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【見学】味の素KK川崎工場(神奈川・鈴木町) - ほんだしコース

味の素KK川崎工場の見学ツアー「ほんだしコース」に参加しました。同工場では他にも、「味の素コース」(同日午前に参加)、「Cook Doコース」の計3種の見学コースが実施されています(各90分、すべて事前予約制)。「カツオ風味のほんだし~♪」のCMでおなじみの同商品は、カツオ節粉をベースに天然(由来)の原料を配合した風味調味料です。

日時:2016年12月13日(火) 13:00~14:30
場所:味の素KK川崎工場(神奈川県川崎市川崎区鈴木町3番4号)
料金:無料
内容:『ほんだしコース』(事前予約制)
・シアター見学
・工場見学
・カツオ節削り体験
・うま味効果体験

★アクセス
161213 (129)鈴木町駅と京急大師線
最寄駅の鈴木町駅[すずきちょう-](写真)は、京急川崎駅から京急大師線[けいきゅうだいしせん]で2駅、約5分です。
161213 (126)京急大師線・鈴木町駅
鈴木町駅は、味の素KK川崎工場に隣接しています。鈴木町という地名は、味の素グループ創始者の鈴木三郎助氏の名前に由来しています。
161213 (5)アジパンダの足跡 - コピー
駅から「うま味体験館」(見学者の集合場所)までは徒歩1分です。改札口から目的地まで「アジパンダの足跡」が描かれているので、迷わずに到着できます。

★味の素・うま味体験館
161213 (8)味の素グループうま味体験館
うま味体験館の外観。
161213 (122)味の素うま味体験館_受付カウンター
最初にカウンターで見学の受付を行います。午前の「味の素コース」に続いての参加だったので、スタッフの方が「おかえりなさいませ」とあたたかく迎えてくれました。
161213 (67)味の素川崎工場・ほんだしコースのストラップとパンフレット
見学者用のストラップとパンフレット。
161213 (17)味の素とほんだしのつくりかた
「味の素/ほんだしができるまで」。ほかにも同社商品のレシピ集が渡されます。
161213 (14)味の素うま味体験館_フロアガイド
うま味体験館のフロアガイド。

★アジパンダ(Ajipanda)とアジパンナ(Ajipanna)
161213 (119)アジパンダとアジパンナ
味の素のマスコット・キャラクター「アジパンダ」の像と、妹の「アジパンナ」の着ぐるみ。
161213 (120)アジパンダとアジパンナ
アジパンダ兄妹(の着ぐるみ)は愛嬌たっぷりで、たくさんの「決めポーズ」を持っていました。

★シアター見学
161213 (11)味の素うま味体験館_シアター
はじめに四方の壁がスクリーンになっているシアターで映像を観ました。うま味を含む食材(かつお、イワシの煮干し、昆布など)やダシの歴史などについて、迫力のある映像が楽しめました。シアター内は立ち見で、撮影は不可でした。

★ほんだし工場
161213 (70)アジパンダ・バス(ほんだしコース)
続いて、「アジパンダ・バス」に乗って、線路の反対側にあるほんだし工場へと移動します。
161213 (123)鈴木町駅と味の素川崎工場
ほんだし工場は、京急大師線の線路の向こう側にあります。車窓からの(工場敷地内の)写真撮影はできませんでした。

161213 (71)味の素川崎・ほんだし工場
ほんだし工場の1階の入口。内装は料亭風になっています。
161213 (71)2味の素川崎・ほんだし工場
7階建てのほんだし工場では、カツオ節の粉砕以降の工程が行われます。
最上階の7階に運ばれた原料は、製造工程に従って階下に下ろされて処理されます。
(6階:計量・配合 → 4階:粉砕・造粒 → 3階:乾燥 → 1階:充填・包装)

見学通路は5階と2階にあります。

★カツオ節ができるまで
161213 (73)味の素川崎工場・ほんだしコース_かつおの模型
エレベーターで5階に昇るとカツオの模型がお出迎え。ここでカツオの漁獲からカツオ節ができるまでの流れを学びます。

161213 (75)味の素ほんだしコース・水揚げの様子
太平洋の赤道付近で獲れたカツオはマイナス20度に冷却されて、静岡県の焼津港や鹿児島県の枕崎港などに運ばれます。
水揚げされたカツオは解凍、生切りされた後に92~98度の熱湯で1時間ほど煮熟[しゃじゅく]されます。煮汁は10分の1の量になるまで煮込まれ、ほんだしの原料のひとつである”カツオエキス”になります。
161213 (76)味の素ほんだしコース・焙乾の様子
煮熟、骨抜きされたカツオは、薪を燃やした煙で燻して乾燥させます(焙乾[ばいかん])。ほんだしには、3通りの燻し方(深燻し、極深燻し、浅燻し)でつくられたカツオ節がブレンドされています。
・深燻し=ほんだしのベースとなる最も一般的なカツオ節
・極深燻し=削りたての強いロースト香が特徴
・浅燻し=ふわっと広がるマイルドな香りが特徴

<カツオ節削り体験>
161213 (78)鰹節削り器と軍手
続いて、カツオ節を削る体験をしました。削るときにケガをしないよう軍手をはめてから作業します。
161213 (82)おぐらのカツオ節削り器1
161213 (83)おぐらのカツオ節削り器2
削り器は70余年の歴史をもつ「おぐらの弁次郎削器」製。「少し角度をつけると良い」、「逆目[さかめ]になると粉になりやすい」、「香りとうま味を逃さないため、料理の直前に削る」などのアドバイスが書かれた説明書きが添えられていました。
161213 (85)カツオ節削り器とカツオ節 - コピー
カツオ節はカビ付けをしていない「荒本節(荒節)」。削られる面はツルツルとしていました。
161213 (86)鰹節削り体験で削った鰹節 - コピー
削りたてのカツオ節。体験用のカツオ節は多くの見学者が素手で触れているため、試食用には味の素のグループ会社・ヤマキの「花かつお」が別に用意されていました。花かつおとは、荒本節を削ったものです。

<参考>カツオ節の分類(Wikipediaより)
・カツオ節とは、カツオ(サバ科)の魚体から頭、鰭[ひれ]、腹皮(腹部の脂肪の多い部分)を切り落とし、三枚以上におろして、節[ふし](と呼ばれる舟形)に整形してから加工されたものをいいます。
・カツオを三枚におろしたものを”亀節”、三枚から背と腹におろしたものを”本節”、本節の中でも背側を使ったものを”雄節(または背節)”、腹側を使ったものを”雌節(または腹節)”といいます。
・加工工程の差異によって、カツオを茹で干したのみの”生利節[なまりぶし]”、それを燻製にした”さつま節・荒節[あらぶし]”、荒節にカビを付けることにより水分を抜きながら熟成させる工程を繰り返した”本節・枯節[かれぶし]・本枯節[ほんかれぶし]・仕上げ節”などに区分されます。
・血合いをそのままにしたものと除いたもの(血合い抜き)があります。

<カツオを活かしきる>
カツオ節は魚の背中とおなかの部分からつくられます。味の素社ではカツオの頭部や内臓、骨も様々な製品等に加工して無駄なく活かしきる工夫がされています。
・魚醤[ぎょしょう](液体調味料)
・中骨から作ったカルシウムを配合した「毎日カルシウム・ほんだし」
・肥料(茶畑など)、飼料
焙乾で出た木炭も肥料として再利用されています。

<かつおが泳ぐスピード体験>
161213 (96)カツオが泳ぐスピード体験
カツオが泳ぐスピードと人間が泳ぐスピード(オリンピックの金メダル選手レベル)を映像で比較しました。前者は目で追うのが困難なほどあっという間に通り過ぎていきました。

★ほんだしの原料、製造工程
161213 (89)味の素川崎工場・ほんだしコース・タブレット
1人1台貸し出されるツアーガイド用のタブレット端末。

<ほんだしの原料>
161213 (101)ほんだしの原料
ほんだしの原料は、カツオ節粉[-ふしこ]を中心とした「粉の原料*6種」と「液体の原料*2種」。すべて天然(由来)のものが使われています。

<製造ラインの見学>
カツオ節を削った部屋の両側の窓越しに、ほんだしの製造ラインを見学しました。ガイドさんの指示に従ってタブレット端末の該当箇所をクリックすると機械の中の様子などが映し出されます(機械類の写真撮影はできませんでした)。

川崎工場に運ばれたカツオ節は、まず5㎜程度の大きさに砕かれ、さらに1㎜程度になるまで粉砕されます。このカツオ節粉を含む”粉の原料”(他に、小麦たんぱく発酵調味料、うま味調味料、食塩、砂糖類(砂糖、乳糖)など)は10分の1㎜以下に細かくされ、”液体の原料”(カツオエキス、酵母エキス)と混ぜ合わされます。さらに”果粒”状にすることで、湿気にくくお湯などに溶けやすい便利な状態になります。

<検査、梱包ライン>
エレベーターで5階から2階に移動し、検査室と梱包ラインを見学しました。

製品は官能検査、衛生検査、重量検査、金属検査など、様々な観点から厳しくチェックされます。

梱包ラインでは、階上からパイプで送られてくる製品が機械でつくられる袋などに自動的に詰められます。
作業員は部屋を出入りするたびに専用の室内着に着替えるそうです。ヘルメットの下には帽子とヘアネットを着用するなど、髪の毛1本たりとも混入しないように衛生管理が徹底していました。

★うま味効果体験、「ほんだし」おにぎりの試食
161213 (111)味の素・うま味ホールB
工場見学の後はうま味体験館に戻り、2階のうま味ホールBへ。
161213 (103)ほんだしコース・うま味効果体験
味噌をお湯に溶いただけの”味噌湯”と味の素のミニ瓶。ガイドさんの指示に従って最初に味噌湯だけを口に含むと、なんとなく物足りない味わいでした。次に、味の素を2、3振りしてから飲み直してみると、うま味が加わったおかげで奥行きのある美味しさに変化していました。
161213 (107)味の素・ほんだしおにぎりとほうじ茶
続いて、白米にほんだしを混ぜただけのおにぎりが配られました。カツオのうま味が口の中にあふれ、これだけでも十分に満足できる美味しさでした。口直し用のほうじ茶も出して頂きました。

161213 (105)味の素・うま味体験館(池田博士と鈴木社長)
池田菊苗[いけだ・きくなえ]博士は昆布だしの美味しさに着目して1907年に「うま味」を発見し、翌年に調味料製造法の特許を取得しました。鈴木三郎助氏は、池田博士の特許を工業化・商品化して、1909年にうまみ調味料の元祖「味の素」を世に送り出しました。
うま味は4つの基本的な味(甘・酸・塩・苦)に続く新たな原味[げんみ]として世界的に認められるようになりました。
161213 (62)味の素川崎工場・味を感じるしくみ
舌にある味蕾[みらい]という器官が味を脳に伝えます。うま味は(他の4原味と違って)感じ取りにくく、言葉で表現しにくい味ですが、素材の味を引き出して料理を美味しくするチカラがあります。また、うま味が加われば少ない塩分でも美味しく感じるため「減塩効果」が期待できます。

★おみやげ
161213 (110)味の素川崎工場・ほんだしコースのおみやげ
最後にほんだしの小袋と、味の素の6mg瓶、合わせ調味料「Cook Do」(アジアン鶏飯用)のおみやげが配られました。

★ほんだしのパッケージ・デザイン
161213 (110)味の素川崎工場・ほんだしパッケージ
パッケージのカツオの絵は当初は左向きでした(焼き魚などは頭を左側にして盛り付けるため)。しかし、ほんだしの文字にそっぽを向いているように見えることや、業績が右肩上がりになってほしいなどの理由から、2007年より右向きに変えられたそうです。背景の赤はカツオを燻す炎の色をあらわしているそうです。

★感想など
カツオ節を都度削れば香り高いダシがひけますが、手間や時間を圧倒的に節約できる「ほんだし」などの調味料という選択肢があれば、とても便利だと思いました。午前の「味の素」コースと重複したのはシアター鑑賞と味噌湯の飲み比べ、工場の説明くらいだったので、同日の参加でも十分に楽しむことができました。何よりも、清潔感のある施設とスタッフの方々の親切なご対応が印象的でした。
今回の工場見学を通して、和食の命でもある「うまみ」や「ダシ」についての興味がより深まりました。

(初稿)2016.12.18

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テーマ : 工場見学
ジャンル : グルメ

【見学】味の素KK川崎工場(神奈川・鈴木町) - 味の素コース

味の素KK川崎工場の見学ツアー「味の素コース」に参加しました。同工場では他にも、「ほんだしコース」(同日午後に参加)、「Cook Doコース」の計3種の見学コースが実施されています(各90分、すべて事前予約制)。うま味調味料の歴史や原料、つくり方などを楽しく学ぶことができました。

日時:2016年12月13日(火) 10:30~12:00
場所:味の素KK川崎工場(神奈川県川崎市川崎区鈴木町3番4号)
料金:無料
内容:『味の素コース』(事前予約制)
・シアター見学
・歴史展示・製造工程ジオラマ見学
・専用バスで工場内見学(発酵タンクなど)
・味の素6g封入体験
・うま味効果体験

★アクセス
161213 (1)京急川崎駅
最寄駅の鈴木町駅[すずきちょう-]は、京急川崎駅(写真)から京急大師線[けいきゅうだいしせん]で2駅、約5分です。
161213 (4)鈴木町駅ホーム
鈴木町駅は、味の素KK川崎工場に隣接しています。
161213 (5)アジパンダの足跡 - コピー
駅から「うま味体験館」(見学者の集合場所)までは徒歩1分。改札口から目的地まで「アジパンダの足跡」が描かれているので、迷わずに到着できます。

★味の素・うま味体験館
161213 (8)味の素グループうま味体験館
うま味体験館の外観。
161213 (122)味の素うま味体験館_受付カウンター
最初にカウンターで見学の受付を行います。
161213 (16)ストラップトリーフレット
見学者用のストラップとパンフレット。
161213 (17)味の素とほんだしのつくりかた
「味の素/ほんだしができるまで」。ほかにも同社商品のレシピ集が渡されます。
161213 (15)味の素うま味体験館_ロッカー
無料のロッカーには食材のイラストが描かれていました。

★アジパンダ(Ajipanda)
161213 (10)アジパンダ像
味の素のマスコット・キャラクター「アジパンダ」の像。見学者に大人気の撮影スポットです。
161213 (66)アジパンダ像(うしろ)
アジパンダの色は、味の素のイメージ・カラーの赤。体の白い部分は「エプロン」で、背中にはヒモの模様がちゃんとデザインされていました。

161213 (18)アジパンダ着ぐるみ
着ぐるみのアジパンダ。ホームページに「実は・・・ パンダのわりに機敏に動けます」と書かれている通り、積極的に動いて愛嬌を振りまいていました。

161213 (65)味の素・アジパンダ瓶のタワー
アジパンダは、味の素の瓶が現在のデザインに変更された2005年に誕生したキャラクターです。

★シアター見学
161213 (11)味の素うま味体験館_シアター
はじめにシアターで「おいしさの元をたどる」というテーマの映像を観ました。味の素の原料(サトウキビなど)や、うま味と日本人の最初の出会い(魚介類の煮汁)、だしへと進化する歴史などが360度の迫力あるスクリーンに映し出されます。シアター内は立ち見で、撮影は不可でした。

映像を観た後は、同時刻に出発した「ほんだしコース」の参加者と別れて、歴史展示コーナーへと案内されました。

★歴史展示コーナー
161213 (23)味の素の歴史展示
うま味調味料「味の素」は、東京帝国大学(現・東京大学)の池田菊苗[いけだ・きくなえ]博士と、味の素グループ創始者の鈴木三郎助(2代目)初代社長の2人の出会いと協力により誕生しました。

161213 (112)池田菊苗博士が発見したグルタミン酸
池田博士は湯豆腐の昆布だしの美味しさにヒントを得て、基本4原味(甘・酸・塩・苦)以外にも味(うま味)があると考えました。明治40年(1907年)、池田博士は約38kgの昆布から煮汁をとり、「うま味」の素であるL-グルタミン酸ナトリウム約30gを得ることに成功しました。うま味の発見が讃えられ、池田博士は「日本十大発明家」のひとりに数えられています(後述)。
写真の物質は池田博士が精製したグルタミン酸。東京大学から無期限に貸し出されているもので、展示コーナーの中で最も高価なものだそうです。
161213 (32)池田菊苗博士の特許取得証
明治41年(1908年)、池田博士は「グルタミン酸塩ヲ主要成分トスル調味料製造法」の特許を出願し、認められました。
161213 (116)味の素の初代パッケージ
鈴木三郎助氏は池田博士からこの特許の実施契約を得て、明治42年(1909年)に「味の素」として商品化を実現しました。
161213 (117)味の素・大正時代のパッケージ
大正6年(1917年)のパッケージ。この年に味の素社の前身の鈴木商店(1907年創業の鈴木製薬所より改名)が株式会社化されました
161213 (113)味の素商品のラベル
味の素グループは2016年現在、26の国や地域で126の工場を持つ規模にまで成長しました。館内には数多くの商品ラベル(下3段が国内向け)が展示されていましたが、これでも全てではないそうです。

★味の素の原料と製造工程
<味の素の原料>
161213 (118)味の素の原料・サトウキビ - コピー
同社では当初、小麦のタンパク質を分解してグルタミン酸を得ていました。以降、より効率的な製造法が研究され続け、現在ではサトウキビ、キャッサバの根茎(芋)、トウモロコシなどを原料としています。国内向けはすべてサトウキビを原料としている(はずだ)そうです。
161213 (28)味の素の原料・キャッサバ芋
キャッサバ(トウダイグサ科イモノキ属)は主に熱帯地方で栽培されています。タピオカの原料としても有名です。
161213 (114)味の素うま味体験館_キャッサバの葉
キャッサバの葉は、てのひらのような形をしています。
161213 (25)味の素の6g瓶と昆布300g
6gのグルタミン酸(うま味成分)を昆布から抽出しようとすると、50倍もの量(300g)が必要となってしまうため、味の素の原料としては使えなかったそうです。

<味の素の製造工程>
161213 (30)味の素の製造工程のジオラマ
味の素の製造工程をジオラマと映像で紹介するコーナー。右から、原料タンク、発酵タンク、粗製タンク、精製タンクの順にミニチュアが並んでいます。各工程の映像に合わせて、ピンクのバスの模型が該当タンクの前へと移動していきます。
161213 (37)味の素・グルタミン酸生産菌
サトウキビの搾り汁を煮詰めて不純物を取り除いたものから砂糖が作られ、その時に残る茶色い液体(糖蜜)が味の素の原料となります。発酵タンクでは、原料の糖分を「グルタミン酸生産菌」が分解してグルタミン酸が作られ、次の粗製タンクで、微生物や不純物が取り除かれます。精製タンクでは(調味料として使いやすくするために、)ナトリウムを加えてグルタミン酸ナトリウムの結晶に加工され、最後にパッケージング工程を経て出荷されます。
グルタミン酸を取り除いた後の発酵液は、肥料として再利用されています。

★工場内の見学
161213 (39)アジパンダバス
続いて、アジパンダ・バスに乗って、線路の向こう側の工場内へ移動しました。工場の敷地内は撮影不可でした。

<鈴木町駅>
161213 (123)鈴木町駅と味の素川崎工場
1929年に「味の素前駅」として開業しましたが、戦時中に敵襲の対象となることを危惧して「鈴木町駅」に改称されました(1944年)。隣の「港町駅」も同様の理由で、コロムビア前駅から改名されたそうです。鈴木町という地名は味の素グループ創業者の名前に由来しています。敷地のすべてを工場が占めているため、住民登録をしている人は一人もいないそうです。

<味の素KK川崎工場>
敷地は東京ドーム約8個分(約10万坪)で、京急大師線の港町駅から東門前駅の4駅にまたがります。工場内には、自転車で移動する社員のための駐輪場が到る所に設けられていました。以前は貨物用の線路も工場内に敷かれていたそうです。同社の工場は三重県・四日市市(東海工場)、佐賀県・佐賀市(九州工場)にもありますが、最も大きく歴史も古いのが川崎工場です。
川崎工場の従業員は約3,300名(2015年)で、うち3分の1が3つの研究所(食品、バイオファイン、イノヴェーション)で働く研究職。敷地内には東京ドーム1個分の大きさを誇る物流センターもありますが、コンピューター化が進んでいるため、わずか30名程度で業務をこなしているそうです。
川崎工場では、天然ガスを使って100%自家発電を行っており、余剰分は電力会社へ販売しています。また、多摩川の水を熱冷却などに利用していますが、取水前よりも水質を向上させてから川に戻しているそうです。同工場では環境保全のために約1割が緑地化されています。

<発酵タンク>
161213 (1)味の素川崎工場・発酵タンクのリーフレット写真
バスから降りて、味の素の「発酵タンク」を見学しました。高さ22メートル(7階建て相当)、容量500kl(風呂桶3千杯分)の大きな屋外タンクで、1994年まで稼働していたそうです。現在はすべての味の素が海外工場で作られており、川崎工場では包装などの一部工程のみを行っているそうです。

★「味の素」6g封入体験
161213 (40)味の素・うま味体験ホールA
アジパンダ・バスでうま味体験館に戻り、2階のうま味ホールAへ。6gの味の素を空瓶に封入する”体験ルーム”への入室準備をします。
161213 (42)味の素・体験ルーム入室・品質管理記録表
体験ルームへの持込み物を入出前後にチェックする用紙。カメラと携帯電話の持込みはOKです。
161213 (60)味の素・体験ルーム用マスク
白衣、ヘアネット、マスク、ゴム手袋(指輪、ケガ、ネイルをしている人のみ)を装着します。マスクは上下にヒモが付いているめずらしいタイプでした。
161213 (45)味の素・体験ルーム入室前
さらに、靴カバー、コロコロ、手洗い、エアシャワー、(手の)アルコール消毒の5つを経て、ようやく体験ルームへ入室できます。食品工場の衛生管理の徹底ぶりを肌身で感じることができました。

<味の素6gの封入体験>
161213 (52)味の素・封入体験セット
まず、チェックシートで必要なものが揃っているかを確認します。
161213 (53)味の素封入体験・充てん機へのセット
充填機の台座を手前に引き出し、くぼみに空瓶をセットして元の位置に戻します。
161213 (55)味の素封入体験・充てん機
黒いレバーを下げると、味の素が容器に充填されます。
161213 (54)味の素封入体験・充てん量確認
規定量(5.9g~6.3g)が正しく入っているかを計量器で確認します。6.38gでギリギリセーフでした。
161213 (57)味の素・金属検査
容器に中栓とキャップをして、金属検査機で検査をします。はじめに金属が貼られたサンプルをかざして音が鳴ることを確認し、続いてマイ・ボトルの検査をします。
161213 (59)味の素6g封入体験(完成) - コピー
台紙を組立て、マイ・ボトルをはめてから透明の袋に入れて封をします。係りの人の検査を受けて「アジパンダのはんこ」を押してもらうと完成です。
台紙に名前などを記入するカラーペンは(キャップ式ではなく)ノック式でした。食品を加工する場に異物が残らないよう、到る所に細心の注意が払われていることが伺えました。

★うま味効果体験
161213 (62)味の素川崎工場・味を感じるしくみ
うま味ホールAに戻り、五原味(甘・酸・塩・苦・旨)や味を感じる仕組みについて説明して頂きました。舌で味を感じて脳に伝えるのは味蕾[みらい]という器官。味蕾の数は子供の頃がピークで成長するにつれて減少します。子供が苦いものが嫌いなのは(味蕾の数が多いため)味を敏感に感じてしまうからだそうです。
161213 (61)味の素工場見学・うま味効果体験
味噌をお湯に溶いただけの”味噌湯”と味の素のミニ瓶。ガイドさんの指示に従って最初に味噌湯だけを口に含むと、なんとなく物足りない味わいでした。次に、味の素を2、3振りしてから飲み直すと、うま味が加わったおかげで奥行きのある美味しさに変化していました。
うま味には素材の味を引き出して料理を美味しくするチカラがあります。また、うま味が加われば少ない塩分でも美味しく感じるため「減塩効果」が期待できます。

★おみやげ
161213 (64)味の素工場見学のおみやげ(味の素コース) - コピー
最後にほんだしの小袋と、合わせ調味料「Cook Do」(青椒肉絲用)のおみやげが配られました。

★100周年記念の金色の瓶
161213 (68)味の素100周年記念ボトル
アジパンダホールの売店には、100周年記念の金色の瓶が販売されていました。ピンクの瓶と合わせて1つずつお土産に購入しました。

★感想など
和食の命ともいえる「うま味」について、見ごたえのある展示や様々な体験を通して楽しく学ぶことができました。駅から近く、スタッフの方々も皆親切で、至れり尽くせりの工場見学でした。石油由来成分を原料としていた時代(1960年代~1970年代)のイメージからうま味調味料(1990年代までは化学調味料)に対する漠然とした不安を感じていましたが、現在は天然(由来)の原料を使用していることを知って不安が和らぎました。過剰摂取に気を付ければ、(昆布などから毎回ダシをとる)時間や体力、金銭的な余裕がない時には使い勝手の良い調味料であると感じました。

<参考>日本の十大発明家/1985年、特許庁
・豊田佐吉(木製人力織機、自動織機)
・御木本幸吉(養殖真珠)
・高峰譲吉(タカヂアスターゼ、アドレナリン)
・池田菊苗(グルタミン酸ナトリウム)
・鈴木梅太郎(ビタミンB1、ビタミンA)
・杉本京太(邦文タイプライター)
・本多光太郎(KS鋼、新KS鋼)
・八木秀次(八木・宇田アンテナ)
・丹羽保次郎(NE式写真電送機)
・三島徳七(MK鋼)

午後は、「かつお風味のほんだし~♪」のCMでおあなじみの「ほんだしコース」のツアーに参加しました。

(初稿)2016.12.17

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ジャンル : グルメ

プロフィール

Nomura Seiji

Author:Nomura Seiji
・お酒と薬膳理論の入門講座、飲酒教育
 nomuras.jimdo.com
・JSAワイン検定講師
・JSAワインエキスパート
・1971年生
・東京在住

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