金賞を受賞し、平成20年までに本社蔵で31回、矢本蔵(平成6年11月より稼働)で8回の金賞受賞を果たしています。

<きょうかい12号酵母>
浦霞の醪から採取された酵母は、日本醸造協会の「きょうかい12号酵母」として昭和60年(1965年)から平成7年(1995年)まで頒布されていました。

佐浦のHPには以下のエピソードが紹介されています。
”吟醸酒の香りは通常は、リンゴや梨のような香りがする。それがイチゴのような香りがしたと言う。「浦霞でイチゴのような香りを出した」という話を聞き、何か香りの成分を付け足したのではないかと国税庁の醸造試験場で調べに来たこともあったと言う。当然、何かを付け足すということは無く、それは吟醸酒の醸し出す自然の香りだった。”

これがきっかけとなって平野杜氏の評判が広がり、灘や伏見を含む全国の酒蔵から見学に来たいとの申し出があったそうです。
彼らは国税局を通して依頼したため、断り切れなかった佐浦には大勢の酒造関係者が訪れたそうです。これでは仕事にならないと、蔵元も杜氏も困り果てていたと言われています。

評判の高かった浦霞の酵母は、宮城県酒造組合の醸造試験所によって分離・培養され、県内の酒造場や平野杜氏の弟子たちに配布されていました。「平野酵母」と呼ばれたその酵母の使用者が鑑評会などで好成績を残していたため、噂を聞きつけた日本醸造協会が協会酵母として使わせてほしいと依頼をしたそうです。こうして、「きょうかい12号酵母」が誕生しました。
しかし、この酵母は後に”酸が多く出てしまう酵母に変異”してしまい、吟醸酒造りには向かなくなったため、頒布が中止されました。現在、佐浦では「きょうかい12号酵母」の流れを汲む酵母を自家培養して使用しているそうです。

<東日本大震災>
2011年3月11日に発生した東日本大震災では、震度6強の強い揺れと津波が塩釜市を襲いました。佐浦では建物の外壁崩落、浸水による機械の故障に加えて、お酒が3万本も破損するという被害を受けたそうです。壁が崩壊した蔵の様子を写真で見せて頂きましたが、とても心が痛みました。幸いなことに社員の方は全員ご無事だったそうで、比較的被害が軽微だった矢本蔵は2011年4月に再稼働し、本社蔵も同年9月には酒造りを再開できたそうです。

★利き酒 
蔵見学の後は売店のカウンターで利き酒をしました。料金は3種(+1種)で300円です。スマイルマーク付きのお猪口は、お土産に持ち帰れます。
150304 (19)佐浦(浦霞)試飲
①『辛口 浦霞』本醸造酒、まなむすめ(精米65%)、alc.15-16度、1,040円/720ml。
②『浦霞禅』純米吟醸酒、トヨニシキ・山田錦(精米50%)、alc.15-16度、2,160円/720ml。
③『しぼりたて 浦霞』純米酒生酒、まなむすめ(精米65%)、alc.17-18度、1,300円/720ml。
④『浦霞 本格焼酎につけた梅酒』リキュール、alc.12-13度、1,800円/720ml。

梅酒に使われている焼酎は、震災時の特例で清酒もろみを蒸溜したものを使用しているそうです。

150304 (18)佐浦(浦霞)原料米 - コピー
利き酒カウンターには、原料米のサンプルが展示されていました。

★すし哲(宮城県塩竈市海岸通2-22)
150304 (20)すし哲(塩釜)外観
150304 (22)すし哲(塩釜)
蔵見学の後は、 仙台エスパルにも支店がある人気の寿司店でランチをとりました。佐浦と本塩釜駅のちょうど中間くらいにあるお店です。

この後は、松島海岸を経て、キリンビール仙台工場を見学しました。

(初稿)2016.8.25

[Link]Indexページに戻る
[Link]Nomura Seijiの公式HP
[Link]ご意見・お問い合わせはこちらから

テーマ : 日本酒の酒蔵見学
ジャンル : グルメ

プロフィール

Nomura Seiji

Author:Nomura Seiji
・お酒と薬膳理論の入門講座、飲酒教育
 nomuras.jimdo.com
・JSAワイン検定講師
・JSAワインエキスパート
・1971年生
・東京在住

最新記事
最新コメント
月別アーカイブ
カテゴリ
検索フォーム
RSSリンクの表示
リンク
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QR