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【見学】竹田酒造店(新潟・上越市)- IWCでトロフィー賞に輝いた『かたふね』の蔵元。日本酒の本来の色は黄色!?

『かたふね』の蔵元、竹田酒造店を見学しました。明るくて勉強熱心な若奥様が丁寧に蔵の中を案内してくださいました。ろ過を(ほとんど?)していない酒の色が”鮮やかな黄色”であり、瑞々しい果物のような香りを放っていたことが衝撃的でした。

日時:2016年12月29日(木) 13:30~15:00頃
場所:竹田酒造店(新潟県上越市大潟区上小船津浜171)
内容:見学、試飲(ガイド付き)
料金:無料
交通:JR普通列車(18きっぷ、1日当たり2,370円)、北越急行ほくほく線(1,290円)


★アクセス
161229 (5)上越線の車窓(雪景色)
161229 (10)上越線車窓
この日はまず18きっぷを使って、東京都内から新潟県の越後湯沢駅まで行きました(上野駅6:26→8:16高崎駅8:24→9:31水上駅9:47→10:21越後湯沢駅。通常運賃3,350円)。写真は越後中里駅付近の車窓の雪景色。冬場の上越線は情趣に富んだ風景が楽しめます。
161229 (32)ほくほく鉄道_越後湯沢駅
161229 (33)ほくほく鉄道_切符
越後湯沢駅で少し休憩した後、北越急行ほくほく線の快速で犀潟駅[さいがた-]へ(越後湯沢駅11:48→12:49犀潟駅)。越後湯沢駅から犀潟駅まで1,290円の切符を新たに購入しましたが、六日町駅まではJR線の管轄だったので320円ほど二重払いだったようです...
161229 (84)犀潟駅
犀潟駅には、JR信越本線と北越急行ほくほく線の2線が乗り入れています。駅から竹田酒造店までは約2km。駅前にタクシーが常駐していなかったので、歩いて酒蔵を目指しました。
161229 (40)竹田酒造店_アクセス(新堀橋)
161229 (52)竹田酒造店_外観
犀潟駅前の横断歩道を渡って小道を直進し、突き当りを右折して県道129号線をまっすぐ進むと右側に酒蔵があります。


★酒蔵見学の概要
161229 (50)竹田酒造店_売店の外観
161229 (54)竹田酒造店_売店のカウンター
竹田酒造店では11月~2月の酒造期に蔵見学を行っています(少人数単位、事前予約制)。入口のインターホンを鳴らすと、1歳半のかわいい女の子を抱いた若奥様が出迎えてくれました。2年前にHPをリニューアルして以来見学者が増えており、年の瀬にもかかわらず前日と翌日にも予約が入っているとのことでした。


★竹田酒造店
161229 (43)竹田酒造店_かたふね、上小舟津
創業は1866年(慶応2年)。竹田清左衛門が漁舟の船着場である上小舟津[かみこふなづ]にて酒造業を開始したことにさかのぼります。創業以来の酒銘である『潟舟[かたふね]』は、砂丘に点在する”潟”と、漁船の発着場である上小舟津の”舟”に由来します。
現在の蔵元(代表社員)は9代目の竹田成典氏。9代目の奥様と10代目の竹田春毅専務ご夫妻の4人で400石の蔵を経営されています。酒造期には季節労働の蔵人が、近隣の市から4名ほどやってくるそうです。


★海辺の砂丘の上で醸す酒
161229 (46)竹田酒造店近隣の海岸への道
竹田酒造店は日本海から約200mほど内陸に位置しています。蔵が位置するところは砂丘ですが、道を一本隔てた海側は干潟を埋め立てているため、地震の際の揺れ方が全然異なるそうです。仕込み水は、砂丘でろ過された少し硬めの水を地下60mから汲み上げていますが、海に近くても、ヨードや潮の香りが酒に出ることはないそうです。
見学時の雪を心配していましたが、この辺りは海風が強く吹きつけるため、雪が積もることは少ないそうです。


★酒造工程
赤ちゃんをご家族に預けた若奥様が、蔵内を案内してくださいました。蔵内ではヘッドキャップを着用します。
口頭での説明に加え、蒸米、製麹、仕込みなどの重要なポイントはiPadを使って作業風景の動画を見せてくださいました。

<洗米、蒸米>
161229 (58)竹田酒造店_蒸米用の釜
精米所から届いた米は洗って水分を吸わせた後に、100度の蒸気で蒸されます。写真は甑を乗せる釜。iPadの動画ではボイラーの蒸気で一面が真っ白になっており、ピーッという大きな機械音?が響き渡っていました。
『かたふね』に使われる米は、越淡麗、こしいぶき、山田錦。米の特徴を引き出すために、一反につき八俵以上つくらないよう契約農家に依頼しているそうです。

<放冷>
161229 (65)竹田酒造店_放冷機
蒸し上がった米は、放冷機で30度台に冷却されます。
161229 (67)竹田酒造店_放冷機(送風部)
この部分から冷たい外気を取りこんで、、、
161229 (66)竹田酒造店_放冷機(網)2
網の下から冷たい風が送られ、この上でばらした蒸米を冷ましていきます。

<製麹>
161229 (68)竹田酒造店_麹室
写真奥は米麴を造る麹室。麹造りは社長親子が行っているそうです。

<酒母室>
161229 (77)竹田酒造店_酒母室
酒母室。米麹に水と乳酸菌と酵母菌を加えて酒母を造る部屋。

<仕込み>
161229 (64)竹田酒造店_仕込蔵
酒母に掛米と麹と水を加えて醪をつくる仕込蔵。青いベストを着ている方は杜氏さん。すれ違った社長さんは赤いベストを着ていました。
161229 (69)竹田酒造店_米を送るホース
蒸米は写真のホースを使って仕込蔵へ送られます。
161229 (73)竹田酒造店_仕込みタンク
161229 (72)竹田酒造店_仕込みタンク(内部)
はしごを昇って、仕込みタンクの中も覗かせて頂けました。

<ろ過>
161229 (70)竹田酒造店_ろ過作業2
大きな金属製のたらい?の中の酒の色は、なんと鮮やかな黄色!
滓引き後、ろ過をしていない(殆どろ過をしていない?すろ過?の)状態の酒は、このような色をしているそうです。ここまで鮮やかな黄色の酒をみたのははじめてだったので衝撃的でした。作業をされていた杜氏さん曰く、「ろ過をするごとに愛想がなくなる」ため、活性炭などを使いすぎないようにしているそうです。このような酒は「ボジョレーヌーボーよりうまい。」と仰っていましたが、確かに、もぎたての果物をぎゅっと絞ったような瑞々しくフルーティーな香りを放っていました。
161229 (71)竹田酒造店_ろ過機のアップ
ろ過機のアップ。ここで濁りの度合いを見ながら、再びろ過器を通すかタンクへ送ってよいかを判断するそうです。

<貯蔵>
161229 (78)竹田酒造店_貯蔵タンク
土蔵の仕込蔵を通り抜け、鉄筋コンクリート造りの貯蔵庫へ。蔵内には4本の貯蔵タンクが並んでいました。

<瓶詰、包装>
続いて受付(入口)の対面の建物へ。中では女性のスタッフさんが作業をされていました。
161229 (80)竹田酒造店_ラベルの手貼り作業
ラベル貼りは、ほぼ手作業で行っているそうです。寸分のゆがみなくスピーディーに作業されている様子は、思わず見とれてしまいます。ちなみに、酒を低温加熱殺菌する”火入れ”は、瓶詰後に徐々に加温する「瓶燗[びんかん]火入れ」にこだわっているそうです。
161229 (81)竹田酒造店_瓶の包装作業
包装紙で包む作業も職人技の速さでした。


★試飲
最後に受付に戻り、9代目の奥様が試飲をさせてくださいました。
161229 (83)竹田酒造店_試飲
①『かたふね 特別本醸造』こしいぶき・越淡麗、精米歩合60%、alc.16度
②『かたふね 純米吟醸』こしいぶき・山田錦、精米歩合55%、alc.16度
③『かたふね 純米』越淡麗・こしいぶき、精米歩合65%、alc.16度

口に含むと米のうま味が広がり、余韻にはしっかりとキレが感じられるある味わいでした。

新潟県は淡麗辛口のイメージがありますが、『かたふね』の身上は「コクのある旨口」。会社概要には、「本来日本酒は味があるもの。口に含んだときにパッと深みが広がり喉元でスッと切れる。そう言う幅のある酒が理想。需要はあっても水のような酒は造らない。」と紹介されていました。食中酒へのこだわりも強く、目指しているのは料理を”引き立てる”ような酒。若奥様によると、社長が案内文を考えている際に「料理の”邪魔をしない”ではないんだよなぁ...」とつぶやいていたそうです。

161229 (97)武田酒造店_かたふね生貯蔵酒
旅のお伴用に本醸造を2本購入しました。
①「かたふね 特別本醸造 ひやおろし 生詰」精米歩合60%、alc.16度
②「かたふね 本醸造 生貯蔵」精米歩合65%、alc.15度

『かたふね』の本醸造は2015年のIWC(※)で「トロフィー賞」を受賞しています(同部門には44銘柄、44蔵元がエントリー。2013年以来、2度目の受賞)。

(※)IWC(International Wine Challenge):英国ロンドンで毎年4月に開催されるワインの品評会。日本酒部門(Sake Category)は2007年に新設。9つのカテゴリー(純米大吟醸酒、純米吟醸酒、純米酒、大吟醸酒、吟醸酒、本醸造酒、普通酒、古酒、スパークリング)ごとに審査員がブラインド・テイスティングを行い、金メダル・銀メダル・銅メダル・大会推奨酒を選定。各カテゴリーにおいて金メダルを獲得した出品酒のうち、さらにそれ以上のレベルに達していると認められたものに、「トロフィー」が与えられ、さらに「トロフィー」のなかから、日本酒部門の最高賞(9部門の中での最高評価)「チャンピオン・サケ」が与えられます。また金メダルの中で日本での小売価格が1,000円以下、かつ、生産量が四合瓶換算で10万本以上の銘柄の中から 「グレートバリュー」が選ばれ、その中から優れていると評価されたものに「グレートバリューアワード」が与えられます。


★帰路
161229 (89)犀潟駅
帰路は再び18きっぷを使い、宿泊先の新潟市内に向かいました(犀潟駅15:17→16:38長岡駅17:02→18:19新潟駅。通常運賃2,270円)。
161229 (92)信越本線車窓
車窓からは間近に迫る日本海の風景が楽しめました。


(初稿)2017.8.15

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【見学】吉乃川の酒蔵資料館 瓢亭(新潟・長岡市) - 機械化はできても自動化しない。『極上吉乃川』を醸す県内最古の酒蔵

"18きっぷで行く新潟の酒蔵めぐり”の3日目。今代司酒造に続いて吉乃川[よしのがわ]を訪ねました。スーパーやコンビニなどでよくみかける『極上吉乃川』の蔵元は、日本で10位以内の古い歴史を持つ老舗でした。

日時:2014年9月10日(水) 13:30~14:30頃
場所:吉乃川(新潟県長岡市摂田屋4丁目8-12)
内容:映像視聴、試飲
料金:無料

★アクセス
140910JR線きっぷ(新潟駅から宮内駅)
新潟駅からJR信越本線とJR越後線を乗り継いで最寄り駅の宮内駅へ。運賃は1,140円。この日は乗車区間が短いので18きっぷを使いませんでした。
140910宮内駅_外観
宮内駅から吉乃川までは約800m、徒歩10分。宮内駅前には、新潟四大ラーメンのひとつに数えられる”長岡生姜醤油ラーメン”の青島食堂があります(後述)。
140910吉乃川 (1)外観
宮内駅前交差点を右折し、県道370号をまっすぐ進むと左手に吉乃川の建物が見えてきます。
140910吉乃川 (2)瓢亭への案内図
今回見学する酒蔵資料館の瓢亭[ひさごてい]は、敷地の裏側の旧三国街道沿いにあります。平日の営業時間内のみ工場内を通り抜けることができます。
140910吉乃川 (4)旧三国街道
旧三国街道は中山道の高崎から北陸街道の寺泊を結ぶかつての要路。今は細い道ですが、むかしは参勤交代の行列がここを通っていたそうです。
140910吉乃川 (7)瓢亭入口
瓢亭の入口。
140910吉乃川 (8)瓢箪
風情のある細長い瓢箪が飾られていました。

★瓢亭(酒蔵資料館)
140910吉乃川 (10)瓢亭_内部
瓢亭の見学は完全予約制で1日3回(10:00~、13:30~、15:00~)、各60分、料金は無料です。製造場の見学はできませんが、ここで映像視聴と試飲ができます。館長(さんだと思います)が会社の概要や酒造りの流れなどを説明してくれました。
140910吉乃川 (11)正三尺玉
館内には昔の酒蔵用具や写真などが展示してあります。吉乃川が協賛した正三尺玉(花火)も飾られていました。

<創業>
140910吉乃川(6)看板copy
吉乃川の前身である若松屋の創業は1548年(天文17年)。県内で最古、日本でも十指に入るほどの古い歴史を持つ老舗だそうです。現在の当主・川上浩司氏で19代目を数えます。

<蔵人>
140910吉乃川 (3)工場敷地内
酒造りに携わる蔵人はかつて50人ほどいましたが、機械化が進んだ現在は10人をきっているそうです。むかしは夏場は農家、冬だけ酒造りを行う出稼ぎでしたが、現在は社員制度になっています。蔵人はおもに越路[こしじ]から通勤してくるそうです。

<酒造り>
酒造りは「一麹、二酛、三造り」といわれるように麹造りが重要。吉乃川は「中越式自動製麹機」を開発しましたが、大吟醸の麹は今でも手作業で造っているそうです。説明をしてくださった男性スタッフもかつて手伝ったことがあるそうですが、「人が動くと空気の流れが変わるから『動くな!』と怒られた。」というほど、デリケートな作業だったそうです。

醸造技術が進化した現代においても、微生物を相手にする酒造りを完全にオートメーション化することはできないそうです。

「機械化できても自動化しない」という言葉が強く印象に残りました。

★仕込み水(天下甘露泉)
140910吉乃川 (15)天下甘露泉
吉乃川の仕込み水『天下甘露泉』は蔵の敷地内の井戸からくみ上げられます。信濃川の伏流水と東山連峰の雪解け水が地中深くで交わりあった”ミネラル分を程よく含む軟水”で、吉乃川の”飲み飽きしないさらりとした酒質”を醸し出しています。『天下甘露泉』という名称は、清水寺の大西良慶[おおにし・りょうけい]貫主により命名されたそうです。吉乃川の川上社長は、清水寺の貫主を選出する5人の総代のひとりだそうです。
140910吉乃川 (9)蔵元の仕込み水
天下甘露泉はペットボトルで販売されています。硬度は57mg/l。100mlあたりの栄養成分表示は以下の通りです。
エネルギー、たんぱく質、炭水化物=0
ナトリウム=2.3mg
カルシウム=1.4mg
マグネシウム=0.54mg
カリウム=0.70mg

★試飲
140910吉乃川 (14)試飲2
最後に、10種近くの試飲をさせて頂きました。
女性スタッフの方がひとつひとつの銘柄の説明をしてくださったので、違いがよくわかりました。

印象的だったのは、日本酒に梅を漬け込んだ『厳選梅酒』。女性スタッフが「(梅酒を)少し残しておいてください」と言い、次に出して頂いたのが、その梅酒を漬け込んだ「生原酒」。アルコール度数の強い生原酒で梅酒を割ると、ガツンとくる酒が好きな人にはたまらない力強い味わいのリキュールになりました。

★摂田屋[せったや]
吉乃川がある摂田屋(地名)の一帯は、醸造の街として栄えてきました。地名は、街道の分岐点にあった僧や山伏の休憩所「接待屋」に由来するそうです。吉乃川の近くには醤油蔵や味噌蔵、こて絵で有名なサフラン酒本舗などがあります。

★青島食堂 宮内駅前店
140910青島食堂(青島チャーシュー820円)
宮内駅の近くには、新潟四大ラーメンのひとつに数えられる長岡生姜醤油ラーメンの老舗の青島食堂があります。ランチに青島チャーシュー(820円)を頂きました。

<新潟4大ラーメン>
ラーメン評論家の石神秀幸氏による分類。2005年頃から雑誌等にて紹介されています。
①新潟あっさり醤油ラーメン(新潟市)
昭和初期に屋台で提供されていたラーメンがルーツ。細縮れ麺に煮干し風味のあっさり醤油スープ。
②新潟濃厚味噌ラーメン(新潟市)
野菜たっぷりでコクのあるこってり味噌。「割りスープ」が付くのが特長。
③燕三条背脂ラーメン(燕市・三条市)
うどんのような極太麺と丼の表面を覆う大量の豚の背油が特徴。スープは魚介類の出汁が効いた濃口醤油ベース。
④長岡生姜醤油ラーメン(長岡市)
ショウガの効いた濃口醤油ラーメン。

2011年ごろから⑤三条カレーラーメン(三条市)を加えた5大ラーメンの分類が広まっているそうです。

吉乃川のあとは、お福酒造を見学しました。

(初稿)2017.3.29

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【見学】今代司酒造(新潟・新潟市) - 新潟駅から徒歩圏内。発酵の街ぬったりの全量純米蔵

"18きっぷで行く新潟の酒蔵めぐり”の3日目。1軒目は新潟市内の今代司酒造[いまよつかさ-しゅぞう]を訪れました。

日時:2014年9月10日(水) 9:00~9:40頃
場所:今代司酒造(新潟県新潟市中央区鏡が岡1-1)
内容:見学、試飲(ガイド付き)
料金:無料

★外観
140910今代司酒造 (外観)
最寄り駅の新潟駅から酒蔵までは約1.1kmです。この日は新潟市内のホテルから歩いて酒蔵を訪れました。
140910今代司酒造 (48)県道464号線
酒蔵は県道464号線(国道49号線。栗ノ木バイパス)沿いにあります。ここにはかつて栗ノ木川が流れていたそうです。
140910今代司酒造 (入口)
酒蔵の入口。

★今代司酒造
140910今代司酒造 (25)昔の看板など
創業は江戸中期の1767年。当初は酒の卸し業や旅館業、飲食業を営んでおり、明治中期より酒造りに本格参入しました。かつて沼垂[ぬったり]と呼ばれたこの地は地盤がよく、阿賀野川のきれいな伏流水が湧き、さらに原料や製品の輸送に便利な栗ノ木川(現・栗ノ木バイパス)が流れていました。この沼垂には他にも多くの酒蔵、味噌蔵、醤油蔵などが立ち並んでいたそうです。北前船の寄港地として栄えていた新潟には江戸、京都に並ぶ日本三大花街があり、食通が集まる環境で沼垂の蔵は技を鍛えられてきたそうです。
今代司という名前は元来「今の時代を司る」という意味ですが、現在は「今の時代に合った酒の楽しみ方を創造する」という解釈をしているそうです。
140910今代司酒造 (26)全量純米仕込み
2006年から醸造用アルコールを一切添加しない全量純米仕込みが行われています。

★酒蔵見学
140910今代司酒造 (待合所)
今代司酒造では1名から酒蔵見学を受け付けています。9時から16時(12時を除く)の1日7回、各30分、料金は無料です。年中無休で予約は不要ですが、事前に電話確認をするのが無難です。
140910今代司酒造 (2)集合場所ののれん
見学希望者はサンダルに履き替えて、のれんの下に集まります。この日は東京でバーテンダーをされていたという女性のスタッフが案内をしてくれました。

★酒造工程(一麹、二もと、三造り)
140910今代司酒造 (11)酒造りの様子
はじめに、写真右側のパネルに従って、酒造りの流れを説明して頂きました。同蔵では(一年中ではなく)冬場だけ酒造りが行われています。「一麹、二もと、三造り」といわれるように、麹づくり、酒母(酛)づくり、醪の仕込みが、特に重要な工程になります。
140910今代司酒造 (39)麹、もと
「麹」、「もと」という名称のノンアルコール飲料。「麹」はお米のデンプンを糖化させたいわゆる甘酒、「もと」は本来アルコールを含みますが、この商品は乳酸発酵による甘酸っぱさを活かしたノンアルコール飲料です。

★平和蔵(メインの発酵蔵)
140910今代司酒造 (12)平和蔵
主に酒造りが行われている平和蔵。他に、本蔵、江戸蔵という合計3つの蔵があります。

140910今代司酒造 (13)発酵タンク - コピー
醪を仕込む発酵タンク。手前の杉桶では県内で唯一の木桶仕込みの酒が造られています。
140910今代司酒造 (14)サーマルタンク
発酵タンクには温度管理機能が付いています。

★圧搾室
140910今代司酒造 (19)圧搾機
醪はヤブタ式の圧搾機で搾られます。この機械の中に醪を送入し、徐々に横から圧力をかけて清酒を搾ります。
140910今代司酒造 (20)圧搾機(拡大)
フィルターの役割をするろ板。清酒を搾った後には酒粕が残ります。
140910今代司酒造 (21)圧搾機用の布
圧搾用の布?
140910今代司酒造 (24)圧搾機(下部)
圧搾機の下部。

★江戸蔵(滓引き)
140910今代司酒造 (15)江戸蔵
圧搾室の近くには、江戸時代の建物を移築した「江戸蔵」があります。
140910今代司酒造 (17)江戸蔵の内部
蔵内のタンクでは圧搾後の酒をしばらく寝かせ、不純物(滓)を沈める滓引きを行います。

★本蔵(貯蔵)
140910今代司酒造 (7)本蔵
注連縄[しめなわ]と杉玉が飾られた本蔵の入口。1階はお酒の貯蔵庫として利用されています。

★火入れ
140910今代司酒造 (3)釜と木桶
かつて米を蒸すために使われていた鉄釜。現在は火入れ(お酒の加熱殺菌)用に使われているそうです。
140910今代司酒造 (6)大釜
中には蛇管が張り巡らされていました。

★酒器、酒造道具などの展示コーナー
<蒸留器(分析用)>
140910今代司酒造 (29)蒸留器
アルコール分を分析するための蒸留機(焼酎などの蒸留酒をつくるためのものではありません)。この分析が一般的に行われていなかった時代には、「金魚酒」といわれる金魚が泳げるくらい水で薄められた粗悪な酒が流通していたそうです。

<暖気樽>
140910今代司酒造 (32)暖気樽
酒母をあたためるために熱湯を入れて使用する暖気樽。もとは木製でしたが、後に陶器製となり、ステンレス製やアルミニウム製のものに変化しました。

<利き猪口>
140910今代司酒造 (34)利きちょこ
利き酒に用いる一合の猪口。蛇の目の白い部分で色を、青い部分でテリ(澄明さ)を確認します。

★試飲
140910今代司酒造 (41)
最後にテイスティングカウンターで利き酒をさせて頂きました。

今代司酒造の後は、JR信越本線と上越線を乗り継いで宮内駅に向かい、吉乃川とお福酒造を訪ねました。

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【見学】市島酒造(新潟・新発田)

"18きっぷで行く新潟の酒蔵めぐり”の2日目。
よしかわ杜氏の郷に続いて、市島酒造を訪れました。

日時:2014年9月9日(火) 15:00頃~
場所:市島酒造(新潟県新発田市諏訪町3丁目1-17)
内容:自由見学、試飲(ガイド無し)
料金:無料
交通:18きっぷ(新潟駅←新発田[しばた]駅ほか。1日あたり2,370円)

★アクセス
快速くびき野 (3)
上下浜駅から普通列車を乗り継いで市島酒造の最寄駅の新発田駅へ(上下浜駅11:10→12:21長岡駅12:42→13:36新津駅14:19→14:47新発田駅)。写真は新津駅での乗り換え時に撮影した快速くびきの号です。
140909新発田駅
新発田駅から酒蔵までは約500mです。

★外観
140909市島酒造外観

★王紋[おうもん]
140909市島酒造 (王紋)
「王紋」は、4代目・市島長松氏(現在は7代目)がドイツに留学した際に、王家の紋章にいたく感銘を受けたことから採用された銘柄名。英名は”AU-MONT(造語)”で”山の水(EAU-MONT)”の意が込められているそうです。創業時の銘柄名は”諏訪盛”。

★杜氏蔵
昔の酒造りの道具や量り売り時代の容器などが展示されています。

140909市島酒造 (麹蓋)c
麹蓋。麹造りに用いる道具。蒸米を盛って麹室に入れます。

140909市島酒造 (酒母仕込み用つぼ台)
酒母仕込用つぼ台。

140909市島酒造 (仕込樽)
仕込樽(5,400ℓ)。

140909市島酒造 (槽)
槽[ふね]。出来上がった醪を酒袋に充填して槽の中に並べて上から蓋をし、油圧機(昔は石のおもし)で圧力をかけると、酒袋から澄んだ清酒がろ過されて出てきます。袋の中には粕が残ります。写真は槽の一部を装飾として利用したもの。杜氏蔵には実物が展示されていました。

★旧仕込蔵
140909市島酒造 (仕込蔵)
旧仕込蔵には、現代の酒造道具などが設置されています。
140909市島酒造 (旧仕込蔵)

★瓶詰工場
140909市島酒造 (瓶詰)
洗瓶機(一番奥の見えない所)で約80℃まで温度を上げて殺菌。後に、右手奥の機械で約65℃まで温度を上げて殺菌したお酒が回転している所で瓶詰されます。その後、キャップをして中央にある冷却機で急冷されます。常温で自然に冷ますよりも、急冷するほうが品質保持に良いそうです。

★試飲(夢蔵)
夢蔵では、無料試飲と販売を行っています。
140909市島酒造 (試飲)
<試飲アイテム>
・「王紋 秘蔵酒」1997年仕込の吟醸原酒、日本酒度+9程度、Alc.20度、精米歩合60%、3,500円
・「王紋 大吟醸」日本酒度+6程度、Alc.16度、精米歩合40%、2,800円
・「夢 純米吟醸」日本酒度+4程度、Alc.15度、精米歩合50%、五百万石、1,730円
・「夢 山廃純米」日本酒度+4程度、Alc.15度、精米歩合65%、1,520円
・「夢 純米」日本酒度+4程度、Alc.15度、精米歩合65%、1,190円
・「市島 本醸造」日本酒度+8程度、Alc.15度、精米歩合60%、1,190円
・「かれん 小町」糀と植物性乳酸菌で造ったにごり酒、Alc.8度、1,400円
・「かれん プラム」梅酒、Alc.8度、1,400円

★市島酒造について
創業:1790年代(寛政年間)、昭和28年法人化
資本金:2,500万円
従業員数:30人

★市島酒造の酒造り(HPより抜粋)
①原料米:主に新潟県産の五百万石を使用。近年は新潟生まれの”越淡麗(こしたんれい。山田錦♀×五百万石♂)を使用した高級酒も醸造。
②水:飯豊山系[いいでさんけい]から流れでる軟水の加治川水系を源泉とする仕込み水。
③人:田中毅杜氏を含め、全ての酒造従業員・蔵人が酒造技能士検定1級を取得。また、造りに係わる者は地元新潟の阿賀北地区出身(地元の米を、地元の人間が使って仕込む本当の地酒)。

★新発田名物・から寿し(佐々木食品)
140909佐々木食品 (から寿し)
江戸時代から伝わる新発田名物。酢漬けにした魚を(酢飯ではなく)おからで握ったもの。おからは砂糖を入れて鍋で煎ったものに、麻の実とショウガが混ぜてあります。酢漬けにした魚の酸味と旨み、おからの甘さに加えて、麻の実のプチプチとした食感とショウガの爽やかな辛みが楽しめます。これは酒に合う...
酒蔵の近くの佐々木食品さん(新発田市諏訪町3-3-14)で購入しました。小鯛と小鯵が、各3個入りで各600円(税別)。イートインスペースはありませんが、お店の一角で購入した商品を食べさせて頂きました。冷たいお茶も入れてくださいました。

★周辺案内図
140909 (新発田案内図)
酒蔵の周辺には”清水園”、”足軽長屋”、”諏訪神社”などの観光スポットがあります。いずれも駅から徒歩圏です。

この後は、新発田駅17:22→新潟駅18:10の列車に乗ってホテルのある新潟市内に戻りました。

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ジャンル : グルメ

ぽんしゅ館・新潟驛店 ~ 新潟93蔵の酒を5杯500円で利き酒できる!

"18きっぷで行く新潟の酒蔵めぐり”の1日目。
玉川酒造に続き、新潟駅のぽんしゅ館を訪れました。
ぽんしゅ館・越後湯沢店(9/2に訪問)と同様、新潟93蔵の酒をお猪口5杯500円で利き酒できる施設です。

日 時:2014年9月8日(月) 16時頃~
場 所:ぽんしゅ館・利き酒番所(JR新潟駅直結)
交 通:18きっぷ(東京→新潟駅、1日あたり2,370円)

★外観
140908ぽんしゅ館新潟駅_入口
新潟駅南口直結のぽんしゅ館・新潟驛店の3階に”利き酒番所”があります。

★会計(前払い)
140908ぽんしゅ館新潟駅_メダルとお猪口
レジで500円を支払い、メダル5枚とお猪口を受け取ります。お猪口は最後に返却します。
今回は”お目当ての酒”があったので2セット購入しました。

★利き酒マシーン
140908ぽんしゅ館新潟駅_利き酒マシーンc
壁一面に並ぶ利き酒マシーンは越後湯沢店と同じ機械でした。

★利き酒アイテム(メダル1枚)
お猪口をセットし、メダルを投入してから黄色いボタンを押すとお酒が注がれます。
140908ぽんしゅ館新潟駅_利き酒 (1)真稜c
①「真稜 純米酒」逸見酒造(佐渡)、Alc.15-16度、精米50%、日本酒度+2-5、酸度1.35
140908ぽんしゅ館新潟駅_利き酒 (2)八海山
②「八海山 本醸造酒」八海醸造(南魚沼)、Alc.15.5度
140908ぽんしゅ館新潟駅_利き酒 (3)鶴の友
③「鶴の友 普通酒」樋木酒造(下越)、Alc.15-16度、日本酒度+5、酸度0.7
140908ぽんしゅ館新潟駅_利き酒 (4)舞鶴鼓
④「舞鶴 鼓[まいつる つづみ] 純米酒」恩田酒造(長岡)、Alc.17-18度、日本酒度+2、酸度1.4
140908ぽんしゅ館新潟駅_利き酒 (5)越乃寒梅
⑤「越乃寒梅 普通酒」石本酒造(新潟市)
140908ぽんしゅ館新潟駅_利き酒 (6)北雪
⑥「北雪 純米酒」北雪酒造(佐渡)、Alc.15度、日本酒度+5.5、酸度1.3

★利き酒アイテム(高級酒、メダル2枚以上)
140908ぽんしゅ館新潟駅_利き酒 (11)北雪YK35
⑦「北雪 大吟醸 YK35」(北雪酒造)、山田錦、精米35%、メダル4枚
”Yは山田錦、Kは熊本酵母(きょうかい9号酵母)、35は精米歩合35%”を表し、鑑評会で金賞をとるならYK35の製法と言われています。蕎麦職人の大家さんがおすすめのお酒でいつか飲んでみたいと思っていたお酒です。
140908ぽんしゅ館新潟駅_利き酒 _北雪2種cp
右の北雪の純米酒はほんのり山吹色で力強いコクがありました。一方のYK35は澄んだ透明色で、華やかな吟醸香が口中いっぱいに広がり、きれいで爽やかな酒でした。

140908ぽんしゅ館新潟駅_利き酒 (14)
越後湯沢店の時と同様にプラスチックカップに注ぎ直すと、色の違いがよくわかりました。

★日本酒に合う塩と味噌
利き酒コーナーの利用者は、無料で楽しめます。
140908ぽんしゅ館新潟駅_塩 (8)
54種類の塩。越後湯沢は81種類でした。
140908ぽんしゅ館新潟駅_生きゅうりc
味噌。生きゅうりは1本100円またはメダル1枚。

★銘柄選びの参考に
140908ぽんしゅ館新潟駅 (11)
壁にはスタッフおすすめのお酒なども掲示されています。
この日のおすすめは、
(1)月見不の池[つきみずのいけ]、(2)雪鶴、(3)越路乃紅梅、(4)越乃白雁、(5)越路吹雪
前月の人気ランキングは、
①越後鶴亀、②麒麟山ときかぜ、③越の寒中梅、④伝衛門、⑤地上の星、⑥越乃景虎、⑦越後美人、⑧越の誉、⑨笹祝、⑩越乃寒梅
越後湯沢店のランキング(下記)と1位は同じですが、他はずいぶんと違いました。
①越後鶴亀、②越後桜、③久保田、④COW BOY、⑤越の梅酒、⑥無冠帝、⑦越乃寒梅、⑧かたふね、⑨景虎、⑩北雪 純米

★「新潟オリジナルコントロール」マーク(新潟清酒産地呼称協会)
140908ぽんしゅ館新潟駅 (27)c
以下の条件を満たし、品質管理委員会に認められた”新潟ならではの酒”に表記されるマーク。
1.原料米は100%新潟産
2.醸造値は越後・新潟
3.仕込み水は越後・新潟
4.精米歩合は60%以下

★新潟清酒学校(HPより)
酒造技能者の後継不足を先取りして、1984年に新潟県酒造組合がつくった教育機関。酒造技術の中堅技能者を養成。蔵元から推薦派遣されたものだけが入校を許され、働きながら年間約百時間、三年間で卒業。毎年20名前後の卒業生を送り出し、卒業生は400名超。このような清酒学校が継続しておかれているのは、世界中で新潟県のみ。

★ぽんしゅ館・越後湯沢店との比較
・値段:両店とも、お猪口5杯で500円。システムは同じ。
・高級酒の酒器:越後湯沢店はお猪口、新潟店はワイングラス
・塩:越後湯沢店が81種、新潟店は54種
・93蔵の酒リスト:越後湯沢店では店員に頼むともらえました
・その他:越後湯沢店は酒風呂と麹カフェを併設

新潟の酒は”淡麗(端麗?)辛口”のイメージが強いですが、一口に括れないほど多様な酒があると感じました。

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【見学】玉川酒造・ゆきくら館(新潟・越後須原)

18きっぷで行く新潟の酒蔵めぐり。
1日目は、玉川酒造とぽんしゅ館(新潟駅)を訪れました。

日時:2014年9月8日(月) 12:00頃~
場所:玉川酒造・ゆきくら館(新潟県魚沼市須原1643)
内容:自由見学、試飲(ガイド無し)
料金:無料
交通:18きっぷ(東京→小出[こいで]駅ほか。1日あたり2,370円)、路線バス

★アクセス
160908_小出駅(83)
18きっぷで各駅停車を乗り継ぎ、一路新潟県へ。上野駅6:26発→小出駅11:10着(高崎駅、水上駅で乗り換え)。
160908_玉川酒造 (1)小出駅バス停
酒蔵はJR只見線・越後須原駅から徒歩5分ですが、列車の本数が極端に少ないため(1日4本)、小出駅から路線バスを使いました。小出駅(大白川行)11:30発→須原駅角11:56着。
160908_玉川酒造 (2)只見線
バスの車窓より。小出駅へ向かう只見線とすれ違いました。
160908_玉川酒造(76) 越後須原駅
越後須原駅のホーム。一面一線の単式ホーム。

★外観
160908_玉川酒造 (62)外観
左奥より”造り蔵”と”土蔵”、右奥が”越後ゆきくら館(売店・試飲)”。土蔵は越後の豪農・目黒邸より大正元年(1912年)に移築。雪国ならではの”板張りの壁(土壁を雪から守る)”がそのまま復元されているそうです。

★ゆきくら
160908_玉川酒造 (61)ゆきくらcp
酒蔵がある越後須原は豪雪地帯。天然の雪を特殊なシートで覆い、年間を通して大吟醸を低温貯蔵(2~3℃)しているそうです。残念ながら、この日は地下の貯蔵庫を見学できませんでした。

★仕込み水
160908_玉川酒造 (36)仕込水
蔵の入り口の手前で仕込み水の試飲ができます。2キロ先の裏山の中腹より湧き出る大清水(軟水)を使用しているそうです。”空気をたっぷり含んだ軟水(1.78dH)で、鉄分のない超良水”(「目黒五郎助」のラベルより)。(注)dH(ドイツ硬度)は、水100ml中に含まれるカルシウムとマグネシウムの量を、炭酸カルシウムの濃度に換算した重量。ppm(アメリカ硬度)は水1リットル中の硬度を、酸化カルシウムの重量に換算したもの。1dH=17.8ppm。
160908_玉川酒造 (64)空ペットボトル
水は持ち帰ることもできます。空のペットボトル(1本50円)も販売されていました。

★造り蔵・土蔵(自由見学)
160908_玉川酒造 (11)造り蔵 jpg
造り蔵の内部。当蔵の酒造りは冬季のみのため、酒造道具などが置いてあるだけでしたが、とても興味深かったです。
160908_玉川酒造 (10)造り蔵
蒸米をつくるための”甑”など。
160908_玉川酒造 (12)造り蔵_タンク
土蔵の内部。8,000ℓの貯蔵用タンクが並んでいました。

★神棚(土蔵)
160908_玉川酒造 (52)松尾様
[説明文より]この神棚は、酒造り・醸造の神として”松尾大社”を崇拝しお祭りしているもので、杜氏や蔵人が日夜心身ともに清浄な気持ちで酒造りに励む、精神のよりどころとして篤い信仰を寄せているものです。松尾大社は京都で最も歴史のある神社で、平安京より早く創建(大宝元年=西暦701年)されています。松尾大社の祭神は、”市杵島姫命(いちきしまひめのみこと)”、”大山昨神(おおやまくいのかみ)”と言われています。お参りの作法は、”二拝・二拍手・一拝”。

★試飲
160908_玉川酒造 (23)試飲
売店の”越後ゆきくら館”では常時10種の酒を無料で試飲できるそうです。

<試飲アイテム>
①「特別本醸造 越乃玉梅」Alc.15%、精米60%、米・米こうじ・醸造アルコール
②「純米吟醸 越乃雪蔵」Alc.14%、精米60%、米・米こうじ
③「純米大吟醸 目黒五郎助」Alc.15%、精米50%、米・米こうじ
④「大吟醸 越後ゆきくら 玉風味」Alc.17%(原酒)、精米40%(山田錦)、協会901号酵母、日本酒度:+3.0-6.0、雪中1年貯蔵
⑤「大吟醸 ゆきくらスパークリング」、Alc.12%、精米50%、生酒、米・米こうじ・醸造アルコール、出荷まで雪中貯蔵(温度2℃)
⑥「にごり酒 守門の雪」Alc.18%、精米60%、米・米こうじ・醸造アルコール
⑦「越後武士[えちごさむらい]」Alc.46%、清酒・醸造アルコール、清酒を使用したリキュール
⑧「越後武士 梅酒」Alc.20%、梅(南高梅)・清酒・砂糖・醸造アルコール
⑨「越後武士 神蛇[じんじゃー]」Alc.12%、生姜・カリン・清酒・醸造アルコール・氷砂糖・レモン原液
⑩「さくら珈琲」Alc.12%、アイスコーヒー・清酒・砂糖・醸造アルコール、プロゴルファー・横峯さくら後援会認定のコーヒーリキュール

発泡性、にごり、リキュールなど、多彩な酒が揃っていました。

★越後武士[えちごさむらい]
アルコール度数46度のリキュール。酒税法改正前は国内最高度数の日本酒だったそうです。旧商品名は「越後さむらい」。微生物が醸す酒は20度前半が上限のはずなので、”門外不出の製法”が気になりました(度数の強い蒸留酒でアル添?貴醸づくり?)。

★メモ
・玉川酒造の創業は1673年(寛文13年)。目黒五郎助(初代)から18代目を数える。
・目黒家は1610年頃に会津藩から魚沼に移住し、割元庄屋を務めていた。1673年、6代目・目黒五郎助が、高田藩主・松平光長候より80両で酒造免許を得て酒造りを開始。(注)割元=江戸時代の村役人の一。郡代・代官などの指揮下に名主(庄屋)を支配して十数か村から数十か村を統轄し、年貢の割り当てや命令の伝達などを行った。割元総代。割元庄屋。
・2005年(平成17年)には来場者100万人を達成するなど観光コースにもなっている。

★帰路
160908_越後須原の町並み (71)
酒蔵周辺の町並み。建造物の屋根や壁などに豪雪地帯特有の工夫が施されているようでした。
160908_玉川酒造 (78)須原駅角バス停
小出駅へ戻るバスの時刻表。13:01発に乗車。只見線と同様に極端に数が少ないため、酒蔵を訪れる人は乗り遅れ等のないようご注意を...

この後は、新潟駅のぽんしゅ館・利き酒番所を訪れ、新潟市内に宿泊しました。

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ぽんしゅ館・越後湯沢駅 ~ 新潟93蔵の酒を5杯500円で利き酒できる!

一口に日本酒といっても色や香り、味わいは様々... 
利き酒の訓練ができる所を探していたら、新潟93蔵の酒を”おちょこ5杯500円”で利き酒できる施設を見付けました。
初の酒蔵見学(白瀧酒造)と併せて、さっそく訪ねてきました。


訪問日:2014年9月2日(火)
場 所:ぽんしゅ館・越の室(JR越後湯沢駅構内)
交 通:18きっぷ(東京⇔越後湯沢、1日あたり2,370円)


★外観
140902ぽんしゅ館(越後湯沢) 外観(14) jpg
越後湯沢駅の改札口を出て、正面のお土産屋が並ぶエリアの奥の右側にお店はあります。同じ館内に”酒風呂”や”糀カフェ”などもあるので、お酒を飲まない人も楽しめます。


★会計(前払い)
140902ぽんしゅ館(越後湯沢) (5)コインと猪口 jpg
レジで500円を支払い、メダル5枚とお猪口を受け取ります。お猪口は最後に返却します。


★利き酒マシーン
140902ぽんしゅ館(越後湯沢) (18) jpg
壁一面に並ぶ利き酒マシーン。テンションが上がります(^^)


★利き酒アイテム(メダル1枚)
お猪口をセットし、メダルを投入してから黄色いボタンを押すとお酒が注がれます。
140902ぽんしゅ館(越後湯沢) (19)jpg
①「久保田 千寿 吟醸酒」朝日酒造(中越)
140902ぽんしゅ館(越後湯沢) (32)
②「緑川 本醸造」緑川酒造(魚沼)
140902ぽんしゅ館(越後湯沢) (31)
③「清泉 特別純米酒」久須美酒造(中越)、日本酒度+4、酸度1.6
140902ぽんしゅ館(越後湯沢) (30)
④「鶴の友 普通酒」樋木酒造(下越)、日本酒度+5、酸度1.2
140902ぽんしゅ館(越後湯沢) (29)
⑤「北雪 普通酒」北雪酒造(佐渡)、日本酒度+7、酸度1.2


★利き酒アイテム(高級酒、メダル2枚以上)
140902ぽんしゅ館(越後湯沢) 大吟醸(10)
⑥「八海山 大吟醸」(八海醸造)、メダル3枚
⑦「高千代 大吟醸」(高千代酒造)H25BY全国新酒鑑評会金賞受賞、メダル3枚


★日本酒に合う塩と味噌
利き酒コーナーの利用者は、無料で楽しめます。
140902ぽんしゅ館(越後湯沢)塩 (21)jpg
81種類の塩。竹炭入り、珊瑚カルシウム入り、紅塩ハイビスカスなど珍しいものもありました。
140902ぽんしゅ館(越後湯沢) 味噌(20) jpg
2種類の味噌。”あやこがね”と”あま辛なんばんみそ”。


★銘柄選びの参考に
140902ぽんしゅ館(越後湯沢) おすすめの酒(16)
壁にはスタッフおすすめのお酒なども掲示されています。
前月の人気ランキング(下記)も掲載されていました。
①越後鶴亀、②越後桜、③久保田、④COW BOY、⑤越の梅酒、⑥無冠帝、⑦越乃寒梅、⑧かたふね、⑨景虎、⑩北雪 純米


★感想など
140902ぽんしゅ館(越後湯沢) 利き酒4種(9) jpg
プラスチックカップに注ぎ直すと、色の違いがよくわかりました。
香味も様々でしたが、その違いが何に基づくのかがわからず、もどかしかったです。
ワインならブドウ品種の違いと産地の気候からある程度推測できますが、日本酒は何を基準に判断すればよいのだろう...?
同じ大吟醸でも全く異なるし、酒米の個性もブドウほど強くないだろうし、(酵母菌に加えて)麹菌がつくる成分もあるだろうし...
”自分好みの銘柄”を選べるようになるためにも、もっと日本酒のテイスティングを勉強したいと思いました。


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【見学】白瀧酒造(新潟・越後湯沢) - ”白こうじ”の衝撃

初の酒蔵見学は、新潟県の白瀧酒造を訪れました。「上善如水」の醸造元です。
前日にHPで見付け、急遽申込みました。

日 時:2014年9月2日(火) 13:30~
場 所:白瀧酒造(越後湯沢駅から約400m)
内 容:蔵見学1時間、試飲1時間
料 金:無料
交 通:18きっぷ(東京⇔越後湯沢、1日あたり2,370円)

★アクセス
140902越後湯沢駅
最寄駅は越後湯沢駅。駅の東口から目的地までは徒歩4分です。

★外観
140902白瀧酒造外観
外観は現代的な建物でした。

★蔵見学
この日の見学者は自分1人。受付を済ますと担当の社員の方が迎えに来てくれるので、製造場のある建物に移動します。
入口で長靴に履き替えて工場内(撮影不可)の見学が始まりました。

精米、洗米・浸漬、蒸鏹、製麹、酒母・仕込、発酵、ろ過、火入れの工程を、社員のM川さんが丁寧に説明してくれました。
事前に上原浩著『純米酒を極める』で製造工程を予習していましたが、思っていたよりも機械化されていると感じました。
それでも人の手を介する場面は多く、日本酒造りの難しさと複雑さを実感しました。

[精米] 精米後の白米を入荷。平均精米歩合は58%。酒米のサンプルを初めてみましたが、想像以上に小粒でした。
[洗米・浸漬] 大吟醸は手で洗米、他は機械。米に吸水させる時間は水温や気温に応じて秒単位で管理(8分20秒など)。
[蒸鏹]100℃の蒸気で約40分蒸します。甑は使わず、最新式の連続蒸米機を使用。
[製麹] タネを付けてから約50時間で麹が完成。
[酒母・仕込] 麹に水と蒸米を加えて約2週間で酒母が完成。大きなタンクに移して更に水と蒸米を加えて”三段仕込み”。酒母1に対し、初添2・中添4・留添8の割合。仕込みは7℃。最高温度はもろみは15℃、酒母は20℃に抑制。酒母は酵母菌が早く増えるように温度を上げる一方で、もろみは発酵熱を抑えるため冷やすそうです。
[ろ過] もろみは機械でろ過(残りが酒粕)、上等の酒は(ろ過ではなく、)ろ布で絞ります。
[火入れ] 65℃で短時間加熱し、酵素の働きを止めます。アルコールに強い火落ち菌(乳酸菌の一種)も除きます。

★試飲 
工場見学の後は、ショールームのカウンターに移って試飲をさせて頂きました。
140902白瀧酒造上善如水試飲3種
まずは主力銘柄の「上善如水」3種。ワイングラスに注いでくれます。

精米歩合、アルコール度、日本酒度、酸度、アミノ酸度は、
①「上善如水 純米吟醸」60%、Alc.14-15°、+5(辛口)、1.3、1.5
②「熟成の上善如水 純米吟醸」55%、Alc.15-16°、+3(やや辛口)、1.7、1.6
③「上善如水 純米大吟醸」45%、Alc.15-16°、+2(中口)、1.5、1.7

140902白瀧酒造上善如水試飲ラベル
①はK1801(18号酵母)、②はK1407(14号酵母、金沢酵母)を使用。
低温でじっくり貯蔵した②の方が乳酸やコハク酸などの酸度が①よりもやや高め。

こちらでも質問に丁寧に答えて頂き、わからない点は製造担当者に電話までして調べてくれました。
同時に飲み比べると、違いがよくわかります。

衝撃的だったのが、この「白こうじ」。
140902白瀧酒造上善如水白こうじ
純米酒なのに、まるで白ワインのような酸味と甘み。
日本酒は通常"黄麹”を使いますが、これは焼酎などに使われる”白麹”を使用したもの。
クエン酸生成に長けているため、柑橘類のような香味が生まれるそうです。

日本酒って、こんなこともできるんだ...

続いて試飲した「ロック酒」も同様の甘酸っぱい香味でしたが、分析数値が違う点が興味深かったです。

④「上善如水 白こうじ」60%、Alc.13-14°、-32(甘口)、酸3.6、ア1.4
⑤「ロック酒の上善如水 純米」60%、Alc.10-11°、-70(甘口)、酸8,0、ア2.8

白こうじよりも日本酒度のマイナス幅と酸度が大幅に高い一方で、アルコール度数は3度低いため、果実様の甘酸っぱい香味がより強く感じられました。日本酒度-70は白瀧酒造でもっとも甘口とか。個人的には、白こうじの”酸・甘・辛のバランス”が好みでした。

結局、これだけの試飲をさせて頂きました。
140902白瀧酒造試飲全種
⑥「真吾の一本 純米大吟醸」35%、Alc.15-16℃、-1(中口)、酸1.3、ア1.5
⑦「白瀧 純米」70%、Alc.15-16℃、+2(中口)、酸1.6、ア1.6

⑥は杜氏の名前を冠した酒。山口真吾杜氏は、1961年生まれ。現代の名工に選ばれた故河合高明杜氏の技を引き継いだ前杜氏高綱強氏の愛弟子。蔵の敷地からくみ上げる地元の軟水”谷地(やち)の湧き水”を使い、飲みやすく旨みのある酒を追求しているそうです。

蔵元の高橋晋太郎氏は7代目で、まだ30代。
醸造用アルコールを使わず全量純米酒にこだわり、白こうじのような新しい試みにも取り組み、海外進出も手掛けるアグレッシブな方のようです。

日本酒の奥深さを思い知り、一層の興味を掻き立てられる有意義な蔵訪問でした。
特に「白こうじ」は、テイスティング会を開く際には積極的に取り入れたいと思いました。

★白瀧酒造
創業:安政2年(1855年)
代表者:高橋 晋太郎氏(初代は、湊屋藤助氏)
所在地:新潟県南魚沼郡湯沢町大字湯沢2640番地

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プロフィール

Nomura Seiji

Author:Nomura Seiji
・お酒と薬膳理論の入門講座、飲酒教育
 nomuras.jimdo.com
・JSAワイン検定講師
・JSAワインエキスパート
・1971年生
・東京在住

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