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オーストラリアのワイン産業を学ぶ(千葉・松戸商工会議所)- ホワイトホース市との姉妹都市45周年記念イベント。全米ナンバー1の豪州ワイン「イエローテイル」とブルー・オーシャン戦略。

松戸市の国際交流協会が主催するオージーワインセミナーに参加しました。旧ボックス・ヒル市(現在のホワイトホース市)との姉妹都市提携45周年を記念したイベントのひとつです。

テーマ:オーストラリアのワイン産業を学ぶ~オージーワインセミナー
日 時:2016年10月21日(金)18:30~20:30
場 所:松戸商工会議所4F中会議室
料 金:2,000円(非会員。会員は1,500円)
定 員:35名
主催者:松戸市国際交流協会
協 力:サッポロビール㈱

★アクセス
161021 (4)オージーワインセミナー松戸_会場
会場の松戸市商工会議所は松戸駅から約400m、徒歩5分です。大学を卒業するまで松戸市に住んでいたので懐かしかったです。

★プログラム
161021 (6)オージーワインセミナー松戸_レジュメ
①主催者挨拶
②講義「ワインの歴史について」講師:合津浩則氏
③講義「オーストラリアワインセミナー」講師:田村祐介氏
④ワインのテイスティング方法とオージーワインの紹介
⑤食文化(ベジマイト)の紹介&参加者交流会

★講義「ワインの歴史について」
講師は、㈱栗原酒販の合津浩則氏。ワインの起源に始まり、ワインが欧州各地やニューワールドへ広がる過程を説明してくださいました。
161021 (20)オージーワインセミナー松戸(ぶどうの口噛み酒)
テレビアニメ「はじめ人間ギャートルズ」で”果実の口噛み酒”が登場したエピソードが興味深かったです。果実には糖分(アルコールの原料)がたくさん含まれるため、猿が木のくぼみなどに溜め込んだものが自然発酵して酒になるという説があります。これを「猿酒(別名、ましら酒)」といいます。一方で、穀物の場合は主原料のデンプンを糖分に変える必要があるため、大昔は口の中で原料をかみ砕いて(唾液の酵素を利用して糖化をして)いたといわれています。これを「口嚙み酒」といいます。同アニメでは猿が果実を”口噛み”していますが、その工程が必要ないほど、果実(特にぶどう)は酒造りに恵まれた条件を備えています。

★講義「オーストラリアワインセミナー」
講師はサッポロビール㈱の田村祐介氏(ワインアドバイザー)。オーストラリアのワインの概要や本日のテイスティング銘柄などについて説明してくださいました。

<オーストラリアについて>
・国土面積は世界6位(日本の約20倍)で、ヨーロッパとほぼ同じ大きさ。
・名目GDPは世界12位(日本の約1/3)で、人口は2,305万人(日本の約1/5)。
・1人当たりの国民所得は世界5位(世界でも裕福な国の一つ)。

<オーストラリアのワインについて>
・生産量は世界6位。60以上の産地で100種以上のぶどうを栽培。
・輸出量は世界4位(輸出が6割)。
・ワイナリー数2,572社(2012年)のうち、上位22社で約8割を占める。

2015年1月に日豪EPA(経済連携協定)が締結され、ボトルワインの関税が2021年3月末までに撤廃されることが決まりました。従来の税率は15%もしくは125円のいずれか低いほうでしたが、同年より毎年2%ずつ逓減されており、同国のワインがさらに注目される見通しです。

<オーストラリアのワインの歴史>
1788年、英国人のA.フィリップ大佐がシドニーへ入植した際に最初のぶどう樹が持ち込まれました。1832年にはジェームズ・バズビー(豪ワインの父)がスペインやフランスからブドウ樹を持ち帰り、ワイン産業がスタートしています。1951年にはオージーワインの名声を世界に轟かせたペンフォールズ社の「グランジ(当時の表記はGrange Hermitage BINI)」が試験生産され、以降、現在のワイン産業の基礎ができあがったとされています。同国ではステンレスタンクを利用したリースリング(日本のシニア世代がおなじみの甘口ではなくドライ・タイプ)や、冷涼産地でのぶどう栽培などの試みが行われています。高級ワイン「グランジ」はサッポロビールが日本への輸入を扱っているそうです。

★イエローテイル~本日のテイスティング銘柄
161021 (11)オージーワインセミナー松戸_赤ボトル
イエローテイルは、豪州のカセラ・ワインズ(Casella Wines)が「PLAY BY YOUR RULES.(ワインくらい自由じゃないと)」をテーマに、誰でも気軽に飲めるワインとしてリリースされました。2001年にアメリカで発売したところ、瞬く間に輸入ワイン全米No.1の売り上げを記録し、”伝説を造ったワイン”と呼ばれています。イエローテイルの成功物語は、有名なビジネス書「ブルー・オーシャン戦略」でも紹介されています(後述)。
日本国内でも15万函の実績があり、オージーワインNo.1の座を占めています。国内で発売されている1,000以上のブランドのうち、15万函を超えるのは12ブランドのみだそうです。
イエローテイル(黄色いしっぽ)の名称は、オーストラリアで人気の動物”ワラビー”の同国での愛称にちなんでつけられたものです。

<カセラ・ワインズ~イエローテイルの醸造元>
1969年にイタリア移民のフィリッポ&マリア・カセラ夫妻がニュー・サウス・ウェールズ州に設立した家族経営のワイナリー。約500の栽培農家と契約を結んでおり、オーストラリアのワイン用ブドウの約10%を同社が使用しています。瓶詰マシーンの処理速度は1時間に36,000本で世界最速。通常は8,000本でも早い方とされているそうです。110万ℓのタンクを100本(1,200万ケース分)も所有する大規模なワイナリーです。

★テイスティング
161021 (8)オージーワインセミナー松戸_カベルネ・ソーヴィニヨン
細長いプラスチック・カップが一人ひとつ配られ、テイスティングのレクチャーを受けながら3種のワインをテイスティングしました。ブルーのラベルは7万人の応募の中から選ばれた日本向けのオリジナルで、今年9月より限定販売されているそうです。

<テイスティング・アイテム>
①白:「イエローテイル シャルドネ」alc.13.0%
②赤:「イエローテイル カベルネ・ソーヴィニヨン」alc.13.0%
③赤:「イエローテイル シラーズ」alc.13.0%
価格はすべて、税別1,007円(750ml、希望小売価格)。

どのワインも果実味が非常に豊かで、気候に恵まれた産地のぶどうで造られているように感じられました。個人的には、パイナップルやマンゴーのような南国フルーツの香りが豊かなシャルドネが好みでした。赤は少し甘みが強く感じられましたが、どの銘柄も充分にコストパフォーマンスの良いワインだと思われました。
講師の方は、甘めのソース系の料理(焼きそば、お好み焼き、タレの焼き鳥など)と赤ワインの組み合わせをおすすめしていました。

★おみやげ
161021 (10)オージーワインセミナー松戸_イエローテイル(ハーフボトル)
アンケート用紙と引き換えに、イエローテイルのハーフボトルがお土産に渡されました。

★ブルー・オーシャン戦略
イエローテイルのサクセスストーリーは、有名なビジネス書「ブルー・オーシャン戦略」でも紹介されています。以下、Wikipediaからの引用です。

”(ブルー・オーシャン戦略とは)INSEAD(欧州経営大学院)教授のW・チャン・キムとレネ・モボルニュが著したビジネス書、およびその中で述べられている経営戦略論。
競争の激しい既存市場を「レッド・オーシャン(赤い海、血で血を洗う競争の激しい領域)」とし、競争のない未開拓市場である「ブルー・オーシャン(青い海、競合相手のいない領域)」を切り開くべきだと説く。そのためには、自分の業界における一般的な機能のうち、何かを「減らす」「取り除く」、その上で特定の機能を「増やす」、あるいは新たに「付け加える」ことにより、それまでなかった企業と顧客の両方に対する価値を向上させる「バリューイノベーション」が必要だとしている。そのための具体的な分析ツールとして、「戦略キャンバス」などを提示している。従来からよく知られているマイケル・ポーターの競争戦略が「事業が成功するためには低価格戦略か差別化(高付加価値)戦略のいずれかを選択する必要がある」としている一方、ブルー・オーシャン戦略では「「減らす」「取り除く」ことによる低コスト化と「増やす」「付け加える」ことによる顧客にとっての高付加価値は両立し得る」と主張している。”

(初稿)2016.10.27

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テーマ : ワインイベント
ジャンル : グルメ

[JSA]プレミアム・チリワイン - ワイン9種類をテイスティング(東京・目黒雅叙園) - コスタ、エントレ・コルディリェラス、アンデスの垂直区分。パイス種のロゼ・スパークリング

日本ソムリエ協会(JSA)のセミナーに参加しました。チリという細長い国のワイン産地を「垂直に区分する」という新しい原産地呼称の考え方がとても興味深かったです。

テーマ:「プレミアム・チリワイン」《ワイン9種類をテイスティング》
種 別:JSA関東支部 分科会セミナー
日 時:2016年10月19日(水) 14:00~16:00
会 場:目黒雅叙園2F華つどい(東京都目黒区下目黒1−8−1)
講 師:野坂 昭彦氏(JSA理事。2014年第7回全日本最優秀ソムリエコンクール準優勝)
協 力:ワインズ・オブ・チリ(チリワイン協会)、チリ大使館商務部
料 金:無料(JSA会員価格。一般2,000円)
定 員:150名

★会場
161019 (1)プレミアムチリワイン目黒_会場
会場は目黒雅叙園。大きな部屋がほぼ満席で、チリワインに対する注目度の高さが伺えました。

★チリワインの状況
最初に、野坂理事による講義がありました。チリワインの5つのトピックスにつき、スライドを使ってわかりやすく説明して頂きました。近年、ソムリエ協会教本のチリの項目が拡充されており、復習の際にとても役立ちました。

【1】チリワインの輸入量
2015年の日本への国別ワイン輸入量において、チリワインはフランスワインを抜いて1位になりました。2016年1~8月の最新数値でも、チリワインの416万ケースは、フランスワインの325万ケースを大きく上回っています。ただし、金額ベースではフランスに軍配が上がるため、チリからは安価なワインが多く輸入されていることが伺えます。チリワインは他国のワインと比べてボトル1本につき関税が60円ほど安いため(※)、コンビニやスーパーなどで売られているような安価なワインほどメリットを享受する状況となっています。
(※)2007年7月に日本とチリの2国間で経済連携協定(EPA)が締結され、ワインにかかる関税は2019年9月までに撤廃される予定(足元は逓減中)です。

【2】歴史
チリのブドウ栽培は16世紀半ば、スペインのカトリック伝道者が聖餐用ワインを造るためにパイス種を植えたことに始まります。1818年にスペインから独立した後は、いわゆる鉱山富豪らがワイン産業のスポンサーとなり、チリワインの新しい時代が始まりました。1850年代にはフランスから大量の苗木が輸入され、マイポ・ヴァレーをはじめとするセントラル・ヴァレーの各地にブドウが植え付けられています。当時(19世紀半ば)のブルゴーニュ・ワインはまだ田舎のワインという認識であったため(?)、輸入されたのはすべてボルドー品種でした。このため、1980年代から1990年代にかけての世界的なヴァラエタル・ワインブームの際に、(カベルネ・ソーヴィニヨンと並ぶメイン品種であった)シャルドネが植えられていないという問題が発生しました。栽培家たちは、セミヨンやソーヴィニヨンの樹を切って、そこにシャルドネを接ぐことで生産量を増やそうとしたそうです。
19世紀後半にはフィロキセラの被害に喘ぐヨーロッパのワイン産地から栽培家や醸造家たちがチリに移住してきました。彼らの造るワインはヨーロッパへと輸出され、1889年のパリ万博ではチリワインの品質が大いに評判になったそうです。
1970年代から1980年代初にかけては、チリのブドウが深刻な生産過剰状態に陥りました。ブドウ価格はほとんどタダ同然になりましたが、農産物の価格引上げ策などが功を奏し、1980年代半ばにはワイン産業に活気が戻りました。
現代のチリワイン産業は「シンプルでマーマレードのようなヴァラエタル・ワイン」と言われる状況から抜け出すべく、テロワールをより重視した付加価値のあるプレミアムワイン造りへと舵を切っています。

【3】ブドウ品種
栽培面積(2014)の上位3位は、ボルドー品種が占めています。
1位:カベルネ・ソーヴィニヨン 41,522ha
2位:ソーヴィニヨン・ブラン 14,132ha
3位:メルロ 11,649ha
4位:シャルドネ 10,571ha
全体:128,638ha(黒: 95,095ha, 白:33,543ha)

フィロキセラ被害も秋雨の心配もないチリでは、19世紀半ばの状態が手つかずのまま引き継がれています。畑の新陳代謝は「プロヴィナージュ(成木の枝を誘引して土中に埋め、発根したら切り離して新株を得る手法)」で行われるため、接ぎ木の手間もかかりません。
チリの農業省農牧庁SAGの植物検疫は非常に厳しく、新品種を外国から輸入する際は検疫所で2~3年かけてウイルス・チェックなどを行うことが義務付けられています。

<フィロキセラ・フリーの理由>
「ブドウの生育期間を通じて乾燥状態が続く」という恵まれた自然環境こそが、チリがフィロキセラ被害から免れた理由であるようです。
2016年のソムリエ協会の教本には、“「東をアンデス、西を太平洋、北をアタカマ砂漠、南を南氷洋に囲まれているチリは自然の要塞でフィロキセラを寄せ付けない」と説明されることがしばしばある。だが、フィロキセラの住む(アルゼンチンの)メンドーサとは、毎日たくさんのトラックが往来しているから、いつでもフィロキセラは侵入できるはずだ。だからこの説明には無理がある。”と記されていました。
現在に至るまでチリにフィロキセラの被害は報告されていませんが、以下の理由から北米台木への接ぎ木を取り入れる栽培家も増えているそうです。
・水田のようなナチュラル灌漑からドリップ・イリゲーションに切り替えるとフィロキセラが発生するリスクが高まる。
・ネマトーダ(ネコブセンチュウ)という害虫対策。
・ヴィティス・ヴィニフェラの根は怠惰で地表近くに水分があるとそこに居座り、地中深くまで入り込もうとしない。

<ヴィーニョ VIGNO ~ ひそかなカリニャン・ブーム>
1939年のイタタ・ヴァレーの大地震でカウケネスのパイス種が壊滅した際、代替品主としてフランス・ラングドック地方のカリニャンが導入されました。大量生産の時代だったため、収穫量の多い品種が選ばれたそうです。
戦後からヴァラエタル・ワインの全盛期にかけて、需要が減少したカリニャンはすっかり放置されていました。しかし、ほんの少ししか実を付けなくなった古木のカリニャンをワインにすると凝縮したすばらしい品質であったため、ヴィユー・カリニャンを売り出すVIGNOが誕生しました。
VIGNOの製造基準:カリニャンのヴァラエタル・ワインであり、以下のブドウを65%以上使用していること。
・樹齢30年以上。
・灌漑をしていない(ドライ・ファーミング)畑で株仕立て(エンバソ)。
・マウレ・ヴァレーのブドウ。

【4】ワイン法と品質分類
<原産地呼称>
チリの原産地呼称はD.O.。ただし、フランスのA.O.C.のような収穫量の制限や栽培品種の特性、熟成期間などの醸造法等に関する規制はありません。また、州>県>市町村に分割されていますが、A.O.C.のようなピラミッド型の品質階層ではなく、栽培面積の大小を表しているにすぎません。

<ラベル表記>
原産地D.O.、ブドウ品種、収穫年のラベルへの表記は、75%以上使用されている場合に限られます。

【5】気候風土の優位性
161019 (4)プレミアムチリワイン目黒_map - コピー
<新しい原産地呼称表示 ~ 垂直区分>
チリのブドウ栽培地域は国土のほぼ中間部分(南緯27~39度までの約1,400km)にあり、産地ごとの特徴は北部、中央部、南部と“水平に区分”して捉えられてきました。しかし、1,000kmも離れているD.O.リマリ・ヴァレーとD.O.ビオビオ・ヴァレーの栽培品種やワインに共通項が多い一方で、東西に50kmしか離れていないD.O.マイポ・ヴァレーとD.O.カサブランカ・ヴァレーでは大きく異なる等の現象があり、チリのワイン産地は(水平区分よりも)気候の特徴や土壌の組成に沿って“(東西に)垂直に区分するほうが適している”という考え方が生まれました。そこで、2011年より、従来の原産地呼称表記に「コスタ」、「エントレ・コルディリェラス」、「アンデス」というニ次的な産地表示を付記することができるようになりました(当該産地のブドウを85%以上使用している場合に限られます)。

①コスタCosta ~ 海岸に面した畑。コースタル。
海から内陸に向かって冷たい海風が吹く地域(南極海から流れるフンボルト寒流の影響。真夏でも海水が冷たいため人々は海水浴ではなく浜辺での日光浴を楽しむ)。土壌にもカルシウムなど海洋性の要素を多く含んでおり、ワインにミネラルや塩味、心地よいシャープな酸味などをもたらす。ソーヴィニヨン・ブラン、シャルドネ、ピノ・ノワールなど冷涼地に適した品種が主体。独特の香味を持つ冷涼地シラーや冷涼地メルロも注目を浴びている。

②エントレ・コルディリェラスEntre Cordilleras ~ 海岸山脈とアンデス山脈の間。中央部の平地。
地中海性気候で肥沃な沖積土壌に恵まれた地域。テロワールは多様で北部と南部では大きく異なる。チリワイン生産の約60%を占め、同国を代表する赤ワインの多くがこの地で造られている。スペインの開拓者が初めてブドウ畑を開いた地。

③アンデスAndes ~ アンデス山脈側の斜面。ヒルサイド。
崩積土(斜面の麓に溜まった土壌)や火山性土壌で構成されており、凝縮した高品質のブドウを生む地域。早朝にアンデス山中で形成された冷気の塊が、朝日とともに麓へ吹き下ろす(ラコ)。そのため、山の麓のブドウ畑は比較的涼しく風通しも良い。遅霜の降りる心配もない。日中は強い日射しを受ける斜面も夜には急激に冷えるので昼夜の寒暖差が大きい。アンデスの雪解け水があるため灌漑も容易。

★テイスティング・アイテム
161019 (11)プレミアムチリワイン目黒_テイスティングアイテム(ボトル9本)
1. 「Sauvignon Blanc Aconcagua Costa 2015」D.O. Aconcagua “Costa” (Errázuriz) 3,800円
2. 「Chardonnay Reserva de Familia 2014」D.O. Límari “Costa”(Santa Carolina) 2,920円
3. 「Riesling Single Vineyard Block 23 2015」D.O. Bío Bío“Entre C.” (Cono Sur) 1,950円
4. 「Pinot Noir Marea 2013」D.O. Leyda “Costa” (Luis Felipe Edwards) 2,300円
5. 「Syrah Valle de Aconcagua 2014」D.O. Aconcagua “Entre C.” (Arboleda) 非売品
6. 「Cabernet Sauvignon Montes Alpha 2007」D.O. Colchagua “Entre C.” (Montes Alpha) 非売品
7. 「Coyam 2012」D.O. Colchagua “Entre C.” (Emiliana) 3,500円
8. 「Carmènere Carmin de Peumo 2010」D.O. Cachapoal “Entre C.” (Concha y Toro) 23,000円
9. 「País Santa Digna Estelado Rosé N.V. 」D.O. Secano Interior (Miguel Torres) 2,200円

<白ワイン>3種
161019 (6)プレミアムチリワイン目黒_白3種

1.アコンカグア(33°S.。コスタ)のソーヴィニヨン・ブラン100%。Alc.13.5%、ph3.18、残糖1.08g/l。ステンレスタンク発酵、3カ月シュール・リー。品種特性のパッションフルーツやツゲのような香りががしっかり感じられる。味わいのアタックは強く、凝縮した果実感があり、中盤からしっかりした酸味が口中を引き締める。ミネラルも豊か。余韻にはコスタの特徴である少しの苦味と塩味を残す。エラスリス社。

2.サンタカロリーナ社のシャルドネ。ブドウはリマリ・ヴァレー産90%と、石灰質土壌のレイダ・ヴァレー産10%をブレンド(前者は31°S.。アンデス、後者は34°S.。コスタ)。Alc.14%。発酵はフレンチオーク樽90%、ステンレスタンク10%。MLFは10-30%でヴィンテージ毎に比率を変えている。外観は輝きのある濃いめのイエローで粘性は高め。香りには熟した黄色いりんごや洋梨のコンポート、ストーンフルーツ系の果実に加えて、MLF由来のアーモンド、樽からの香ばしいトースティーさも感じられ複雑でリッチ。アタックは力強くヴォリューム感があり、ふくよかな果実味ときれいな酸のバランスとれている。

3.ビオビオ・ヴァレー(37°S.。エントレC.)のリースリング。カルシウムを多く含む粘土石灰質土壌でドライ・ファーミング。Alc.13.6%、ph2.9、残糖5.95g/l。ステンレスタンクで低温発酵し、MLFも樽熟成も行わない。外観は緑がかったイエローで、粘性はしっかり。トップノーズはアロマティックで、黄色い果実やカモミール、ジンジャーなどの香り。ふくよかな果実味とヴォリューム感が感じられるが、鋭角な酸味がボディを引き締め、余韻にかけてフレッシュ感を残す。コノスル社。

<赤ワイン>5種
161019 (9)プレミアムチリワイン目黒_テイスティングアイテム9種(グラス)

4.レイダ・ヴァレー(34°S.。コスタ。海岸山脈の西側にあり、海からわずか7km)のピノ・ノワール。クローンは777を使用。海からの冷たい風を受け、ぶどうは酸をキープしながらゆっくりと糖度を上げる。Alc.14%、ph3.4。ホールバンチ(全房)20-50%と残りをホールベリー(除梗破砕後)で別々に発酵。オーク樽で10カ月ほど熟成。外観には熟成を感じさせるグラデーションが見られ、粘性はしっかり。香りは非常に複雑でサワーチェリーなどの赤系果実に加えてスパイス、クローブ、熟成した生肉、湿った土などを感じさせる。上品な果実味と繊細な酸、心地よい熟成香が楽しめるエレガントなワイン。

5.アコンカグア(33°S.。アンデス)のシラー。若干海風の影響も受ける半地中海性気候。Alc.14%、ph3.56。ステンレスタンク発酵後にフレンチオーク樽で12カ月熟成(新樽10%)。外観は黒みがかった濃いめのルビーで、エッジには紫のトーン。粘性はしっかり。濃縮感のあるブラックベリーやスパイス、樽由来のバニラやビターチョコレートの香り。わずかにメントールのニュアンスも。味わいは濃縮感のある果実味が主体だが、余韻にしっかりした上品な酸が残るためフレッシュでエレガントな印象に。アルボレダはカリフォルニアのロバート・モンダヴィとエラスリス社5代目当主エデュアルド・チャドウィックにより誕生したチリのブティック・ワイナリー。

6.プレミアム・チリ・ワインの元祖であるモンテス・アルファ社のカベルネ・ソーヴィニヨン。メルローを10%ブレンド。コルチャグア・ヴァレー(34°S.。エントレC.)。Alc.14.5%。フレンチオーク樽で12カ月熟成。中心部の黒味がしっかりした濃い色調で、エッジにはわずかにオレンジのニュアンス。ブラックベリーやカシスリキュールのような黒系果実の濃縮した香りに加え、甘苦いリコリス、樽由来のビターチョコ、スパイス、土、レザーなどの複雑な香り。ローズマリーやセージなど温暖地のハーブの清涼感も。ふくよかな果実味、円みのある酸味、成熟したタンニンのバランスが良く、熟成のポテンシャルを感じさせる。同社では風水も導入。建物入口には中国語の言葉も。

7.コルチャグア・ヴァレー(34°S.。エントレC.)。ブレンド比率はシラー39%、カルメネール32%、メルロ17%、カベルネ ソーヴィニョン9%、ムールヴェードル2%、マルベック1%。エミリアーナ・ヴィンヤーズは2001年にチリのワイナリーとして初のISO14001を獲得し、所有する1,117haの畑のうち約600haが有機栽培(IMO認定)とバイオダイナミック(デメター認定)で、残りも有機栽培に移行中。同国最大の有機栽培畑を持つ100%自社畑のワイナリー。商品名の「コヤム」はアルゼンチン南部の先住民の言葉で”多くの樹”を表し、畑が多くの樹で囲まれていることに由来。土壌は崩積土。Alc.14.9%、ph3.59.グラヴィティ・フロー(重力を利用して果実やワインを移動させる方法)などの近代醸造技術を導入。6度でコールド・プレマセレーションを行った後、ステンレスタンクで22-25℃で28日発酵。MLFは木樽内で自然に行い、熟成は13カ月。外観は濃いめのルビー色でエッジには若々しい紫のトーン。カシスやブラックベリーの黒系果実に加え、スパイス、リコリス、シナモン、樹皮などの複雑な香りが層をなすレイヤーのある香り。豊かな果実味となめらかな酸、丸みのある成熟したタンニンのバランスがよい。

8.カチャポアレ・ヴァレー(34°S.。エントレC.)のカルメネール。年間3千本しか造らないコンチャ・イ・トロ社のアイコニック・ブランドで、エラスリス社のカイ(KAI)と双璧を為すカルメネールの傑作と言われる。カルメネール86%、カベルネ・ソーヴィニヨン7.5%、カベルネ・フラン6.5%。チリではカルメネールの収穫を最後の5月下旬に行う(早く収穫するとメトキシピラジン由来の青っぽい香りが出てしまうため)。Alc.14.5%、ph3.54。ステンレスタンク発酵でMLFは自然に行い、熟成はフレンチオークの新樽を100%使用。瓶熟12カ月。ノン・フィルター。外観は濃いガーネットでグラデーションは見られずまだ発展段階。香りはカシスリキュールやブラックベリー、ブラックチェリーなどの凝縮感の強い黒系果実に加え、木樽由来のロースト香やバニラビーンズ、ビターチョコ、スパイスなどの複雑な香り。微かなメントール香が爽やかさを与える。味わいのアタックには濃縮感のある果実味を感じ、上品な酸味と滑らかなタンニンのバランスが見事でフィネスを感じさせるワイン。提供の2時間前にダブル・デキャンタ済み。

<ロゼ・スパークリング>1種
161019 (10)プレミアムチリワイン目黒_パイス - コピー
9.16世紀にチリに持ち込まれた伝統品種「パイス種」を100%使用したロゼのスパークリング・ワイン。パイス種の需要激減に悩む約50,000軒の栽培農家を救うため、2008年よりミゲル・トーレス社、タルカ大学、チリ政府が共同研究を行い、3年がかりで同商品を開発。商品名の「エステラード」はスペイン語で星を意味する「Estrella」に由来した造語。Alc.12%、ph3.0、残糖9.0g/l。一次発酵は17℃で19日間、二次発酵は瓶内で9カ月間。外観は桜の花びらのような淡いピンク色で、きめ細やかな泡立ち。ラズベリーなどの赤系果実やピンク・グレープフルーツなどの果実香に加えてバラの花のような香りも。爽やかなフルーツ・フレーヴァ―と心地よい炭酸ガスの刺激、余韻にほのかな滓由来の旨味が感じられる。

(初稿)2016.12.10

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テーマ : ワイン
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[JSA]ディアマンデス:ボルドー特級シャトーがアルゼンチン最高のテロワールで醸す極上ワイン @品川

日本ソムリエ協会(JSA)のセミナーに初参加。

ディアマンデスはボルドー・スタイルのワインをアルゼンチンのテロワールで表現することを目指して設立されたワイナリー(ボデガ)。

テーマ:ディアマンデス:ボルドー特級シャトーがアルゼンチン最高のテロワールで醸す極上ワイン
種 別:JSA関東支部 分科会セミナー(会員有資格者のみ)
協 賛:国分(株)
日 時:2014年6月1日(日) 14:00~16:00
会 場:TKPガーデンシティ品川(品川駅・高輪口から徒歩1分)
講師1:ブルーノ・ラプレーン氏(ボデガ・ディアマンデス ゼネラルマネージャー)
講師2:中本 聡文氏(関東支部支部長/ロオジェ シェフソムリエ)
料 金:1,000円(JSA会員価格)


★ディアマンデスについて
・DiamAndes。アンデスのダイヤモンド(Diamondo+Andes)を意味する造語。ダイヤモンド湖から流れる川から灌漑していることと、生産者の想い(ダイヤモンドのように輝きのある美しいワインを造りたい)に由来。
・マラルティック・ラグラヴィエール(仏ボルドー地方のグラーヴ特級格付シャトー。コミューンはレオニャン。以下、シャトーM.L.)とミシェル・ローラン氏(仏醸造コンサルト界の大家)が組んで2005年に設立。
・2007年より醸造開始、2011年より発売開始。
・アンデス山脈の麓、標高1,100mに位置するメンドーサ地区のUco Valleyに135haの広大な所有地を持ち、うち110haをエステート(自社畑)としてブドウ栽培から醸造・熟成・瓶詰までボルドーと同じく一貫して行う。
・ボルドーと似た水はけのよい砂や粘土、砂利、大きな石の多い沈泥質土壌、朝晩と日中の温度差。
・黒ブドウ=101ha(マルベック66%、カベルネ・ソーヴィニヨン17%、メルロー7%、シラー7%、プティヴェルド3%)。
・白ブドウ=9ha(シャルドネ72%、ヴィオニエ28%)。


★ディアマンデスのワイン造り
・ぶどうは自社栽培のみを使用。収穫はすべて手摘み。
・白ブドウは圧搾後に果汁のみをオーク樽でアルコール発酵。黒ブドウは選果台からパイプで発酵タンクに送らず、容器に入れて人力で運ぶ(圧力でブドウが傷つくのを防ぐため)。
・発酵タンクは64基。欧州でも稀少なステンレス製の「ダブル・ジャケット(温度管理機能付き)」採用。外面と内面の間に5㎝層の"ポリウレタン"内蔵。発酵中のブドウの膨張・収縮を柔らかく吸収し、温度変化を最低限に抑え、ストレスを与えずに液体を抽出する。
・熟成用のフレンチオーク樽はシャトーM.L.と同じものをボルドーから輸入。


★テイスティング・アイテム
140601JSAディアマンデス
全て銘柄名はディアマンデス。D.O.ウコ・ヴァレー(メンドーサ地域)。
米Wine Advocate誌(パーカー)にて④88点、⑤92点獲得。
①シャルドネ 白 2012(税別3,600円)100%
②ヴィオニエ 白 2012(税別3,600円)100%
③ペルリータ 赤 2012(税別2,500円)マルベック80%、シラー20%
④マルベック 赤 2010(税別3,300円)マルベック90%、カベルネ・ソーヴィニヨン5%、シラー3%、プティヴェルド2%
⑤グラン・レゼルヴァ 赤 2008(税別5,000円)マルベック75%、カベルネ・ソーヴィニヨン25%
⑥グラン・レゼルヴァ 赤 2009(予価6,000円)⑤と同じ。バレル・サンプル


<テクニカル情報より>
・土壌はシルト(沈泥質土壌)、植密度は5,500本/1ha、根茎は100%クローン。
・平均樹齢は、①②8年、③6年、④10年、⑤⑥30年。
・仕立てはマルベックが”コルドン”、それ以外は黒・白ともに”ダブル・ギュイヨ”方式。
・収穫は手摘み、3℃の冷暗室で一晩寝かす。
・収量(ヘクトℓ/1ha)は、①42、②39、③52、④43、⑤32、⑥36。
・黒は夏季にグリーン・ハーベスト実施。
・選果は房単位と粒単位の2段階。
・白の発酵はフレンチオーク樽で10日間、20~22℃。マロラクティック発酵を行う。赤の発酵はダブルジャケットで約10日間、26~28℃。ルモンタージュとピジャージュ併用。
・熟成は主にアリエール産のフレンチオーク樽(シャトーM.L.と同じもの)を使用。
・熟成期間は①②③10カ月、④12カ月、⑤⑥24カ月。
・白①②の新樽比率は60%、焦がしはミディアム。赤③は全量古樽(1年・2年・3年使用を1/3ずつ)、④は新樽50%、⑤⑥は新樽70%。
・定期的に滓引きを行う。
・ろ過は行うが清澄作業は行わない。


<商品コメントより>
①完熟したパイナップルやパッションフルーツなどのトロピカル系果実やグレープフルーツなどの柑橘系フルーツの香りに溢れ、フルボディで引き締まった酸味とのバランスに優れておりエレガントな印象のワイン。南米特有の果実味が勝ったタイプではなくブルゴーニュ・スタイルを目指した。

②ヴィオニエは元々シャルドネとのブレンド用に栽培していたが、あまりにも高品質なブドウが収穫できたのでシングル・セパージュに。ニューワールドでありながらコンドリューを想わせる複雑で完成度の高い1本。青リンゴや桃、洋梨、杏といった果実やジャスミンなど白い花、アーモンドや火打石のニュアンスも感じミネラルも豊富。

③ディアマンデスのセカンド。ペルリータはスペイン語で真珠。マルベックの濃厚でボリューム感のある味わいに、滑らかさのあるシラーをブレンド。フルボディーでリッチ、ボルドースタイルのエレガントさやチャーミングな印象も同時に実現。濃密な果実が前面に出ながらもタンニンは柔らかくシルキーでスムーズな喉越し、心地よいアフターが長く続く。

④メイン商品。ブラックベリーやカシス、チョコレート、胡椒とともにスモーキーな香り。アタックはパワフルだが収斂されたタンニンは優しくエレガントな印象。

⑤⑥フラッグシップ・ワイン。アルゼンチンのマルベックらしい密度の濃さやパワフルな果実味を持ちながら、タンニンは柔らかく、洗練された喉越しを両立。110haの敷地で栽培された平均樹齢約10年のブドウに加え、同じウコ・ヴァレーの3haの畑で栽培された平均樹齢60~80年のマルベックをブレンド(商品の平均樹齢は約30年)。


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テーマ : ワイン
ジャンル : グルメ

プロフィール

Nomura Seiji

Author:Nomura Seiji
・お酒と薬膳理論の入門講座、飲酒教育
 nomuras.jimdo.com
・JSAワイン検定講師
・JSAワインエキスパート
・1971年生
・東京在住

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