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【見学】カーブドッチ・ワイナリー(新潟・新潟市) - 欧州ぶどう栽培研究所が手掛ける新潟ワインコーストの主要ドメーヌ

ワイン専用のブドウ品種だけを栽培して自家醸造を行うカーブドッチ・ワイナリーを見学しました。敷地内にはおしゃれなレストランやスパなどがあり、ワインを楽しみながらゆったりとした時間を過ごせるようになっています。

日時:2016年12月30日(金) 11:10~12:30頃
場所:カーブドッチ・ワイナリー(新潟県新潟市西蒲区角田浜1661)
内容:見学、試飲(ガイド付き)
料金:1,080円(税込、1人当たり)

★アクセス
161230 (11)JR越後線・内野駅
往路はJR越後線で新潟駅から内野駅[うちの-えき]まで行き、ワイナリーの無料シャトルバスを利用しました(新潟駅12:20→12:42内野駅、7駅、237円)。
161230 (13)JR越後線・内野駅_送迎バス
内野駅の改札口を出て右側の階段を降りると、正面にシャトルバスが停車していました。シャトルバスは1日2往復で、平日のみの運行、事前予約が必要です(内野駅発10:50、11:50。ワイナリー発15:20、16:20)。内野駅からワイナリーまでは約20分(約13km)です。
161230 (76)JR越後線・越後曽根駅
ワイナリーの最寄駅はJR越後線の越後曽根駅(約7km。タクシーで2,380円)ですが、シャトルバスは列車の本数が多い内野駅に発着しています。帰路はタクシーを利用し、越後曾根駅から新潟駅に戻りました(越後曾根駅13:17→13:57新潟駅、10駅、410円)。
161230 (16)カーブドッチ・ワイナリー_ヴィネスパとシャトルバス
シャトルバスはワイナリー内のヴィネスパ前に発着します。ヴィネスパでは日帰り入浴やヘッドスパなどが楽しめ、宿泊施設(7部屋)も整っています。敷地内にはレストランやベーカリーカフェなどもあります。
161230 (15)カーブドッチ・ワイナリー_ワインショップと駐車場
ワイナリーツアーの受付はワインショップで行います。ヴィネスパの正面から駐車場の向こう側に見える建物です。

★ワイナリーツアー
161230 (69)カーブドッチ・ワイナリー_ワインショップ外観
スタッフがワイナリーを案内してくれる「ワイナリーツアー」は事前予約制で、毎日11:00スタート(60-90分)、15名以内、税別1,000円です。シャトルバスを使う場合は(ワイナリーへの到着が11:10頃になるため)途中からツアーに合流することになります。この日は他の見学者がいなかったので、ツアーのスタートを11:10頃にして頂けました。この日は(経営者のような貫禄のある)男性スタッフの方が案内をしてくださいました。

★欧州ぶどう栽培研究所
カーブドッチ・ワイナリーを運営するのは(株)欧州ぶどう栽培研究所。その名の通り、ワイン専用品種といわれる欧州系ブドウ(ヴィティス・ヴィニフェラ種)のみを手掛けるドメーヌです。同社はブドウ栽培・ワイン醸造の他に、新潟県内に複数の飲食店を展開しています。設立は1992年(平成4年)で、資本金は1,000万円。非上場会社ですが、5万円×20株(100万円)単位の出資で株主になれます(2015.10.1付のNEWS)。株主には自家製品(ワイン・パン・ソーセージ・ビール)の購入割引や施設の利用割引の特典があります。
カーブドッチ(CAVE D`OCCI)の名称は、落希一郎[おち・きいちろう]初代社長の苗字からつけられたそうです(カーブ・ド・オチ=落さんのワイン・カーブ)。

★ブドウ畑
161230 (22)カーブドッチ・ワイナリー_ぶどう畑
はじめに道路を隔てて南側にあるブドウ畑を案内して頂きました。背後の山は標高481.7mの角田山[かくだやま]。日本海から約1kmしか離れていない畑には強い風が吹きつけ、降雪は比較的少なめ。同社ではワイナリーの半径500m以内に計8haの畑を所有しており、さらに県内の契約栽培農家から生ブドウを仕入れているそうです。カーブドッチでは約30種の欧州系品種を手掛けており、単一のブドウ品種で造る”セパージュ・ワイン”に力を入れています。ワイナリー周辺の土壌は(海が近いため)サラサラとした砂地が主体ですが、契約栽培先には粘土質などの土壌もあるそうです。欧州系品種は多湿によるカビなどの病害に弱いため、1haあたりの植樹数は3千本(欧州では5千~1万本)と十分に間隔をあけて風通しがよくなるように配慮されています。
161230 (19)カーブドッチ・ワイナリー_ブドウ畑(アルバリーニョ) - コピー
小道を挟んで左側は、2005年に初めてこの地に植えられた白ブドウ「アルバリーニョ」の畑。主要産地であるスペインのリアス・バイシャスも海に近く、同社で最も期待されている品種です。残念ながら現在は(ワイナリーでの有料試飲も含めて)販売されていないそうです。
150218 (12)ワインフェスタin長野(アルバリーニョ)カーブドッチ
一昨年前のワインフェスタin長野で試飲したカーブドッチのアルバリーニョ。エレガントで気品を感じるワインだったので、強く印象に残っていました。
161230 (20)カーブドッチ・ワイナリー_ブドウ畑(カベルネ・ソーヴィニョン)
小道を挟んで右側はボルドーを代表する黒ブドウ「カベルネ・ソーヴィニョン」の畑。創業の頃に植えられたもので樹齢20年ほどになるそうです。通常は骨格がしっかりとしたフルボディのワインが造られますが、この地のテロワールや樹齢などを考慮して軽やかなワインに仕立てているそうです(長期熟成タイプを造るにはまだ樹齢が足りないそうです)。土壌はすぐ隣のアルバリーニョの畑と特に変わらないそうです。
161230 (24)カーブドッチ・ワイナリー_ぶどうのつる2
畑の手入れをしているのは主に5名の従業員とアルバイト。冬に剪定(今年実をつける新梢を残して不要な枝を切り落とす)作業を行い、収穫は9月から10月にかけて手摘みで行われます。最後に収穫されるのは晩熟のカベルネ・ソーヴィニョン。例年は10月最終週になりますが、気温の高かった今年は10月20日前後に前倒しされたそうです。ブドウは水分を嫌う為、雨の日は収穫をしないそうです。

★醸造施設
161230 (25)カーブドッチ・ワイナリー_外観
161230 (27)カーブドッチ・ワイナリー_醸造施設
ブドウ畑の後は、ワインショップの近くの醸造施設を案内して頂きました。
161230 (31)カーブドッチ・ワイナリー_除梗破砕機と圧搾機
除梗破砕機(奥)と圧搾機。収穫されたブドウはまず除梗破砕機で梗が取り除かれ、軽くつぶされます。この機械は、中のスクリューに引っかかって梗がとれるという単純な仕組みだそうですが、いかに実をとりきるかが重要なので良い機械を使っているそうです(この仕組みを考えた人はすごいと思います...)。続いて、白ワインは圧搾機で搾った果汁のみをアルコール発酵させます。赤ワインは写真左奥のステンレスタンクで1カ月くらい浸け込んで皮から色素成分、種子からタンニンなどを抽出し、アルコール発酵と醸しが終わってから圧搾します。酵母菌は野生酵母と純粋培養酵母を使い分けているそうです。

161230 (35)カーブドッチ・ワイナリー_仕込みタンク
仕込みは約3週間かけて行われます。室内には2千、3千、5千ℓと大きなタンクが並んでいました。基本的に1つのタンクには1つのブドウ品種のワインが仕込まれます。酵母菌がブドウの”糖分”をアルコールと炭酸ガスに分解するため、ワイン用ブドウの糖度は生食用ブドウよりも高いそうです(生食用が16-18度に対してワイン用は20度超。但し、果肉が小さく食べにくい)。カーブドッチでは原則、補糖(※)を行いませんが、タイ米輸入が社会問題となった1993年の冷夏の年には例外的に行ったそうです。
(※)ブドウの糖度が低い年にアルコールのもととして人工的に糖分を添加すること。

★熟成庫
161230 (42)カーブドッチ・ワイナリー樽熟成庫
続いて、木樽の熟成庫へ。ガイドの方が「この部屋に来るとホッとする」というように、癒し系の香りが漂っていました。樽の材質はすべてフレンチオークで毎年新樽を入荷しているそうです。1つの樽は5-6年使われ、その後はブランデーの熟成樽などに再利用されます。同社ではドイツ製の蒸溜機を所有しており、ワインを蒸溜して造る「オー・ド・ヴィ・ホワイト」(alc.40%、350ml、税別2,800円)と5年の樽熟成を経た「オー・ド・ヴィ・バレル」(alc.40%、350ml、税別3,200円)を手掛けています。ただし、バレルは品薄であと2年経たないと次の商品が販売されないそうです。
161230 (39)カーブドッチ・ワイナリー_フレンチオーク樽
カーブドッチでは赤ワインと白ワインをほぼ同じくらいの割合で生産していますが、木樽で熟成させるのは赤で約8割、白で約3割。フレッシュなワインが主力であるため、熟成期間は最長のカベルネ・ソーヴィニョンで12カ月程度となっているそうです。

161230 (47)カーブドッチ・ワイナリー_瓶熟成庫
続いて瓶詰ワインを長期熟成するための地下貯蔵庫へ。
161230 (46)カーブドッチ・ワイナリー_熟成庫(ペティヤン)
王冠の栓をしたボトルは発泡性のペティヤン。同社のスパークリングワインはすべて瓶内二次発酵で造られているそうです。

161230 (49)カーブドッチ・ワイナリー_地下の瓶熟成庫 - コピー
すぐに出荷できる商品や顧客に販売済の商品を保管している地下貯蔵庫。ワイナリーが50年後も続いているとの見通しのもとにしっかりと品質管理ができる大きな設備を整えたそうです。室温は夏場でも最高15℃になるように管理されています。
同社のワインの出荷量は年間で約8万本ですが、アイテム数が多いため、ラベルの貼付けは主に(機械ではなく)手作業で行っているそうです。

★どうぶつシリーズ
かわいい動物がラベルに描かれたボトルが並べられていました。醸造家の掛川史人[かけがわ・ふみと]氏が、レギュラー商品とは別に”趣味にはしって”造っているものだそうです。出荷量が少なく入手困難なブランドです(基本的には飲食店向け?)。
161230 (53)カーブドッチ・ワイナリー_どうぶつシリーズ_あなぐま、ぺんぎん、かわうそ
・あなぐま2015(サンジョヴェーゼ)
・ぺんぎん2015(北海道余市産ケルナー)。全房プレス、無ろ過。
・かわうそ2015(7種のアッサンブラージュ。シャスラー、ヘルダー、オーセロワ、アルバリーニョ、セミヨン、シャルドネ、シュナンブラン)
161230 (54)カーブドッチ・ワイナリー_どうぶつシリーズ_おうむ、みつばち、もぐら
・おうむ2015(ツヴァイゲルト)
・みつばち2015(シュナンブラン)
・もぐら2015(シャルドネ)
161230 (55)カーブドッチ・ワイナリー_どうぶつシリーズ_ふらみんご、くま、むささび
・ふらみんご2015(ピノ・ノワール)
・くま2015(5種のアッサンブラージュ。カベルネ・フラン、カベルネ・ソーヴィニョン、メルロー、プチベルド、マルベック)。2014はカベルネ・フランのセパージュ。
・むささび2015(発泡性のブラン・ド・ノワール?。カベルネ・ソーヴィニョン90%、シャルドネ10%)
161230 (56)カーブドッチ・ワイナリー_どうぶつシリーズ_裏ラベル
裏ラベルには”亜硫酸塩含有”と記されていますが、ワイナリーのHP (http://ffkake.wixsite.com/forhp/services2-c12zf) では以下のように説明されています。
”亜硫酸をまったく添加していないため、瓶詰後にサンプル瓶を27℃の保温庫にて2週間保管し微生物チェックをしています。微生物的な劣化は見られませんでしたが、可能であれば18度以下での保存をお勧めします。”
”無添加でも酵母は亜硫酸を精製するため、裏ラベルに亜硫酸含有と表記しています。”
同HPには、飲み手の心をくすぐるような”醸造家のこだわり”の数々がくわしく記されていてました。

★試飲
最後にワインショップのカウンターで6種のワインをテイスティングしました。
161230 (57)カーブドッチ・ワイナリー試飲_スパークリング
①スパークリングワイン ブラン・ド・ブラン N.V.。税別3,800円。
161230 (59)カーブドッチ・ワイナリー試飲_セミヨン - コピー
②セミヨン2015。alc.11.0%。税別2,500円。
161230 (61)カーブドッチ・ワイナリー試飲_シャルドネ
③シャルドネ2015。alc.12.0%。税別2,950円。樽熟成。
161230 (63)カーブドッチ・ワイナリー試飲_カベルネ・ソーヴィニョン
④Bijou カベルネ・ソーヴィニョン2015。alc.12.5%。税別4,200円。発酵時に数パーセントの全房を投入。
161230 (65)カーブドッチ・ワイナリー試飲_プチベルド
⑤Bijou プチベルド2015。alc.12.0%。税別4,200円。2011年以来の単一品種。
161230 (67)カーブドッチ・ワイナリー試飲_ピノノワール - コピー
⑥ピノ・ノワール2014。alc.11.0%。税別2,950円。

ブドウ品種や造りの違いがはっきりとわかるラインナップで、1杯ごとに新たな楽しみがありました。全体的にフレッシュな果実味を活かしながらエレガントに仕立てられている印象で、繊細な和食とも合わせやすそうに思いました。

★新潟ワインコースト
161230 (70)カーブドッチ・ワイナリー_敷地案内図
カーブドッチの周辺には新しいワイナリーが続々と登場しており、「新潟ワインコースト」を形成しています。
・「カーブドッチ」1992年~。醸造家:掛川史人氏(ワイナリー経営塾を主宰)
・「フェルミエ」2006年~。醸造家:本多孝[ほんだ・たかし]氏(1967年生)
・「ドメーヌ・ショオ」醸造家:小林英雄[こばやし・ひでお]氏
・「カンティーナ・ジーオセット」2013年~。醸造家:瀬戸潔[せと・きよし]氏
・「ルサンクワイナリー」2015年~。醸造家:阿部隆史[あべ・たかし]氏。

初代社長の落氏は、カーブドッチを開いた角田浜一帯を1970年代頃のアメリカのナパ・バレーと重ね、この地を一大ワイン産地に育てたいとの夢を抱きました(当時のナパ・バレーには30軒ほどのワイナリーしかありませんでしたが、わずか30年ほどで世界的なワイン産地に育ちました。『僕がワイナリーをつくった理由』ダイヤモンド社より)。落氏は2003年にワイナリー経営塾を立上げ、若くやる気のある醸造家たちを育ててきました。彼らはカーブドッチの周りに次々とワイナリーを開き、個性的なワイン造りに励んでいるそうです。
案内をしてくださった男性は、「若い醸造家たちは怖いもの知らずで『おいおい』と思うようなことにも積極的に取り組んでいる。モノ作りはセンスで、年齢は関係ない」と仰っていました。

ワイナリーの周辺には新潟麦酒(約200m北東)や、地ビール第1号のエチゴビール、日本酒の笹祝酒造(ともに約3km南東)などもあり、ワインとともに多様な日本産酒類が楽しめるエリアになりそうで、とても楽しみです。

(初稿)2017.1.8

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テーマ : ワイナリー見学
ジャンル : グルメ

【見学】エーデルワイン(岩手県・大迫) - 岩手県産ぶどう100%で醸す良質な日本ワイン。漫画『神の雫』で紹介された「五月長根葡萄園」リースリング・リオンの醸造元

岩手県の早池峰山[はやちね-さん]のふもとに広がる自然豊かな地にあるエーデルワインを見学しました。社名(EDEL WEIN)のWEINはドイツ語で、英語のWINEではありません。「五月長根葡萄園[さつきながね-]」のリースリング・リオンは、講談社週刊モーニングの漫画『神の雫』にも登場したワインです。

日時:2016年8月28日(日)10:30~11:15頃
場所:エーデルワイン(岩手県花巻市大迫町[おおはさま-まち]大迫第10地割18-3)
内容:自由見学(ワインの瓶詰・醸造・樽熟庫等)、試飲
料金:無料(試飲は一部有料)

★アクセス
ワイナリーはJR東北本線の石鳥谷駅から東へ約13kmのところにあります。この日は車で連れて行ってもらいました。
160828 (10)エーデルワイン_ぶどうの樹(道路脇)
ワイナリーの手前の道路の歩道にはぶどうの樹が並んでいます。
160828 (7)エーデルワイン_ワインシャトー大迫(外観)
ワイナリーの外観。

★ワイナリーの概要
160828 (13)エーデルワイン_敷地内案内図
敷地案内図。ワイン直売所「ワインシャトー大迫」の奥に「ビン詰棟・見学コース」の建物があります。
160828 (12)エーデルワイン_ワインシャトー大迫(外観)
ワインシャトー大迫。館内には直売所の他に、ワイナリーやワイン造りの工程などを説明する映像コーナーがあります。
160828 (15)エーデルワイン_工場見学棟
工場見学コースがある建物。

★エーデルワインについて
・創業は1962年(昭和37年)。当時の大迫町と大迫農協の出資により、岩手ぶどう酒醸造合資会社が設立され、1973年(昭和48年)に株式会社エーデルワインに改変されました。
・名称はヨーロッパのアルプス山脈に咲く高山植物“エーデルワイス(セイヨウウスユキソウ)”に由来しています。エーデルワイスは、大迫町にある早池峰山[はやちね-]に咲く“ハヤチネウスユキソウ”と姉妹花。その縁で大迫町はオーストリアのベルンドルフ市と友好姉妹都市となったそうです。

★工場見学
見学コース内は自由見学です。10名以上の団体で事前予約をした場合は、ガイドが案合してくれます。
160828 (16)エーデルワイン_見学コース(階段)
見学コースは階段を上がった2階にあります。
160828 (17)エーデルワイン_破砕・圧搾機など
1階の入口付近に展示されている破砕・圧搾機。
160828 (47)エーデルワイン_見学コース(2階)
2階の見学通路。各展示コーナーには説明書きがあります。設備の一部は、ガラス窓越しに見学できます。

<岩手県のぶどう栽培>
国分謙吉知事の「大迫はぶどう栽培の適地である」という昭和23年の言葉をきっかけに、昭和25年に“岩手県立農業試験場大迫葡萄試験地”が創設され、昭和37年にワイン造りがスタートしたそうです。

<大迫町のぶどう畑>
160828 (20)エーデルワイン_大迫町のぶどう畑
エーデルワインのある大迫地区を中心に、北東の内川目地区[うちかわめ-]、南東の外川目地区、西の亀ケ森地区の4地区でぶどうが栽培されています。大迫のぶどう生産者全員が低農薬・低化学肥料の”エコファーマー栽培”の認定を受け、安心・安全で良質なぶどうづくりに取り組んでいます。この地区は、”降雨量が少なく、昼夜の寒暖差が大きい気候、弱アルカリ性の石灰岩系土壌”というぶどう栽培に適した環境を有しています。

<大迫産のワイン用ブドウ>
ドイツの銘醸地と気候が似ているため、その条件を活かした品種などが栽培されています。

・リースリング・リオン(白):甲州三尺とリースリング(ドイツの代表的な品種)の交配種。
・ナイアガラ(白):生食用だがワイン醸造にも使用。
・キャンベル(黒):生食用だがワイン醸造にも使用。
・メルロー(黒):フランス・ボルドー地方の代表品種のひとつ。
・ツヴァイゲルトレーベ(黒):オーストリアで広く栽培されている品種。早熟で耐寒性あり。酸味が特徴的。
・ロースラー(黒):オーストリア原産。国内では大迫で初めて栽培された品種。

<圧搾・醸造コーナー>Expression / Brew
160828 (30)エーデルワイン_醸造

<貯蔵・樽熟成コーナー>Stock / Aged
160828 (29)エーデルワイン_見学コース(貯)
160828 (28)エーデルワイン_樽熟成

<洗浄コーナー>Washing
160828 (37)エーデルワイン_リンサー
リンサー。

<瓶詰コーナー>Package
160828 (42)エーデルワイン_トリブロック充填機、検瓶、外洗機 - コピー
トリブロック充填機、検瓶、外洗機。

<ラベル・箱詰めコーナー>Label / Ship
160828 (43)エーデルワイン_キャップディストリビューター、糊式ラベラー、タック式ラベラー
キャップディストリビューター、糊式ラベラー、タック式ラベラー。

<コレクション・コーナー>
故・伊藤行氏のワイングッズのコレクションや昔のボトルなども展示されています。
160828 (35)エーデルワイン_ぶどうの根でつくったオープナー - コピー
ぶどうの根でつくったオープナー。はじめて見ました。
160828 (39)エーデルワイン_ワインのオーデコロン - コピー
「コロン・エーデルワイス」は、ロゼ・ワインでつくられた日本初のオーデ・コロン。昭和60年に発売され、花巻温泉など近隣の観光地のお店などに置かれていたそうです。こんなものまであったんだ...
160828 (40)エーデルワイン_ボトルの歴史 - コピー
昔のワイン・ボトル。

★試飲
「ワインシャトー大迫」には無料試飲コーナーもありますが、この日は時間がなかったので有料試飲だけを行いました。
160828 (50)エーデルワイン_テイスティング・ルーム入口
有料試飲ができるテイスティング・ルームは、ワインシャトー大迫と工場見学棟の間にあります。7/15にリニューアルしたばかりでした。
160828 (51)エーデルワイン_テイスティング・ルーム(カウンター)
スタイリッシュなテイスティング・カウンター。
160828 (52)エーデルワイン_テイスティング・ルームMENU
テイスティング・メニュー。サイズは30ml(テイスティング)と100ml(バイザグラス)の2種類です。

<テイスティング・アイテム>すべて、30ml
160828 (62)エーデルワイン_テイスティング・アイテム(ボトル)
①白「2015 五月長根葡萄園 リースリング・リオン」Alc.11.5%。
②白「2015 試飲酒 シャイン・マスカット」300円。
③赤「2013 シルバー ロースラー」Alc.13.0%、200円。
④赤「2012 シルバー ツヴァイゲルトレーベ」Alc.13.0%、300円。
⑤赤「2012 ハヤチネゼーレ ツヴァイゲルトレーベ」Alc.13.0%、総酸度5.0g/l、原料糖度21.3Brix、収穫:2012年9月中旬、瓶詰:2014年7月9日、400円。
⑥赤「2012 ドメーヌ・エーデル 天神ケ丘メルロー」Alc.13.0%

①の色合いは輝きのあるイエロー。グラスに鼻を近づけると凝縮感のある豊かな果実香が感じられました。味わいはやわらかな甘みとしっかりとした酸味がバランスよくまとまっていて、余韻も長め。スタッフの方がおすすめするヴィンテージだけあって、エレガントで美味しいワインでした。この銘柄は漫画『神の雫』第353話「人よ、荒野を行け、花よ、荒地に咲け」(※)にも登場しています。

(※)五月長根葡萄園2010(リースリング・リオン)のテイスティング・コメント
・「この東北の地の美しいテロワールを写し取ったようだ」
・「東北の雪解けの大地から 力強く立ち上がって花を開かせる白く可憐な高山植物のような 清楚でありながら芯に強さを秘めたワインです」

②は試験醸造のシャイン・マスカットでボトルにラベルは貼られていません。色合いは①よりは淡いイエローで少しグリーンがかっています。マスカットの気品ある麝香の香りが感じられるのに、アフターにかけては冷涼地のソーヴィニヨン・ブランのような青いハーブの香りが感じられ、とても個性的で、夏にぴったりの清涼感のあるワインでした。個人的には、これをスパークリングにしてよく冷やして楽しみたいと思いました。

③のロースラーは紫の色調がしっかりしていて、特徴的な強めの酸が感じられました。

④と⑤はともにツヴァイゲルトレーベ。どちらにもしっかりとした果実味が感じられますが、④にはよりいきいきとした酸が感じられフレッシュな印象、⑤は樽熟成から生じる甘いバニラ香があり、複雑な香味を楽しめました。

⑥のメルローは熟したブルーベリーやブラックベリーのような香りがあり、果実味が豊かで凝縮感があるワインでした。飲みなれない品種を優先的に利きたかったので当初はパスしていましたが、スタッフの方がおすすめするだけあって美味しいワインでした。

160828 (60)エーデルワイン_テイスティング・アイテム6種
グラスはすべて国際規格のテイスティング・グラス。スタッフの方がこまめにワインの状態をチェックしながらサーブして下さり、提供温度にもこだわりを感じられました。特に赤ワインは注がれてから時間が経つにつれてどんどんと華やかな果実の香りが開いてきて、酸味もまろやかになり、タンニンもやわらいできました。わずかな温度と空気との接触により変化するワインのおもしろさを堪能できたテイスティングでした。

160828 (54)エーデルワイン_ロースラー
③ロースラー。

160828 (56)エーデルワイン_ツヴァイゲルトレーベ比較試飲
④⑤ツヴァイゲルトレーベの比較試飲。

★ワインまつり
9月の第3日曜日には、多彩な催しやワインの試飲などが楽しめる”ワインまつり”が開かれるそうです。

★感想など
今回の旅で岩手県のワイナリーをはじめて訪れましたが、とても魅力的な産地であり、ワイン造りにも前向きな取組みが行われていることを知りました。岩手県は国内最大の杜氏集団”南部杜氏”のふるさとであり、ビールの魂といわれる”ホップ”の国内最大の産地でもあるので、三大醸造酒のすべてに大きなポテンシャルを持つ産地であることを強く感じました。

160828 (69)南部曲り家千葉家 - コピー
160828 (71)南部曲り家千葉家 - コピー
ワイナリー訪問の後は、「南部曲り家千葉家」に立ち寄りました(外観のみ見学)。江戸時代に建てられた代表的な南部曲り家で、石垣の上に茅葺の建物がそびえ建つ荘厳な屋敷構えが特徴です。南部曲り家とは”オモヤとウマヤがL字状につながる”この地方独特の民家です。平成28年度から大修理工事が行われるため、約10年間は通常の公開ができなくなるそうです。

この後は、遠野で行われている遠野ホップ収穫祭2016に参加しました。

(初稿)2016.9.6

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【見学】自園自醸ワイン紫波(岩手・紫波町) - おらほのブドウだけを地元で醸すこだわり。紫波フルーツパークのワイナリー

岩手県紫波町[しわ-ちょう]の紫波フルーツパークを見学しました。園内のワイナリーでは、町内産のブドウを100%使用して造る「自園自醸ワイン紫波」ブランドを展開しています。盛岡市の南20kmに位置する同町では、県産ブドウの約半数が生産されています。

日時:2016年8月27日(土) 13:30~14:30頃
場所:紫波フルーツパーク(岩手県紫波郡紫波町遠山字松原1番11)
営業:9:00~17:00。年末年始は休業(土日は営業)
内容:自由見学(ワイン醸造・瓶詰器具など)、試飲
料金:無料

★アクセス
160827 (59)秋田自動車道の渋滞2
ワイナリーはJR東北本線の紫波中央駅から東へ約4.8kmのところにあります。この日は秋田県南部の由利本荘市から約140kmの道のりを車で連れて来てもらいました。大曲の花火大会(第90回全国花火競技大会)の開催日だったので、秋田自動車道の反対車線はすでに渋滞していました。
160827 (60)自園自醸紫波ワイン_フルーツパーク入口 - コピー
紫波フルーツパークの中にブドウ畑とワイン醸造所があります。

★紫波フルーツパーク
160827 (118)2自園自醸紫波ワイン_外観
紫波フルーツパークは紫波町の果樹栽培を体感できる多目的な農業公園として2004年に開園しました。ワイナリーやワイン直売所の他に、ぶどうやさくらんぼなどが植えられている体験農園、ピザや蕎麦などを手作りできる体験工房があります。
ワイナリーでは、製造ラインを専用通路から自由に見学できます(予約不要、無料)。他にも、ブドウ畑の見学とランチが付いたワインツーリズムがあります(完全予約制、税別1,800円)。

★自園自醸ワイン紫波
160827 (62)自園自醸紫波ワイン_直売所案内看板
”町産の良質なブドウを100%使用して(自園)、地元のワイナリーで醸す(自醸)”紫波のワイン造りは、町内の農家が株主となり、第3セクターとして始まりました。紫波町長を4期16年つとめた藤原孝氏(現在の(株)紫波フルーツパーク社長)が技術者を雇って欧州に派遣し、土づくりからワイン造りのノウハウを学ばせて自園自醸のベースを築いたそうです。現在は自園と町内の契約農家20数件からワイン用ブドウを調達しているそうですが、「おらほ(おら方。うちの方を意味する方言)のブドウで自分たちのワインを造りたい」という思いから、生産量不足で苦しい時でも他所からの原料調達は行っていないそうです。

<沿革>
・1998年、ブドウ栽培農家有志が土づくりの研究開始。
・2001年秋、ワイン専用種による自園自醸ワインの開発表明。
・2004年春、「ワイン開発研究会」設置。同年秋にメルローなど約440kgを初収穫し、岩手県工業技術センターで試験醸造。
・2005年秋、約1,100kgを収穫。自社ワイナリーで赤・白・ロゼの5種を仕込み、2006年より販売。

<栽培品種>
黒ブドウ:メルロー、カベルネ・フラン、ヤマ・ソーヴィニヨン、マスカット・ベーリーA、カベルネ・ソーヴィニヨン、,ツヴァイゲルトレーベ、ピノ・ノワール
白ブドウ:リースリングリオン、ミューラー・トゥルガウ、ケルナー、リースリング、シャルドネ

★紫波町のテロワール(気候と土壌)
160827 (102)自園自醸紫波ワイン_地図
紫波ワインの原料ブドウのすべては北上川の東側の”赤沢・佐比内・長岡地区”で栽培されています。北国特有の冷涼な気候、適度な寒暖差、比較的少ない降水量(年間1,000ミリ程度)がブドウ栽培に適しているそうです。
この地域の土壌は非火山灰性の粘土質が多く、深層には古生代の粘板岩、蛇紋岩、花崗岩が拡がる日本でも珍しい地質。ミネラル感に溢れ、エレガントで余韻の長いワインを生み出すテロワールを備えているそうです。

台風の影響を男性スタッフの方に質問したところ、「強風による枝折れも怖いが、多湿によるカビ(晩腐病など)の被害がやっかい。今年見つけられず、翌年以降に影響することがある」そうです。畑の風通しを良くすることがとても重要だと仰っていました。

★製造ラインの見学
160827 (64)自園自醸紫波ワイン_見学通路
直売所の奥にある階段を昇ると、製造ラインの見学通路があります。
160827 (101)自園自醸紫波ワイン_見学通路
ガラス窓越しに醸造・瓶詰ラインを見学できます。反対側の壁には、醸造工程やブドウの生育などに関するパネルが展示されています。

160827 (70)自園自醸紫波ワイン_タンク - コピー
発酵・熟成用のステンレスタンク。容量100ℓ~7,000ℓのタンクが55基あるそうです。
160827 (68)自園自醸紫波ワイン_製造ライン2
この日は土曜日だったので機械は止まっていました。

160827 (100)自園自醸紫波ワイン_瓶詰ライン
瓶詰ライン。
160827 (99)自園自醸紫波ワイン_コルク打栓、ワイン充填
コルク打栓、ワイン充填機。

<醸造器具のパネル写真>
160827 (72)自園自醸紫波ワイン_除梗・破砕 - コピー
コンベアー、除梗・破砕機、もろみポンプ。
160827 (73)自園自醸紫波ワイン_圧搾 - コピー
圧搾機。
160827 (75)自園自醸紫波ワイン_ろ過機 - コピー
ろ過機。

<ブドウの生育記録のパネル展示>
160827 (78)自園自醸紫波ワイン_ブドウ生育 - コピー
白ブドウ(シャルドネ)と黒ブドウ(カベルネ・ソーヴィニヨン)の生育記録のパネル展示(4/27-9/18)。共に開花は6月24日ですが、白ブドウは黒ブドウと比べて萌芽が11日早く、成熟は22日も早くなっていました。

白05/04 黒05/15 → 萌芽
白05/11 黒05/22 → 展葉
白06/24 黒06/24 → 開花
白06/29 黒07/03 → 結実
白08/20 黒08/27 → ベレーゾン(色付き)
白08/27 黒09/18 → 成熟

160827 (94)自園自醸紫波ワイン_CS2開花結実
黒ブドウの開花、結実。

160827 (83)自園自醸紫波ワイン_CHヴェレゾン_完熟
160827 (95)自園自醸紫波ワイン_CS3 - コピー
ベレーゾン前は白ブドウ(上段)も黒ブドウ(下段)も同じような色調の果皮でした。また、白ブドウはベレゾンと成熟の区別が、パッと見ではわかりませんでした(成熟すると実の透明感が増す?)。

★試飲
160827 (65)自園自醸紫波ワイン_直売所
直売店の一角には無料の試飲コーナーがあります。
160827 (110)自園自醸紫波ワイン_試飲コーナー - コピー
160827 (114)自園自醸紫波ワイン_試飲コーナー
この日は12銘柄の試飲アイテムが揃えられていました。
160827 (116)自園自醸紫波ワイン_試飲グラス - コピー
試飲用のグラス。

160827 (104)自園自醸紫波ワイン_ツヴァイゲルトレーベ2015
前日のイベントで抜栓した「ヴァン・ド・紫波 ツヴァイゲルトレーベ2015」(Alc.11度。税込1,944円/750ml)の残りを試飲させて頂きました。自社畑のブドウ100%を野生酵母でゆっくり醸し、酸化防止剤の添加を最小限にして、無濾過・非加熱で瓶詰めされたものです。
外観は落ち着きのあるガーネット。ブルーベリーやカシスなどの熟した黒系果実に加えて、爽やかなメントール系の香りが微かに感じられました。フレッシュな果実味ときれいな酸味が心地よく、おだやかなタンニンと野生酵母が生み出す複雑な香味が楽しめました。
スタッフの方も一押しの銘柄で、「冷涼で寒暖差が大きい紫波町では、酸味がきれいに残るブドウを作ることができる」とのことでした。ツヴァイゲルトレーベ(オーストリアの品種)のような冷涼地向けの黒ブドウを北日本で育てる試みはとても興味深く感じられました。じっくり味わいたかったので、自宅用に1本購入しました。

★ブドウ畑
160827 (119)自園自醸紫波ワイン_小屋とぶどう畑
直売所の近くにはブドウ畑が広がっています。
160827 (121)自園自醸紫波ワイン_垣根式の畑
直売所へ続く道路を挟んで斜面上部には垣根式でブドウが栽培されていました。
160827 (120)自園自醸紫波ワイン_棚式のぶどう畑2
道路を挟んで斜面下部は棚式。

160827 (125)自園自醸紫波ワイン_ぶどう - コピー
160827 (124)自園自醸紫波ワイン_ぶどう - コピー
生命力を感じる若いブドウの実。

★紫波町での日本酒造り
岩手県は日本三大杜氏の筆頭・南部杜氏のふるさとです。紫波町にも4件の造り酒屋があることを、スタッフの方に教えて頂きました。
・月の輪酒造店
・吾妻峰酒造店[あがつまみね-]
・高橋酒造店
・廣田酒造店

★感想など
町長の旗振りのもとに良質なブドウ産地の農家が集い、「本格的な地酒造り」で地場産業の育成を目指す動きは、愛好家としてとても頼もしく感じられました。また、ドメーヌ(自社畑のブドウでワインを醸す生産者)を意味する「自園自醸」という言葉は、生産者が目指す方向性がストレートに伝わる、とても良い響きの言葉だと思いました。
見学通路で作業をしていた男性スタッフの方が親切に色々と教えてくださったおかげで、岩手県のワインを知る良い機会となりました。

この後は、同じく岩手県の石鳥谷にある南部杜氏伝承館を見学しました。紫波フルーツパークから車で約16分(12km)です。

(初稿)2016.12.12

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【見学】サドヤ・ワイナリー(山梨・甲府) - 巨大な地下セラー、一升瓶熟成、ブドウは兵器!?

石和温泉の山梨マルスワイナリーに続いて、甲府のサドヤ・ワイナリーを見学しました。個性的な商品、施設、歴史を持つワイナリーで見どころ満載でした。

日 時:2016年4月3日(日) 15:00~
場 所:サドヤ・ワイナリー(山梨県甲府市北口3-3-24)
内 容:ツアー見学(ガイド付き、約30分)、試飲
料 金:500円
交 通:18きっぷ(東京⇔甲府駅ほか。1日あたり2,370円)
URL:http://www.sadoya.co.jp/winery.html

★アクセス
160403 (49)
最寄り駅のJR甲府駅からワイナリーまでは徒歩約5分。駅の北口を出て正面の1つめの交差点を右折し、まっすぐ進むと左側にワイナリーが見えてきます。

★外観
160403 (91)サドヤ外観
南ヨーロッパをイメージしたというおしゃれな外観。正面のチャペルでは結婚式が行われていました。

★ツアーの待合室(ワインショップ)
160403 (52)待合室
ワインショップのレジでツアーの受付を済ませた後に、シニアの男性ガイドが迎えに来てくれました。この回の見学者は4名でした。

★ぶどうの樹
160403 (55) - ブドウ樹
垣根仕立てのカベルネ・ソーヴィニヨン。樹齢は約10年。樹高はコントロールできるそうですが、こんなに低い樹ははじめてみました。

★地下セラーへの入口
160403 (57)ワイナリー入り口
続いて地下セラーへ。屋根の下には、昔の商標「甲鐵[こうてつ]」のロゴが掲げられていました。地下セラーは約700坪もあり、内部は想像していた以上に暗く、ひんやりとした空気が漂っていました。

★貯蔵用タンク内部(展示室)
160403 (61) - 地下セラーコピー
白いタイル貼りの地下室は、かつてはワインの貯蔵用タンクだったそうです。天井にはワインを導くホース口や出入口の跡がありました。現在は展示室として使われており、昔の醸造器具などが置かれています。

★破砕・圧搾機
160403 (63)圧搾機
昔の破砕・圧搾機。
160403 (62)圧搾機中
破砕・圧搾機の内部。ローラーの溝は、ブドウの種をつぶさないためにつけられているそうです。

★コルクスクリュー
160403 (73)コルクスクリュー
色々なコルクスクリューも展示されていました。
160403 (71) - コルクスクリュー針コピー
エアポンプ式のオープナー。針をコルクに刺し、瓶内に空気を送り込んで空気圧により栓を抜きます。

★樽貯蔵庫(地下セラー内)
160403 (77)樽貯蔵庫
229ℓ(フルボトル約300本分)の木樽が並ぶ樽貯蔵庫。貯蔵中にワインが少しずつ蒸発(エンジェルズ・シェア=天使の分け前)し、そのままにしておくとワインの酸化が進んで劣化してしまうため、目減り分を補充する必要があります。補充作業がしやすいよう、樽は横一列に並べられています。ウイスキーは目減り分を補充しないため、樽を縦に何段にも積んでおけるそうです。

★試飲
樽貯蔵庫の奥のスペースで3種のワインを試飲しました。
160403 (79) -サドヤ試飲JPG
<試飲アイテム>
①白:オルロージュ(甲州、ソーヴィニヨン・ブラン)辛口、税別1,800円/720ml
②赤:オルロージュ(マスカット・ベーリーA、サドヤ農場産カベルネ・ソーヴィニヨン)辛口、税別1,800円/720ml
③赤:シャトーブリヤン・ミュール(サドヤ農場産カベルネ・ソーヴィニヨン)辛口、税別2,500円/750ml

①②の商品名「オルロージュ」はフランス語で時計の意味、③は同社のフラッグシップワイン「シャトーブリヤン」のセカンド・ラベルです。テイスティング・シートは5%割引券になっていました。

①は緑がかったイエロー。甲州の穏やかな香味を主体に、ソーヴィニヨン・ブランの爽やかなハーブ香が余韻に心地よく残りました。
②は紫がかったルビー色。甘いキャンディ香、時間が経つとイチゴ・ジャムの香りも。酸味の後に甘みが広がり、余韻にわずかに渋味。ガイドさんの”サツマイモを焦がしたときの香り”という表現が印象的でした。
③はガーネット色。ブルーベリーやカシス・ジャム、樽由来のバニラの香り。樽をうんと焦がすとコーヒーの香りになるそうです。

★ぶどうは兵器!?
160403 (80)ロッシェル塩
ぶどうに含まれる酒石酸から作られるロッシェル塩は、(潜水艦や魚雷の発する音波をキャッチする)水中聴音機の素材となるため、戦時中に海軍からの需要が急速に高まりました。また、海水から真水を作る脱塩剤の主原料にもなったので、陸軍からも大量の注文がありました。
当時のサドヤ醸造所は、ロッシェル塩の製造が可能な全国で唯一の施設であったため、国内のワイン醸造所から粗酒石が集められていたそうです。そのため、昭和20年の甲府空襲では標的とされてしまい、醸造所は全焼してしまったそうです(ただし、翌年には醸造を再開しています)。

以下、国税庁HPからの引用。
"採取した粗酒石に加里ソーダを化合させると、酒石酸加里ソーダという少し大きな結晶体が精製されます。これがロッシェル塩と呼ばれるもので、山梨県に所在の「サドヤ醸造場」が国内で唯一、製造が可能でした。"
"昭和18年初頭から、海軍は全国のワイン醸造場に粗酒石の採取を働きかけ、粗酒石は山梨県の「サドヤ醸造場」に集めロッシェル塩を精製し、精製品は東芝などの大電機メーカに依頼して、対潜水艦用の水中聴音機の量産態勢を構築しました。"

★一升瓶熟成
160403 (58)一升瓶
オーク樽で貯蔵した後に一升瓶(1,800ml)で熟成させるのが、サドヤ独自のワイン育成法。大きな瓶で熟成するほど、香りのピークは豊かに、ワインの寿命はゆるやかになるそうです。販売する際は、ワインを1回タンクに入れて澱を除いてから、再び瓶に詰めて出荷します。
サドヤのフラッグシップ・ワイン「シャトー・ブリヤン」は、オーク樽で貯蔵(白は1年、赤は2年)した後に、一升瓶で最低2年熟成させてから出荷されます。

★SADOYAの歴史
・もとは江戸時代より続く、油「佐渡屋」
・1909(明治42)年、「サドヤ洋酒店」(洋酒ビールなどの代理店)に転業
・1917(大正6)年、ワイン醸造販売を手掛ける「サドヤ」を創業
・農場を開墾するまでの間、勝沼産ブドウから造る「甲鐵印葡萄酒(甲鐵天然葡萄酒)」を醸造・販売
・1936年、フランスより導入した苗木によるブドウ栽培に成功
・1945年、戦火により醸造所が全焼。翌年には醸造再開
・1950年、フラッグシップ・ワイン「シャトーブリヤン1946」命名


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【見学】山梨マルスワイナリー(山梨・石和温泉) - 2種の圧搾機と無料試飲マシーン

本坊酒造(株)の山梨マルスワイナリーを見学しました。

日 時:2016年4月3日(日) 11:30頃~
場 所:山梨マルスワイナリー(山梨県笛吹市石和町山崎126)
内 容:自由見学、試飲
料 金:無料
交 通:18きっぷ(東京⇔石和温泉駅ほか。1日あたり2,370円)
URL:http://www.hombo.co.jp/factory/yamanashi.html

★アクセス
160403 (3)ホリデービューやまなし
最寄り駅はJR中央本線の石和温泉駅。9:02新宿駅→11:05石和温泉駅のホリデー快速ビューやまなし号を利用しました。自由席なら18きっぷだけで乗車できます。指定席は追加料金が別途必要になります。
160403 (4)マルス外観
駅からワイナリーまでは徒歩約10分です。

★外観
160403 (40)山梨マルスワイナリー外観
駅側の入口から撮影。右奥の売店の手前に”工場見学案内図”が掲げられています。ワイナリーのパンフレットは売店に置かれています。

★工場見学案内図
160403 (6)見学案内図 - コピー
自由見学は、地下貯蔵庫からスタートします。

★地下貯蔵庫
160403 (23)地下貯蔵庫
地下通路の壁にはワインの歴史などを説明したパネルが展示されていました。
160403 (29c)山梨マルスワイナリー_地下貯蔵庫
通路脇の部屋には、木樽の他に”熟成用のかめ”も置かれていました。

★ワイン醸造場
屋外の醸造所には、2種類の圧搾機が展示されています。
160403 (31)圧搾機ブーハー
<ブーハー型>空気の力でタンク内の風船をふくらませることにより圧搾します。ぶどう果実をソフトに圧搾できるので、きめの細かいジュースを搾汁できます。
160403 (32)圧搾機バスラン
<バスラン型>ゆっくりと回転しながら徐々にドラム内の圧力を上昇させることによりブドウ果実を搾汁します。フランスで古くから使われている圧搾機です。

★低温貯蔵庫
160403 (34) - コピー低温貯蔵庫
貯酒をゆっくり熟成させるため、年間を通して温度10~13度、湿度70~75%に保たれています。

160403 (39) - コピーグラスライニングタンク
<グラスライニングタンク>琺瑯[ほうろう]製のタンク。鉄板の表面に特殊な耐食性ガラスを被覆した複合素材を使用。品質・香味・色調に影響を及ぼさず酒類の貯蔵に適しています。

★一階瓶詰工場
160403 (42)瓶詰
ガラス越しに瓶詰工程の機械などが見学できます。

★試飲(売店)
160403 (21)山梨マルス試飲
試飲会場は売店と同じ建物内にあります。
入口でプラスチックカップを受け取り、マシーンから好きなものを注ぎます。

<試飲アイテム>
①白:マルスワイン甲州辛口、Alc.12%、税込1,486円/750ml
②白:Mars Rich Tasteナイアガラ、Alc.10%、税込1,512円/500ml【限定】
③白:甲州スィートセレクション(甲州主体)、Alc.10%、税込1,906円/750ml【限定】
④赤:御坂マスカット・ベリーA、Alc.12%、税込1,566円/720ml
⑤ロゼ:春のわいん 巨峰&ピーチ、Alc.6%、税込1,077円/720ml
⑥酒精強化:ヴィニョ・デ・マルス、Alc.20%、税込1,836円/500ml【限定】
⑦グレープジュース(2倍に薄めて提供):笛吹川、果汁30%、税込839円/720ml

160403 (10)試飲機
銀のレバーを手前にセットするとワインが注がれます。

160403 (19)ヴィニョ・デ・マルス試飲
ヴィニョ・デ・マルスの試飲。年号を冠したヴィンテージ・ワインにブランデーとスピリッツを加えて甕で熟成したもの。色合いは濃いアンバー。ドライプルーンのようなしっかりとした甘味と酸味、アルコールの力強さが調和したデザートワインでした。

160403 (43) - ヴィニョ・デ・マルス
ヴィニョ・デ・マルスのヴィンテージ・リスト。完売・欠品を除いて、最高値は1961年の42,120円(500ml)。価格は熟成年数が増えるに従って上昇しており、ヴィンテージ毎のブドウの出来具合による価格の凹凸はついていないようでした。ベースのワインはほとんどが赤ですが、4ビンテージだけ白になっていたのが気になりました(長期熟成に適したブドウが出来なかった?)。

午後は、甲府のサドヤ・ワイナリーを訪れました。


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【見学】シャトーカミヤ(茨城・牛久)

小雨が降る中、シャトーカミヤ(牛久シャトー)を訪問。
『大正浪漫とお酒』の講座を依頼されたので、ネタを仕入れに来ました。

シャトーカミヤは浅草の神谷バーで有名な神谷傳兵衛[かみや・でんべえ]氏が1903年に開いた醸造所です。

シャトーカミヤミュージアム
お目当てのひとつ、敷地内の「オエノンミュージアム」(入館無料)。
昔の広告や酒器類など貴重な資料が展示されている資料館です。

印象的だったのは、大正時代のワインパーティーの写真。手前の席の立派なヒゲをたくわえた男性は、「板垣死すとも自由は死せず」の言葉で有名な政治家の板垣退助氏。神谷傳兵衛氏の交流の広さがうかがえました。

シャトーカミヤ本館修復中
このパーティーが開かれた”レンガ造りの本館”はシャトーの見所のひとつですが、東日本大震災の影響で修復中でした。一面を工事用のシートで覆われていて痛々しい姿でした...

150309 (46)シャトーカミヤのブドウ畑
150309 (48)シャトーカミヤのブドウ畑
敷地内のブドウ畑。


150309 (49)シャトーカミヤ_ビール醸造所
シャトーカミヤでは地ビールも造っています。
園内の「ラ・テラス・ドゥ・オエノン」で2種のビールをテイスティングしました。

シャトーカミヤ櫻酵母ビール
1杯めは、桜の葉から採った酵母で醸した『桜酵母ビール』(450円)。
白桃のようなフルーティーな香りが、かなり好みでした。

シャトーカミヤチョコレートスタウト
2杯目は、チョコレート麦芽を使った『チョコレート・スタウト』(450円)。
濃厚なコクが楽しめました。

シャトーカミヤ川エビ
おつまみは、『カリット川海老』(300円)。
香ばしくて、程よい油分と塩味がビールにピッタリ(^^)


150309 (36)シャトーカミヤ_ハチブドー酒 - コピー
最後にショップで講座用に『ハチブドー酒』を購入しました。
同じ甘味葡萄酒でも、サントリーの『赤玉』とは違った香味で、比較テイスティングすると面白そうでした。


【メモ】オエノンの商号について
すべてのものをお酒に変える力を持つという伝説の女神、「オエノ」に由来。


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シャトー・メルシャン(見学) @山梨・勝沼

シャトー・メルシャンのワイナリーツアーに初参加。

メルシャンはフランス語のmerci(感謝)に-an(人)を組み合わせた造語。
自然の恵みとお客様への感謝を表しているそうです。

コース:ホリデースペシャルコース(土日祝のみ開催)
日 時:2014年9月6日(土) 13:00~14:30(90分)
場 所:シャトーメルシャン(勝沼ぶどう郷駅から約2.9㎞)
料 金:1,000円
交 通:18きっぷ(東京⇔勝沼ぶどう郷駅ほか。1日あたり2,370円)


ツアーの内容は、
(1)ワインセミナー
(2)テイスティング
(3)施設見学 ~ セラー、ワイン資料館(旧宮崎第二醸造所)、祝村[いわいむら]ヴィンヤード(見本ブドウ園)、ワインギャラリー


★ワイナリーへの案内表示
140906勝沼メルシャン外観
大日影トンネルを経由して、徒歩で向かいました。


★ワイナリツアー
ビジターセンターで受付後、ツアー開始。
スタッフの女性がとても博識で、説明もわかりやすかったです。


★セラー見学
140906勝沼メルシャンセラー
地下の樽育成庫(赤は概ね1~2年熟成)。熟成中に樽の木目から自然蒸発するワインを”天使のわけまえ”と言います。減った分のワインを継ぎ足す際にこぼれた液体のシミがつくため、樽の中央部をぶどうの色素”アントシアニン”でお化粧しているそうです。

樽の中は焦がしてあります(生木だと樽の成分が溶け出さないため)。焼き加減はHeavy、Medium、Lightで分類し、発注はMedium+等、細かく指定するそうです。メルシャンでは、樽メーカ毎に使う酵母の種類も変えているそうです。


★テイスティング
[テイスティング・シート]
140906勝沼メルシャン試飲リスト
①穂坂のあわ 2013 税込1,910円
②シャトー・メルシャン 甲州きいろ香 2013 税込2,450円
③シャトー・メルシャン 新鶴[にいつる]シャルドネ 2012 税込2,860円
④日本の地ワイン 大森リースリング 2013 税込1,120円
⑤日本の地ワイン マスカット・ベーリーA 2011 税込990円
⑥シャトー・メルシャン 長野メルロー 2012 税込3,190円

[ロゼ(発泡性)と白ワイン]
140906勝沼メルシャン試飲白
①山梨県・穂坂地区(韮崎市)のマスカット・ベーリーA使用。ステンレスタンク主体で発酵、ステンレスタンクとオーク樽にて育成(約3カ月)。辛口の発泡性ロゼ。
②山梨県産の甲州100%。ステンレスタンクで発酵(約14日)、育成(約3カ月)
③福島県・新鶴地区(会津地方)のシャルドネ100%。オーク樽で発酵(約20日、18~22℃)、育成(約5カ月)
④秋田県・大森地区(横手市)のリースリング使用。ステンレスタンクとオーク樽で発酵(約20日)、育成(記載なし)

[赤ワイン]
140906勝沼メルシャン試飲赤
⑤山梨県・国中[くになか]地域のマスカット・ベーリーAとベーリー・アリカントAを使用。ステンレスタンク発酵、オーク樽とステンレスタンクで育成
⑥長野県・桔梗が原地区のメルロー100%。木樽とステンレスタンクで発酵(約20日、28~32℃)、オーク樽で育成(約17カ月)


★ワイン資料館
「旧宮崎第二醸造所(現存する日本最古の木造ワイン醸造所)」を資料館として利用。1904年築で”山梨県指定有形文化財”、”経済産業省 近代化産業遺産”に指定。ゆえに勝手に改築等ができないそうです。ここで会社とワイン醸造の歴史について説明がありました。

メルシャンは”民間初のワイン会社”と”メルシャンのブランドを持つ会社”がひとつになって生まれた会社だそうです。

[メルシャンの沿革] (ちょいとややこしい...)
・1877年に設立された民間初のワイン会社「大日本山梨葡萄酒会社」がルーツ(この4年前に大久保利通が殖産興業政策の一環としてワイン造りを奨励)。
・同年、同社は土屋龍憲(19歳)と高野正誠(-まさなり:25歳)をフランスに留学させワイン醸造を学ばせる。宮崎光太郎(15歳と若く、1人息子だったため父親が渡航を反対)は2年後に帰国した彼らとともに本格的なワインづくりを開始。
・1886年、同社が解散(松方デフレによる不況と本格的なワインの苦戦のため)。宮崎と土屋兄弟は「甲斐産葡萄酒醸造所」を新設し、「大黒天印甲斐産葡萄酒」を発売。
・1890年に同社は会社分割し、2年前に販路開拓のために設立した「甲斐産商店」が宮崎を主幹に再出発(土谷の甲斐産葡萄酒醸造所と分離)。
・1892年、宮崎の私邸(現・宮光園)内に、「宮崎第一醸造所」開設(ワインの製造・販売を一貫して行うため)。
・1904年、「宮崎第二醸造所」設立。前年の中央線(新宿-甲府)開通を機に生産能力を増強するため(それまでは船で川を下って静岡経由で輸送していた)。
・1934年、「大黒葡萄酒(株)」に改組し、事業拡大。
・1938年、長野県・桔梗ヶ原に「塩尻工場」建設。
・1944年、「日本連抽(株)」(=後の「日清醸造(株)」)設立。①配給酒の製造と②ワインからの酒石酸連続抽出(酒石酸は音波探知機に用いる”ロッシェル塩”の原料)を行う。
・1947年、宮崎光太郎、85歳で逝去。2歳で養子入りしていた孫が2代目に。
・1949年、日清醸造(株)が当時の国産最高級白ワイン「シャトー・メルシャン」を発売【メルシャン・ブランドの誕生】。
・1961年、日清醸造(株)が「三楽酒造(株)」と合併。一方、大黒葡萄酒(株)は「オーシャン(株)」へ社名変更。2代目宮崎は酒類事業を多角化し、”オーシャン”ブランドのウイスキー製造なども手掛ける。
・1962年、三楽酒造(株)とオーシャン(株)が合併し、「三楽オーシャン(株)」誕生。【メルシャン・ブランドを持つ会社と、国内初の民間ワイン会社をルーツとする会社がひとつになる】。

・1975年、”本格ワイン(果実酒)”の消費量が”甘味ブドウ酒(甘味果実酒)”を逆転。翌年、桔梗ヶ原の栽培品種を”コンコード”から”メルロー”へ転換。
・1985年、三楽オーシャン(株)が「三楽(株)」に社名変更。
・1989年、初リリースした「シャトー・メルシャン 桔梗ヶ原メルロー1985」が”リュブリアーナ国際ワインコンクール”で大金賞を受賞。
・1990年、三楽(株)が「メルシャン(株)」に社名変更。


「エビ葡萄酒」(甘味果実酒)の看板
140906勝沼メルシャンエビ葡萄酒
なぜエビ??と思いましたが、ブドウの古名”エビカズラ(葡萄葛)”に由来するそうです。外来語の”ブドウ”が定着するまではツル科の植物をこう呼んでおり、他社では「カニ葡萄酒」もあったとか?


「明治期のワイン造りの工程」も興味深かったです。
140906勝沼メルシャン明治のワイン造り
(1)葡萄運搬:収穫したブドウは”大八車”(明治30年代~昭和初期)に乗せて運搬。収穫期の10月頃には約300台分のぶどうが搬入されていた。
(2)葡萄破砕:初期は手回し式の”破砕機”(明治10~30年代)でブドウをつぶし、下にある"半切れ”と呼ばれる桶で果汁を受けていた(1日に1,100~1,500㎏のブドウを処理)。後に破砕機の動力は水車に変わる。
(3)葡萄圧搾:破砕機でつぶしたブドウを、石造りの"フネ(破砕溜め)”で受け、この自然●[サンズイ+垂]れのフリーラン果汁を桶で受液漕へと導く。スノコの上に残った果皮は”バスケットプレス(圧搾機。明治10~30年代)”にかけてさらに搾る。
(4)葡萄酒仕込:受液漕に貯まった果汁は清水桶(発酵タンクの役割)に移して発酵させる。受液漕から清水桶への果汁の搬送は初期は手桶に入れて担いで運んでいたが、後に手押しポンプに変わる。発酵を終えたワインは澱引きをして大樽に移し熟成。宮崎光太郎は樽の選定に特に注意を払った(一度ワインづくりに失敗すると樽に癖が残るため)。
(5)葡萄酒瓶詰:大樽での熟成後、ワインをろ過機に通して澱や不純物を除いた後に瓶詰め。ワインの栓は当時からコルク(”コロップ”と呼ばれていた)を使用、栓打ちは1本ずつ人力で行う。


★宮光園[みやこうえん](入場200円。甲州市管理)
宮崎幸太郎の名前を”キムタク”風に略して名付けられた施設(ガイドがこのように説明し、大受けでした)。ツアーには含まれず外観のみの見学。


★祝村ヴィンヤード(見本ブドウ園)
140906勝沼メルシャンぶどう畑全景
ワイン用の品種を17種、”垣根仕立て”で植培しているぶどう畑。ツアー参加者しか入場できません。祝村は山梨県東八代郡にあった村で、現在の甲州市南西部・日川左岸・中央自動車道勝沼インターチェンジ周辺。

140906勝沼メルシャンぶどう畑
ぶどうの皮が色付くタイミングは一房の中でも異なるそうです。カラフルなブドウがとても印象的でした。


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テーマ : ワイナリー見学
ジャンル : グルメ

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Nomura Seiji

Author:Nomura Seiji
・お酒と薬膳理論の入門講座、飲酒教育
 nomuras.jimdo.com
・JSAワイン検定講師
・JSAワインエキスパート
・1971年生
・東京在住

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